役に立つかどうかは、いったん置いておくのはどうだろう?
ワインエキスパートを取得するために通ったワインスクールの先生の影響はとても大きかった。
受験クラスが始まる前、「まず、勉強方法を教えます」と、ワインの授業とは別の時間をとって、希望者に勉強方法や時間管理の仕方、マインドを教えてくれたのだ。
先生が中学生のとき、学校の成績を上げたくて、本屋さんで勉強方法が書いてある本を2冊買い、書いてあるとおりに実行したら、本当に成績があがったのだと。その時から先生が調べて実践し続けている勉強方法について、スライドにまとめて、説明してくれた。
これはものすごく衝撃的な出来事だった。私はこの時はじめて知ったのだ。
「勉強方法というものが世の中に存在している」ということを。
アラフィフになってはじめて。
何をいまさらこんなこと説明しているのだろう?という人もいたと思う。学生時代に自分なりの「勉強方法」を確立していたら、自分のやり方でやればいい。でも私は違った。何も考えていなかった。丸腰で挑もうとしていたのだ。
「できることは全部やろう。そうしなければきっと受からない」
最近、ファイル整理をしていて、資料の多さ、内容の濃さにあらためて驚く。ドロップボックスの容量はワインエキスパートとWSET3関係の資料だけでいっぱいになってしまった。圧倒的なGIVE GIVE GIVE!
この時の経験はいまも役に立っている。なにかができるようになりたいと思ったら、まず自分に合った方法を見つけることからはじめる、という経験。
お金はかかっても、このひとだ!と思えるプロに教わるという経験。
日中は社会人として仕事をしている。いちおう主婦でもあるので、最低限の家事もやる。それでもワインの勉強のためには時間を確保できたのだから、その時間を今度は別の何かに使えばいい。そうやって学び続けるクセづけをすることにした。
在宅勤務が定着したのも手伝って、オットの家事力も上がってきた。買い出しや料理は結構やってくれるので、ひとりで全部やらなくちゃと思っていたときと比べたら自分の時間も増えた。仕事用に自分専用の机とPC環境も整ったから、オンライン講座を受けやすくなった。
派遣会社もオンライン講座に力を入れ始めていることに気がついて、仕事に役立ちそうな講座を片っ端から受けることにした。10年前に一度あきらめた簿記3級もなんとか合格。20年ぶりにTOEICも受け直した。
ただの趣味でも、はじめてみたら思わぬ成果があった。ただ単に美味しいワインを選べるように、飲めるようになりたかっただけなのに。5年前、こんなことまで想像してた?
「とりあえずやってみること」
やらない人ほど「そんなことしてどうするの?」「それって何の役に立つの?」と聞いてくる。
でも、やってみたからわかることが、たくさんあるのだから、役に立つか立たないかは、とりあえずおいておけばいいんじゃない?