見出し画像

コロナ禍の飲食店が取り組むべきこと     5つの緊急課題と16の施策

新型コロナ禍及び新型コロナ終息後のニューノーマルに向けて、飲食店を取り巻く環境は、新型コロナ発生前と大きく変わりました。出張や会食などの自粛が依然続いています。そして、ビジネスゾーンの昼の人口の減少と、在宅勤務をする人々の増加、この2つを考慮する必要も出てきました。今までの集客の常識を変える必要があります。店舗の環境を踏まえて、今後の売上をどう伸ばすかを真剣に考え実行に移さなければ、待ったなしで淘汰される時代になりました。5つの課題とその中の16の施策は、売り上げを伸ばすためになんとかしたいと考える人達、そしてこれから飲食店を開業する人達の一助となればと思います。

1.リモートワークによって変わること

既に店舗における新型コロナ対策は、言い尽くされてきました。それでもまだコロナ対応をしていない店をみかけます。安心して来店できる店内環境を作るのがまず第一歩でしょう。行政の指導要綱もありますので、ここではコロナ対応の内容は省かせていただきます。

むしろ考えるべきことは、リモートワークによって働き方が変わること、どうしたらお客様が来店してくれるのか、さらに店舗のエリアの人口動態や、年齢構成が変わることにフォーカスを当てることです。その対応が今後の店舗運営に、どのような影響を及ぼすのかを考える必要があります。

ビジネスエリアであれば、会社への出社は週に2,3回とか少なくなるでしょう。リモートワークは企業によって採用できる割合は当然変わります。リモートワークが物理的にできない店舗や会社、或いは企業の方針で実行に移されていない会社や、現場での対応が必要とされるエッセンシャルワーカーの人達がいます。そうは言っても混んだ電車に乗らずに自宅やシェア・オフィスで仕事が出来れば、リモートワークのデメリットより、メリットの方が大きいことに気が付きます。会社に行っても無駄な会議があったり、出来ない人の仕事を手伝ったりと、非効率的に仕事をしていたかもしれません。これからは個人の能力や成果が、正しく問われる時代でしょう。今後、適正な評価基準も持ち、成果に応じた報酬を得られるジョブ型人事制度を採用する会社が増える可能性があります。

それはさておき、会社に毎日出社しないのであれば、都心のビジネスゾーンの昼の人口の減少が生まれ、反対に生活居住地の人口は増加する傾向が見られます。東京・大手町界隈の人口は、平時の68%に留まっている実態があります。郊外で言えば、実際に不動産企業もこうしたニーズに応えるべく、サテライト・オフィスやシェア・オフィスの物件を増やしています。その需給のバランスに対応出来る店舗が、生き残れるのです。アフターコロナになってもこの現状は大きくは変わらないのではないでしょうか。つまり昼の居住人口の増減により、利用店舗も増減することが見えてきます。ビジネスゾーンの過剰店舗による競争激化と、郊外の客層の変化や客数の増加を、きちんと捉えることが重要な課題となります。今まで都心のエリアに通っていたビジネスマンの居住地にいる時間が増えている実態を検証し、その需要を上手に取り入れることにより、売上を伸ばすことが可能でしょう。勿論、上記の増減の対象外のエリアや、業態もあることを付け加えておきます。

2.オフィス近辺の店舗の淘汰が考えられる

リモートワークや出張の減少により、昼の人口が減少するとすれば、会社員を対象にした、ビジネエリアの飲食店舗は、益々競争が激化することが予想されます。既にコロナに対応できていない店舗は、閉店を余儀なくされています。怖いことを言うようですがこれからも閉店する店は、少なくないかも知れません。

ではどうしたら良いのでしょうか。以前から私は言ってますが、これからは本物志向になるのではないでしょうか。健康を意識する人たちが増え、産地が分かり生産者の顔の見える素材を使った店や、さらにはビーガン料理も増えてくるでしょう。安くて美味いはありでしょうが、中途半端なメニューの店は、競合店舗や新しいコンセプトを持った魅力ある店に流れて、お客さんが減ることが考えられます。お店の都合ではなく、お客様が店に何を期待しているのか、お客様の来店動機を再検証して、もう一度自分の店のメニューを真剣に考え直す必要があります。次に店だけではなく、販売のチャネルをあらためて見直すことでしょう。第4項で述べますが、販売チャネルとは売上をあげる施策です

