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RPA界の革命児”Coopel”を追う~請求書処理実装編~

この記事はこんな人にオススメ
○ Google Chromeを利用している(利用できる)
○ 機能が限定されても良いので、まずは少額からはじめたい
○ 本当に簡単にRPAを動かせるのか、工程を覗いてみたい
○ RPAツールの利点も欠点も理解しておきたい
この記事で解決されること
 予算やスキル不足を気にせず、今日から業務効率化に向けて動き出せる

こんにちは。株式会社RITインターン生兼DXツール調査隊の大平朱莉です!
皆さんはRPA界の革命児、Coopel(クーペル)をご存じでしょうか?ゲームや野球でお馴染みの株式会社ディー・エヌ・エーさんが昨年度発表したRPAツールです。

では、何が革命なのか?ポイントは3つです。

圧倒的低価格!:年間利用料数十万から数百万が当たり前のRPA界に、初期費用なしでたった月5400円、年間64800円で登場!
使いやすく分かりやすいUI!:RPA初心者に優しい開発環境が評価され、ローンチ後約8か月間で導入企業100社を達成
サポート体制の手厚さ!:チャットを利用して気軽に質問できるだけでなく、対応も迅速

今回は、そんな実力派RPAツールCoopelを用いて実際に請求書処理業務を実装したいと思います!
そもそもRPAって何?RPAって何に使うの?という方は、こちらをご覧ください!

導入方法

導入方法

まず、Coopelを利用する上でぜひ有効活用したいのがCoopelヘルプセンターです!
導入や実装で手間取ったとき、
…筆者は説明書を読まずに使い始めてしまう人間なので右往左往しました汗

導入方法についても、ヘルプセンター内の「始めるための簡単4ステップ」に詳しく説明されています。くわしくはそちらをご参照ください! 

ステップ01. Coopelのアカウントを作成する
ステップ02. Coopelローカルエンジンをインストールする
ステップ03. Coopel Selector Helperをインストールする
ステップ04. 自動化するWebサービスのアカウントを登録する

いよいよ次から実装していきます…!楽しみですね!

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いざ、実装!

いざ、実装

冒頭でお伝えした通り、今回はマネーフォワードクラウド請求書にて、請求書を作成・保存・送信する業務を実装していきます。

まず初めに、シナリオの流れを確認します!

1 Googleスプレッドシートの準備
2 ブラウザの起動とログイン
3 スプレッドシートの起動
4 スプレッドシートのセル読み取り
5 テキストをブラウザ上のフォームに転記し、作成・保存
6 テキストをブラウザ上のフォームに転記し、送信

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1 Googleスプレッドシートの準備

請求書に入力する情報が記載されたダミーデータを用意します。
CoopelではExcelファイルも対応しています。使いやすい方で大丈夫です!

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2 ブラウザの起動とログイン

「マネーフォワードクラウド請求書」のURLを開き、サービスにログインする動作を登録していきます。
Coopelの基本的な操作方法ですが、左側にズラッと並んでいるアクションを画面中央部にドラッグ&ドロップすると、動作を登録できます。
今回の場合は、「URLにアクセス」ですね。右側の空欄にURLを入力して…

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右に「要素選択を開始」とありますね。ここをクリックしてみましょうか。すると…

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ブラウザ画面が開きました!
ん…?カーソルを当てた部分が水色に変化していますね。この部分を「クリック」する動作を登録したい…。メニュー画面の「クリック」をクリック。

なんと、ブラウザ上でいつも通り操作をするだけで、アクションの登録ができるではありませんか!!

