軽はずみな創造
海の匂いがするなんて、君は面白いことを言うねと
笑った僕の目の前に広がるのはただの宇宙だ。
白い貝殻を拾う君が、悲しくなるほど愛しいと思う。
あ、と短い声を上げる。
押し寄せる波の音は僕の世界なのだろう。
君の声はきっと届かなくて、そのうち夜が迎えに来る。
また夜が明けたら、
何もかもなくなっていて、
真っ白なキャンバスのような場所に放り込まれたらなんて、
どうしようもないことを考えてみる。
有象無象が絡まり合って、そのままどこかへ消えてなくなるのだ。
それでも、僕は君が好きだよ。
この世界をもう少しだけ、愛していたいと思う。
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