3.居住地の店舗の対応はどうしたら良いでしょう

若い人たちやファミリー層が多い街、高齢者の多い街など、居住者の年齢構成もエリアによって変わりつつあります。若い人たちが利用しやすい店、ファミリー層が好むメニュー作りをしている店、沢山は食べられないのだが、美味しいものをそれなりの価格でも食べたい女性や、高齢者向けのメニューがあるはずです。この部分をきちんと考えていかなければエリアに適応していない店となってしまうかも知れません。子育てや、高齢な方、足の不自由な方など、外出がままならない人たちをターゲットにしたデリバリー利用で、売り上げを伸ばす方法もあるでしょう。具体的な施策は次の項目で扱ってみます。

違うケースですが、空き家を利用して素敵なカフェなどができると、清澄白河や、人形町、北千住のように若い人たちが住み始めるエリアとして、注目されるケースが見られます。『谷根千』と言われている根津や千駄木などでも、10年以上前から若い人たちが、若い感性の店をオープンして、来訪する人達が若返っているエリアもあります。

4.飲食店が取り組むべき15の施策

では現在営業をしている店舗は、どのように対応していけばよいのでしょうか。コロナ禍での店舗の売上対策として、既に実施されている施策もあるかと思いますが、次のようなものが考えられます。

1) 店内外でのコロナ対応は当たり前です
2) 店内メニューや弁当のテイクアウト部門の設置をします
(店頭や、チラシでの告知)
3) Uber Eatsなどの宅配及び、宅配代行サービスの利用
4) あらたな商品メニューで、オンライン通販にチャレンジ
5) インスタグラムとFB(フェイスブック)をリンクさせ、店の情報を発信する
(SNSが分からない場合はアルバイトに担当してもらう)
6) Go To Eatキャンペーン事業に参加する。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/hoseigoto.html
7) Go To 商店街事業に応募
https://www.meti.go.jp/covid-19/goto-shoutengai/index.html
8) 事前注文で待たずに受け取れるモバイル・テイクアウトのシステム利用
(買い物客やビジネス客の取込みをする)
9) 出前専門のゴーストレストランでの出店、もしくは現店舗での業態変更
10)賃貸物件の場合は、大家さんとの家賃交渉
11)大型店舗から小型店舗への移行(サイゼリヤやスーパーの小型店舗化)
12)地域の居住者に寄り添ったメニューへの改善
13)移動販売車での販売サービス
14)店舗での酒類の販売(コロナ対応での許可申請が必要)
15)Wi-Fiを導入し、アイドルタイムにリモート作業が出来る環境にする。
  (時間貸しすることも視野に入れる)

16)Googleマイビジネスの利用       https://www.gyro-n.com/seo/hack/gmb/


この他、エリアごとにきちんと人口動態、年齢構成などを役所でデータを調べ、対応を取る必要があります。その中でどれを始めるかを考え、実際に踏み出して欲しいと思います。

5.お店のファンを作りましょう

最後になりますが、ファンを作ることがお客様の来店動機になります。そして来店回数を増やす努力もしましょう。地域に愛される店になって欲しいのです。とても大事なことです。今回私が独立支援したいくつかの飲食店でも、コロナを乗り切っている店があります。それらに共通して言えることは、店のファンが支えてくれたことが大きいようです。勿論、SNSでの情報発信を始め、具体的な施策は当然おこなってますが、それ以前にお店のファンがついていることが共通項でした。高額のお弁当や、お惣菜の販売、特定の地酒の販売、1年間有効なお食事券の販売などを、お店のファンの方々が購入してくれ支えてくれています。さらに友達の輪が広がっていきました。

以上の中で当てはまるものがありましたら、是非一つでも実行に移していただければ幸いです。動くことで効果は必ず出てくるはずです。皆さまのご成功を祈っております。

#ニューノーマル #飲食店のコロナ対策 #アフターコロナ #Go to キャンペーン #Go To Eatキャンペーン #Go To 商店街  #リモートワーク #ビーガン料理 #ゴーストレストラン #宅配 #Uber Eats


シードビジネスクリエーション 鈴木 博之
商社勤務を経て独立。26年間の会社経営で、イタリア食材輸入販売、飲食フランチャイズも含め16店のチェーン店化、損害保険代理店業務などを手がけた。その後コンサルティング会社に転じフランチャイズ本部構築支援、大手外食チェーンの組織改革に携わる。パソナキャリアではミドル~シニアのセカンドキャリア支援を行い、300名弱を起業に繋げている。その後パソナのグループ会社として、社内ベンチャーで起業し、役員として起業セミナーの動画配信やWebマーケティングを立ち上げ運営に携わった。現在は再び独立してフランチャイズの本部構築支援を中心としたコンサルティング会社を経営しており、東京創業ステーションStartup Hub Tokyo丸の内のコンシェルジュでもある。
会社URL:https://www.seedbusinessc.com/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?