ダンス

腕を回す、
クネクネと連続して、
そこに言葉が生まれている
言語が分かる人には
それが伝わっている
手を開くだけで
そこに何があるのか
聞き取る人たちがいる
指を少し上げるだけで
その感覚を掴み取る人たちがいる
くちぶるを少し上げたり、尖らせるだけで
それが何を言っているのか、感じる人たちがいる。
でもそれは他人の感じ
自分の中の物語は、本当は自分しか知らない。
それを踊っているのは、僕自身しかいない。
その中心を突き詰めて、追いかけて
いや、出てくるままに任せて
いや、体自体が全ての記憶と共に
動き発散しはじめる
あ、僕は、今、とり、トカゲ
太陽、いけ、水、全てとつながり
全ての心を踊っている
宇宙、そして、それが一つの惑星の踊り
そんな気持ちで腕を回す
指を動かす 
ダンスをしているのは本当は宇宙
ダンスしているのは地球
草、花、木
ダンスしていなかったのは人間だけ
だったと気付いた
それ以外は、みんなダンスしているのだった。