RPA初心者の筆者、大歓喜。

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「ID入力」「パスワード入力」も同様に進めます。
各WebサービスのID、パスワードについてはCoopel上に事前に登録しておく必要があります。詳細はCoopelヘルプセンターの「自動化するWebサービスのアカウントを登録する」を確認してください。
開発画面に戻ると…

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ブラウザ画面で動かした通りに登録されていますね!
これでURLへのアクセスからログインまで実行するシナリオができました。

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3 スプレッドシートの起動

データを読み取るために、先程用意したスプレッドシートを開きます!
「spreadsheetを開く」をドラッグ&ドロップし、スプレッドシートを開くGoogleアカウント情報を登録し、「対象ファイル」にシートのURLを入力します。

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今開いたスプレッドシート内の、どのシートについて処理を進めるのかを指定するため、「シートをシート名で指定」をドラッグ&ドロップします。
右側の「spreadsheet」をクリックすると、以下の画面のように参照できるアクションにスポットライトが当たっています。

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先程実装した「spreadsheetを開く」をクリックしましょう。

このような変数の定義を必要としない操作ができるのも、Coopelの特徴の一つです。
開きたい「シート名」も入力しておきましょう。

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4 スプレッドシートのセル読み取り

ここからは初見だとやや難しいポイントになります。Coopelヘルプセンターの記事を読めばちゃーんと書いてあるのですが、説明書を読まない大平は少々手間取ってしまいました。(Coopelサポートデスクの皆様、お世話になりました…)

「セルをコピー」をドラッグ&ドロップします。

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「対象シート」は先程と同じ要領で「シートをシート名で指定」にします。
「コピー対象のセル」は、今回の場合(1行)×(1列目~24列目)のデータをコピーしたいので、「A2:X2」にしています。

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「戻り値にラベルを付ける」で、「何についての情報が格納されているか」のラベル付けを順番に設定していきます。
今回の場合、1列目(A列)に「取引先」、2列目(B列)に「請求書番号」が入っているため、ラベルのに「取引先」、に「請求書番号」を入力します。見間違え、入力し違えに注意です!

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オプションで「縦方向の取得条件」を「データの連続範囲を選択」、「横方向の取得条件」を「複数選択しない」にします。これによって、縦方向に空行セルが現れたところで実行を終了させることができます。

ちなみに…ときどき画面上に「Coopel ヒント」というウィンドウが表示されます!ちょうど操作に手こずっているときに出てくるんですよね。DeNAさんのやさしさがにじみ出ています(泣)

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5 テキストをブラウザ上のフォームに転記し、作成・保存

1行分の操作を5行分実行したい。その時に活躍するのが「各要素について繰り返す」のアクションです!私のような「繰り返し」に慣れていないプログラミング初心者の方は、ややつまづきやすいポイントかと思います。
「各要素について繰り返す」をドラッグ&ドロップし、「受け取るリスト」に先程の「セルをコピー」を選択します。

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水色の大きな枠が表示されました。この中に、繰り返し実行したい作業を入力していきます。


その際活躍するのが、先ほども利用した「要素選択」です!
枠内をクリックして「要素選択を開始」し、ブラウザ上で実際に操作しながらアクションを登録していきましょう。
今回の場合、「画面に情報を入力」を使用します。入力するテキストは後から編集できるので、空欄のままで大丈夫です。

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ブラウザ上で登録したアクションが無事開発画面に反映されたことを確認し、それぞれの入力内容を指定していきます。

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まず、「入力内容」は「各要素について繰り返す」を選択してください。
「値を選択」では、先程「セルをコピー」にて入力した戻り値がここに反映されています。入力したい内容を各々選択していきます。

全て設定し、請求書を作成するシナリオができました。

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6 テキストをブラウザ上のフォームに転記し、送信

請求書の作成と同じ要領で、請求書を取引先に送信するシナリオを作成します。

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いざ、実行!

ここまでで、すべてのシナリオが完成しました!
画面上の「実行」ボタンを押して、実行開始!!

…とその前に、今回は実行されているブラウザ画面を確認したいため、「ローカル実行」「ブラウザの画面を表示」をオンにしておきましょう。

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準備完了です。
それでは、実行開始です!!

