koike

アフリカの民族楽器演奏家

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アフリカノオト

アフリカに初めて行った29年前、一年間ケニアとタンザニア に行き、現地の太鼓やダンスそしてカリンバに触れた体験をまとめました。 帰国直後から描き始めたにもかかわらず、28年という時間がかかったのは、自分の体験を客観的に見るのに時間が必要だったからです。 難しいことはほとんど書いてありません、僕が僕の目で見たままの感覚をそのまま描いたつもりです。 編集は、河出に勤めていた父が担当してくれました。 28年も前のアフリカですが、現代に十分生かされること、アイデア、そしてものの見方が

    • ダンス

      腕を回す、 クネクネと連続して、 そこに言葉が生まれている 言語が分かる人には それが伝わっている 手を開くだけで そこに何があるのか 聞き取る人たちがいる 指を少し上げるだけで その感覚を掴み取る人たちがいる くちぶるを少し上げたり、尖らせるだけで それが何を言っているのか、感じる人たちがいる。 でもそれは他人の感じ 自分の中の物語は、本当は自分しか知らない。 それを踊っているのは、僕自身しかいない。 その中心を突き詰めて、追いかけて いや、出てくるままに任せて いや、体自

      • じゃりみち

        うちの前の道は、じゃり道だ。 周りの人には、不便だろう、と言われる。 雨が降れば、砂利が流れて、穴が開いてしまったり。 草刈りをしなければ、すぐにやぶになってしまうこの道。 毎日生きていうrかのように様変わりする、170mのじゃり道。 じゃり道と、友達のように付き合ってる。 雨が降って、車が通って、穴が開いてしまうたびに、犬が拾ってきた石ころや、瓦を割って、埋める。 いつの間にか石畳のようになっている。 だんだん膨らんでくる、ワダチの真ん中も、イノシシがミミズを取るために、牙

        • 友達

          本当のことを言ってくれる 不躾なひょうきんな人に、 別に免許はいらない ハンデ押したような情熱のかけら 太陽を見てるみたいな時 暑くてシャツだけな冬の日 なんでこんなにおかしいの お茶だけで酔っ払って 震える声の振動は とても一人の時のこと思い出せない あんなに泣いてふさいでいたときのこと たった一言で吹き飛ばすなんて 魂はただの偶然で ふたたびかさなりあう

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        • 詩集1
          1本

        記事

          だんだん青に

          あなたに映る僕は 心に灯った蝋燭 一生懸命 風に吹かれても守ったはずが 川に浮かべて流れていった いつからだろう その日がただの テレビに映る火になり 懐かしい思いからも 遠ざかる景色 小さなお庭になってしまった。 僕が本当に欲しかったのは ただ砂浜を二人で歩くだけの そう、はだしであるくだけのじかん 月が二人を照らしている 小声でようせいたちが歌う しじまを照らすざんとうの 埋められた記憶を、とこしえに そしてまた一人 黒い海は、だんだ

          だんだん青に