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「withコロナ」の環境下においてマーケターが気にかけるべき3つの重要点

まず新型コロナウイルス( COVID -19 )に関して、自分は2月の段階で「新型コロナウイルス に備えて、いま広告運用者が冷静に考えるべき3つのこと」というテーマで note を書きました。

コロナと共生

それから早1ヶ月、3月の下旬から新型コロナウイルス感染者は日本全国で増加傾向にあります。

自分は様々な業種の広告運用を生業としている関係上、現状そこまで生活への大きな影響は特には受けていません。しかし、3月下旬から特に以下の3つの業務に日々追われるような形となっています。

(1)広告配信停止対応、ご予算変更に伴う予算計画見直し
(2)オンラインへの切り替えに伴うアドバイス・広告上の変更
(3)「今だからこそ」展開できる新規施策、広告ご提案、広告配信強化

広告停止に至るところもあれば、逆にこれを「機」に強化しているところもあります。

良くも悪くも、お付き合いのあるクライアントさんには影響が出ているような状況です。それに対していち早く1月の下旬から動き始め、特に3月から集中してリソースを投下し、今の自分ができる目の前のことに対して、最大限できることを実施しています。そしてそれは今もなお継続中です。

自分自身の話

自分自身、業務も4月2日からは完全に在宅に切り替え、自宅で全手の仕事を実施しています。

せっかく「【職住近接】オフィスから徒歩1分の家に引っ越した話」という note を書いてプチバズったのに、その1ヶ月後にまさか完全在宅ワークに移行するとは...。コロナが終息したら「会社から徒歩1分の家に引っ越してプチバズったnoteを書いた1ヶ月後に完全在宅ワークになった話」という note でも書こうかと思います。(冗談です、そして長いw)

話をnoteタイトルの話に戻します。もともと「 with コロナ」というキーワードは、落合さん @ochyai と安宅さん @kaz_ataka の下記対談番組の中で出てきた言葉です。お二人曰く、「アフターコロナは当分来ない、それよりも" with コロナ"が重要」とのこと。

ちなみにその対談の後日談を含むブログ記事を、安宅さんが先日掲載されました。少し大きなスケール観で書かれていますが、とても重要なことを書かれているのでぜひお時間がある際にご一読を。

「 with コロナ」の環境下において、マーケターが気にかけるべき3つの重要点

今日は、「 with コロナ」の環境下において、マーケターが気にかけるべき重要点についてお話ししたいと思います。重要点は、以下の(1)〜(3)の3つです。

(1)多くの人の行動は「思考」の結果ではないということを理解する

直近で『情動はこうして作られる』『脳のリズム』という2冊を読んだのですが、これがものすごく面白い。

どちらも脳に関わる専門書なのですが、どちらも脳は「予測」をする器官だと説明しています。「思考する」器官ではないんですね(苦笑)

また予測を生んでいるのはリズムであり、絶えず「予測」と「訂正」がされているとの指摘がなされています。

以下は上記『情動はこうして作られる』からの引用になります。

出会う人々、自分の予測や考え、さらには視覚、味覚、触覚、嗅覚などに関する予期されざる感覚入力はすべて、身体予算と、対応する内受容予測に影響を及ぼす。脳は、生きていくために必要な予測に由来する、絶えず変化しながら持続する内受容予測に影響を及ぼす。私たちは、それに気づいていることもあれば、気づいていないこともある。しかしそれは常に、脳が構築した世界のモデルの一部をなし、すでに述べたように、日常生活を誰もが経験している快、不快、興奮、落ち着きなどの単純な感情の科学的な基盤をなす。この流れは、人によって清澄な小川の細流のようなものになれば、逆巻く大河のようなものにもなる。感覚刺激は情動に変換されることもあるが、これから見ていくように、背景に退いているときでも行動、思考、知覚に影響を及ぼす。 

今回の一件ではトイレットペーパー、納豆の買い占めなどが起きましたが、それだけではなく、現政権に対する様々な批判が飛び交いました。でも実際にトイレットペーパー、納豆はしっかりと継続的に生産されています。また現政権も「マスク2枚」に施策がクローズアップされてしまいましたが、医療機関へのマスクの優先供給はもちろん、早期より、特に法人に対して手厚い施策を複数展開しています。