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やったーーーーー!!!
無事実行が完了し、5件とも請求書一覧に反映されました。

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Coopelの激推しポイント

今回は請求書の作成・保存・送信の処理をCoopelにて実装しました。
使用感について、結論から申し上げますと、
とても月額5400円とは思えないほど、ユーザーエクスペリエンスの光るサービスでした!
Coopelの激推しポイントを挙げるとするなら…

■ 限りなく初心者に優しい!!

どのRPAツールも「誰でも実装できる」と謳っています。
しかし正直な話、そんなこともないのです。
価格が高すぎて小規模の企業ではとても導入できなかったり、変数の定義など何かとプログラミングの知識が必要になったり。
その点、Coopelは低価格から始められること、変数の定義が不要で、条件分岐を感じさせない作りになっていることから、
他社サービスと比較しても、限りなく初心者に優しいサービスなのではないか、と考えました。

■ サポート体制が充実!!

常に画面右下に表示されているチャットボットにて質問できます。まずはヘルプセンターで調べてみて、自力で解決できないようであれば利用してみると良さそうです。日本語対応が嬉しいですね!
また、原因不明のエラーが続く場合、担当者の方にwebミーティングにて質問することができます
シナリオ作成に一から付き添ってくれる…というわけではありませんが、価格の安さや自力で解決できる仕組みがあることを鑑みれば、十分すぎるサポートです。

■ デザインが美しい!!

サービスを長く使うなら、やっぱりデザインにはこだわりたいですよね。
この点に関してはさすがDeNAさんですね。主力のゲーム事業からもわかるように、流行を捉えるのがお上手で、イマドキのかわいらしく落ち着いたデザインに、実装中もワクワクしていました!

■ デュアルエンジン搭載:サーバー型とローカル型、両方使える

サーバー型RPAは「PCを起動していなくても利用できる」「ローカル環境よりセキュア」といった利点が、ローカル型RPAは「ローカル環境にアクセスできる」といった利点があります。状況に応じて2種類のRPAを場合によって使い分けることができます!

■ 管理機能・共有機能も搭載!!

Coopelはサーバー上での一元管理が可能です!そのため、管理者はワークスペース内アカウントやシナリオ、実行履歴を閲覧、管理することできます。また、作成したシナリオを社内メンバーに共有することもできます。

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Coopelの注意点

そんな素敵な所がたくさんのCoopelですが、導入前に注意点があります。

■ 対応している機能がやや少なめです。

「Google Chrome上で動くもの」、「エクセル」、「スプレッドシート」に特化することで価格を抑えているようです。

■ 実行時間がやや長めです。

今回の一連の処理実行にかかった時間は約16分でした。Microsoft社のPower Automate Desktopと比較すると、体感1.5倍くらい差を感じます。ただ処理の最中は別のことをしていても大丈夫なので、気になるほどではないかと思います。

■ アカウントの使いまわしは禁止です

2アカウント以上の契約がデフォルト、とのことでした。

ただ、そのような注意点を鑑みても、ゼロからRPAを始める方にはまずおススでも試しています!比較検討されたい方は、ぜひご覧ください!試しています!比較検討されたい方は、ぜひご覧ください!

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DXツール調査依頼、募集中!

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DXツール調査隊では、読者の皆さんからいただいたご質問に、note記事にて回答させていただきたいと思っています!

「タスク管理がうまくいかない」「今最もアツいRPAを教えてほしい」等、漠然とした質問で大丈夫!DX初心者の調査隊員が皆さんに代わって調査いたします☆

以下の手段のどちらかから、お気軽にお問い合わせください!
①件名を「DXツール調査依頼」、本文に具体的な調査事項を記載いただき、virtual-dx@rit-inc.co.jp宛にご連絡いただく。
②DX調査隊シリーズのnote記事にコメントいただく。

DXツール調査隊についてもっと知りたい方は、こちらをご覧ください!

皆さんのご依頼、お待ちしております!


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