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『ディア・ファミリー』観てきたよ

楽しみにしていた映画『ディア・ファミリー』が公開になったので早速観てきました!
というのも、私大阪で観られる本公演は全部観に行っているほどの子NACSでして……そして筋金入りの藩士でもありまして……とにかく主演大泉洋の映画ありがとうございます!!!何をおいても観に行かなければ!という事で。

しかし、この映画、どうかなあ、私の好みじゃないかもなあ、とちょっと危惧もあって。
ちなみに私の好きな映画は『アフタースクール』『キサラギ』『ドロステのはてで僕ら』など。
セリフをひとつでも聞きそびれると置いて行かれるような会話劇が好き。
ディア・ファミリーの宣伝を見かけるたびにそこに書かれた“愛の実話”“娘の命に残された時間は10年“などのうたい文句に怯むような気持もあって。
でも、自身で脚本も書いて演出もする洋さんが、ただのお涙頂戴メロドラマに主演するわけがない……!と信じてもいて。


余談ですが、特に邦画って、宣伝がヘタというか……なんでそうなっちゃうのかなあっていうの多くないですか?
思い出されるのが、これも洋さんが主演した『月の満ち欠け』。
あれって私、さまざまな愛を軸に数奇な運命を描いたサイコサスペンスだと大真面目に思うんですけれど(洋さん演じる小山内さんが最後までずっと怪訝そうな顔をしていたのが答えだと思う)、
公開直前に目黒くんが大バズりしたことでより幅広い層を集客しようとしたのか、壮大なヒューマンラブストーリーですよ!みたいに宣伝したの悪手だったよなと今でも思う。
もちろん映画を観れば分かるんだけど(まあでも確かに三角くんと瑠璃さんは二人の世界の中で純愛だったかもしれないけど)、
あの宣伝を真に受けた目黒担のみんながこぞって“こんな感想抱いてしまって良かったのか……“ってなってるのも聞いたし、
もちろん”思てたのと違う“ってなった人もいるだろうし。
でもちょっと待てばどんな映画でも配信で観られるようになる昨今、映画館へ足を運んでもらうの大変なんだろうな、とも思う……。
もうひとつ余談ですが(これ『ディア・ファミリー』もやってるけど笑)
来場した人や映画を観てる人を映して“何万人が泣いた!”みたいなCMも苦手です。映画好きな人は特にこういう人多いんじゃないかなあ。

というわけで、もしかしたら苦手かもと思いながら観た『ディア・ファミリー』やっぱり!見事にその予想を裏切って!最高に良かったです!
ほんとに俳優大泉洋に一生ついていきますよ私は。

確かに宣伝で受けた印象通り感動作ではあるんだけど、その感動も愛も押し付けがましくなく、実在の人たちへのリスペクトをちゃんとしたうえで、「物語」を成立させてるのがすごくいいなと思った。
実在の話、しかも誰かが亡くなる話を映画化した時に泣かせるためにやりがちな事(ご臨終シーンやお葬式のシーン、あとエンドロールでご本人のお写真が出てきたり)を一切やらなかったのがほんとに品が良くて好きだった!
宣伝では危惧したけれど、描きたいのはそこではなく主人公坪井さんの生きざまなんだ!っていうのがもう画面中から伝わってきて、これぞ邦画の楽しさ!という感じ。

反語ではなく、生きる意味とか家族の意味、それを物語を通じて骨太に描いてるのが素晴らしかった。
全員が観る前から物語のゴールも分かってるしあらすじもほぼ分かってる状態で、それなのにここまで物語にひきこむのほんとにすごい。

とにかく洋さんの「自分勝手なのに、根拠もないのになぜかそこにいると頼り甲斐があるし、そこにお父さんがいれば大丈夫だと思ってしまう」昭和のお父さんが素晴らしくて。
昭和のお父さんに育てられた世代の人はちょっとほんとに涙腺がやばいと思う。
あと町工場ならではの技術が役立つ、みたいなストーリーみんな好きだよね!と思いつつ、やっぱりそれも良かった。
洋さんのお芝居ってほんとに好き。

あと川栄さんのお姉ちゃんもめっちゃ良かった。
おねえちゃーんって私のお姉ちゃんでもないのに泣いちゃうくらい、ほんとに良いお芝居でした。
妹の新井美羽ちゃんもかわいかったし。
ただ菅野さんのお母さんがちょっと、不思議なお芝居だなと思ってしまった……。でも菅野さんっていつでも不思議な感じだったか。

もちろん北斗くんも素晴らしかったし(洋ちゃんファンとしては初めて2人だけになるシーンでちょっとニヤニヤしてしまったけど)北斗くんって声に説得力があっていいですね!

そして本編ではところどころでううう、と泣く感じだったのだけど、
エンドロールのミセスの曲でめちゃくちゃ感極まって大泣きしてしまった。
(エンドロール自体はいたって普通のみなさんのお名前が流れるやつです)
なんていうか、2時間観てきた想いが爆発したというか、感情をもう一回整理させられるというか、もうこれって主題歌として大正解なのでは?
映画の力とミセスの曲の力の相乗効果にめっちゃ感動して、それでもまた大泣き。

ああ、あのエンドロールの感動を味わうためにまた映画館に行きたい。
あの音量でもう1回聴きたい。
洋さんがSONGSで「映画を観終わって背中を押すどころかケツを蹴り出されるくらいの曲」ってご本人たちを前に言ってたけど笑、ほんとそう。

映画館観に行くか迷ってる人には絶対に映画館で観てほしい映画でした。(配信でもいっかと思ってる人は配信で充分かも)
あと賞いっぱい取ってほしい。これはそういう映画だと思う。


室町無頼も公開が楽しみ……!

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