しかし多くの人は、「事実」を重視しません。メディアによって形成された、目の前に飛び込んできた情報をベースに、脳内で「予測」と「訂正」をリズム的に繰り返し、そして形成された「情動」で動きます

自分は今回のコロナ騒動は、数年レベルで、かなり長期化し尾をひくのではないかと考えています。

それは山中教授がおっしゃられている「長いマラソン」という考えを支持するというのもあるのですが、それ以上に、例え WHO が「終息宣言」をしたとしても、人は情動で判断するため、理屈や論理では動きません。そのため多くの人が集まるような場所(特に三密)に人が集まり始めるには、今しばらく時間がかかるのではないかと思います。

(2)広告、LP、マーケティングのあり方を見つめ直す

広告、LP、マーケティング活動も見直しも必要です。人々の生活環境が劇的に変わるのですから、当然です。

例えば今まで問題なかった、カフェや屋外での密集しているシーンを連想させるような広告画像の使用や、 LP での使用はユーザーから反感や、違和感の対象となるかもしれません。

これらケースにおいてどう対処するのかは、マーケターの知恵の見せどころなのではないかと考えています。

GOの三浦さん @TAKAHIRO3IURA は、上記の動画の中で「知恵を売る会社が生き残る」という話をされています。

自分もこの考えに完全同意します。

例えば過去これまでは、データを用いて解析し最適解を見つけ出してきました。ところが今回のコロナの影響で、例えば直近のユーザーデータはあまり参考にならないものとなっているケースも多いのではないかと思います。

そのため「データ」ではなく、今まで高めてきた「知恵」で如何に切り込めるかが、マーケターにはまず間違いなく今まで以上に求められるようになっていくのではないかと思います。

よりユーザーの行動を深く考えたり、時には「勘」で物事を的確に判断したり、よりクライアント、社会に対して良い影響を与えられるかが、非常に重要となってくると考えています。

(3)消費形態、購入決定要因( KBF )の変化を見逃さない

最後に「消費形態」や「購入決定要因( KBF )」の変化は見逃せないので、ここも早期段階で気づき、取り組む必要性があるように感じています。

例えば先日下記のようなツイートをしましたが、今後確実に消費はスライドしていきます。そしてそれは時には「市場創造」をはじめとする、大きなチャンスでもあります。

また購入決定要因も大きくわかるはずです。例えば今までは価格や品数、社歴が KBF だった商材だったのに対して、今後は「オンラインで決済まで全て可能か」という点が KBF となり、評価されるようになるケースも増えてくるのではないかと思います

そしてすでに気づいている人は広告文を変更する、テストするなど、手軽で気軽なところから動き始めています。 

まずは自分の手持ちの案件を深く整理し、クライアントと真摯に向き合い、相談を重ねましょう。時には平時では「奇策」と思われる施策が、一法人、一個人を窮地から救い出し、大きく躍進させるキッカケにもなるかもしれません。

最後に

冒頭でも書いた通り、まだ全体が見えないぐらい、我々が想定しきれていないような社会変革の波が一気に押し寄せてきているように自分は感じています。これまでにないような、大きな文化的特異点にいると思ってもらって間違いないと思います。

そして過去の体験や経験では判断が難しい、ぶっちゃけムリゲーなお仕事もバンバン降ってくると思います。でもそれはクライアントには関係ありませんから、自分はただただ目の前の仕事に取り組むだけです。

そしてそれらの仕事を最後で放棄せず、逃げなかった、消えなかった人だけが最後の最後に「本物」になれると自分は確信しています。そしてこれらは、バブル崩壊、ITバブル崩壊、911、311、過去の数々の歴史が証明しています。

もうここまできたら、平時では中々経験することができないような希少な経験値、一次情報を獲得するチャンスだと開き直り、前向きに目の前の大波に飛び込むしか他に道はありません。もちろん自分自身もそうする所存です。だって自分自身も「本物」になりたいですから。 

@RKawtr

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