見出し画像

【沖縄県】南大東島 島ナース・下地さんが語る離島医療の魅力~生活の中の医療を経験して自分が成長できる場所~◆Vol.1 #file4

現在、沖縄県で「島ナース」をされている下地さんに離島での勤務経験やそのやりがいについて伺いました。

(下地さんのプロフィール)

・沖縄県(本島)生まれ
・沖縄県立看護大学大学院(島しょ保健看護専攻)卒業
・2016~2018年 沖縄県・南大東島に赴任
・2018年~ 沖縄県病院事業局病院事業総務課に赴任

看護師経験は13年目。現在「離島医療支援看護師(通称:島ナース)」として活躍中。


離島・南大東島への赴任

離島に関わる経験として、沖縄県・南大東島で勤務された2年間が印象深かったそうです。

----南大東島の魅力を教えてください!

「私が2年間赴任していた南大東では病院、診療所に来る患者さんとの距離が良くも悪くも近いというのは魅力の1つです。道で会ってもどこで会っても大体の人の顔がわかるというのはとても魅力かなと思います。行政の人とも関わりが多いので、行政の人、社会福祉協議会の人との関係や専門職以外の人との関係を築きやすかったです。
 あと私は沖縄本島が出身なのですけど、同じ沖縄でも全然文化とか、大切にしている価値観とかに違いがあって、実際に行って一緒に住んでみて『あ、なんかこういう違いがあるんだな』と感じました。特に南大東は八丈島の人たちが開拓してきた島なので、沖縄本島にお神輿はないのですけど、そういう文化があったりだとか、太鼓があったりだとか。沖縄本島とはちょっと違う文化を感じられることが魅力だなと思います。」

画像2

----「患者さんとの距離が”良くも悪くも”近い」というと…?

「看護師として赴任していたので、気になる患者さんの情報がすぐ入ることと、気軽にお家に伺えるということがすごく良かったなって思います。患者さんの関係者の人がどこか歩いているだけでも会うので、その人が『あの人こんなだったけど…』と伝えてくれたり、沖縄本島に紹介した患者さんでまだ返書が帰ってきてないけど、『あの人ああだったよ』とすぐに情報が入ってきたりしました。
 悪い点としては、私の勤務時間外に患者さんがお家に来てしまうことがありました。信頼されてるのかなと思う反面、スーパーに行ったら『この赤いのなんね?』ときかれて、『えー!』と感じることもありました(笑)。やはり距離が近い分、距離感をとるのはすごく難しかったなと思います。

自分のやったことがダイレクトに返ってくる

----離島医療に関わる魅力は何でしょう?

「患者さんとの距離が近い分、患者さんが悪くなったり、良くなったりするのが分かりやすくて、自分がやったことがダイレクトに返ってくるというのは離島医療の魅力です。これも良いも悪いもなのですけど(笑)。」

----ダイレクトに返ってくる点に対しても「良いも悪いも」とにう表現をされていましたが、良いところ、悪いところについてもう少し教えてもらえませんか?

「良いところは、例えば、病院だとインスリンの自己注射を開始する患者さんはリストに沿って教えるといった決まりがあります。もちろん離島でもやり方の基本は一緒ですが、いつだったらできるかとか、もう少し患者さんの気持ちを聞くことができます。先生の指示が”夕”だったら病院では”夕”にやりますけど、患者さんは実は朝の方が時間があるとか。そういうのを先生と一緒に決めたり、そういったちょっとした工夫をすることで、出来ないと思っていた人がちゃんとインスリンを打てたりします。自分がアセスメントして、この人の価値観を大切に考えてやったことがこの人に伝わったんだな、と感じます。

悪い所もたくさんあります…。『こういう時になったら早く来てね』と言っても、実は私が思っている状態と患者さんが思っている状態が違って、私が思っている以上に悪くなってきてしまったりとか。例えば、『搬送しない=挿管しない』と私たち思っているけど、患者さんはそうではないということがありました。そういう自分たちが言ったことや患者さんが言ったことのギャップっていうのは、患者さんの体調が悪くなって『あ、こう捉えていたのか。もうちょっと、もう少し聞いておけばよかったな』と感じて、悪い面でしたね。」

画像3

生活の中に医療、看護がお邪魔

「あと自分がその地域に住んで地域の1員になっているので、そういう面からなぜ患者さんがそのことを大事にしているのか、言葉だけでなくて体感できるというのが、病院では全然感じられなかった魅力の1つかなと思います。私の勤務していた本島の病院では”生活、退院に向けた支援”とよく言ってたのですけど、やはり治療がどうしてもメインになってしまうので、入院中の患者さんの気持ちだとか、大切にしたいことをうまく汲み取ってあげれなかったです。
 離島医療は生活の場にあるので、生活の中に医療がお邪魔している、看護がお邪魔してるみたいな感じで、患者さんとご家族の価値観をすごく大事にした看護が提供できる、というのはとても魅力だと思います。病院でも出来るかもしれないけど、どうしても治療とか検査とかに重きがいってしまうので…。そこは離島医療ならではの魅力かなと思いますね。」

----病院に勤めている時は見えなかった ”患者さんが大切にしていること”とは、どういったことでしょう?

「例えば、患者さんがお酒を飲むことが大事、タバコを吸うことがこの人にとって優先順位が高いということがあります。『どうしてもやっぱり飲みたい、自分が死んでもいいから飲みたい』とか、『なぜ飲みたいかと言ったら、これは昔からそうやってきたから』と。普通の病院だとこれは治療だからやめてくださいと言いますが、離島にいると写真などから『こうやって仲間たちとやってきたんだね』と背景を知ることができるので、そういう価値観を大事にできると思います。」


次回、南大東島での下地さんの経験をエピソードも交えながら、さらにご紹介します。

南大東島について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。↓

私たちの活動について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。↓

この記事を書いた人

すずき

 すずきはるえ  修士課程2年
東京都出身。現在は臨床検査技師として長野県の病院で働きながら社会人大学院生として奮闘中。
臨床検査技師は医師や看護師と比べて、将来的に機械やAIにとって変わられる職業と言われている中で、これからの臨床検査技師の役割を模索している。将来の夢は職種や地域の間をつなぐ医療人になること。

よろしければサポートをお願いします!いただいたサポートが記事の作成、取材費用になります!ありがとうございます!