時の詩
寂しさで満ちた世界に降り立ったようだ。
白く荒れ狂う波は、ややもしないうちにおさまって
その波はいつもの穏やかな波へと変わる。
誰が、心を知れようか。
その海が深いことを、まだ誰も知らない。
海であることすら、分かっていないのだとしたら?
君がいつか羨んだその世界は、
大きな苦しみをも孕んでいる。
どこかで汽笛の音がした。
間違いではない、と思いたい。
いえ、間違いなんて、ないのです。
小さく呟かれた小さな言葉たちは
大きな波の音にかき消されて、
そのまま遠くに行ってしまう。
寂しさが、また溢れていく。
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