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春ピリカグランプリ2023受賞のお礼

 この度、春ピリカグランプリ2023にて、Marmalade賞を頂きました、樹立夏と申します。運営・審査員の皆さま、Marmaladeさま、この度は、憧れの賞を頂き、誠にありがとうございます。この記事は、受賞のお礼として、書かせていただきます。よろしければ、お付き合いいただけますと幸いです。

まずは、グランプリ受賞作品のご紹介を。

 
 受賞された皆さま、心より、おめでとうございます。1200字という限られた枠内で、こんなにも多様な解釈に基づいた素晴らしい作品たちが生まれるのかと、感動し通しです。

 Marmaladeさまから頂いたご講評、最近涙腺が弱くて、読みながら何度も天を仰ぎました。ここからは、Marmaladeさまから頂戴したご講評について引用をさせて頂きながら、今の気持ちを記したいと思います。 

これはどこの国を舞台にしているのだろう、と文中に散りばめられたヒントを集めて考えたのです。白い民族衣装、瓦礫の街、各国から集まる医療スタッフがいるキャンプ地、トラ、雪をいただく高い山、青い川、そして、ファティマという名前。戦争、内紛の続く国がいくつも当てはまりましたが、途中で、特定する必要はないんだと思い至りました。だって、この世の中にはたくさんの豊かな暮らしをする人々がいる一方で、こうした場所で懸命に生き抜いている人たちがそれ以上にたくさんいるのですから。

 ファティマの故郷は、仰る通り、実在する特定の国ではありません。紛争地域を複数、モデルとして融合させて書いています。深刻な状況にある国は沢山あって、どれか一つの国を選ぶことが、できなかったからです。紛争地域の多くは、もともととても美しい自然や歴史的建造物を有するところが多く、「地獄は、天国の中にある」という表現を使っています。どうして、天国の中に、地獄が生まれてしまったのでしょう。否。天国であろうと、地獄であろうと、生き抜いていくということ、そものものが尊く思われます。たとえ、地獄というものが、表出せず内在するものだったとしても。

主題、という意味でとても良かった、ということと同時に、樹立夏さんの文章が私は好きです。可憐ですが、本当はとても強いすみれの花のようです。言葉選びも文章もそして行間にある作者の思いも。

 Marmaladeさま、この箇所を拝読して、どれだけ天を仰いだことでしょう。文章を書いていてよかったなあと、再認識できました。こんなに丁寧に拙作を読み込んでくださり、作者の私よりも深い洞察を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

 これから、もっと技術をつけたい。もっと読みやすい文章を書きたい。説明調にならずに、もっと細かいところまで伝えられるように、描写の解像度を上げたい。もっとシーンの切り取り方がうまくなりたい。そして、長編を書きたい。そう思っています。

 ピリカグランプリがあったから、この賞に向けて諦めずに頑張りたいと思えたから、私は自分自身でいられたし、辛いことも乗り越えることができました。本当にありがとうございました。

 ピリカグランプリが、これからもずっとずっと続いていきますように。
 
 最後に、「ファティマの指」(Doigts de Fatima)という料理があること、知りませんでした!チュニジアの春巻きで、サクサクしているそうです!

#春ピリカグランプリ  


 
 


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