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元選手だから、かけられる言葉がある。青学大駅伝マネージャー・保手濱涼介

本特集企画「準備が8割。勝利のためのルーティーン」。特にトレーニング・食事・睡眠・休養のサイクルがカギとなるアスリート、マネージャーやスポーツ指導者のルーティーンを取り上げます。

第12回のゲストは、青山学院大学陸上競技部(長距離ブロック)でマネージャーを務める4年生の保手濱涼介(ほてはま・りょうすけ)さん。選手として入部しましたが、3年生の8月からマネージャーに転向しました。自身も選手として本気で陸上に向き合ってきたからこそ、選手の気持ちを理解して言葉をかけています。

今回は、選手を辞める決断をした当時の気持ちや、どのようにチームをサポートしているのかお聞きしました。

「正直厳しい」選手からマネージャーへ


ー保手濱さんは選手として入部されています。マネージャーになったきっかけや経緯を教えてください。

2年生の1月末頃に、原晋監督から「今の成績を考えると、今後のレースへの出場は正直厳しい。マネージャーにならないか? お前だったら裏方に回って、チームを支えることができる」というお話をいただいたんです。同期には、2022年1月の箱根駅伝で区間賞を獲得した岸本大紀、中倉啓敦などがいて、強い代だと言われてきました。大会へ出場できる人数が決まっている中、相対的に見てきつい、と。

当時、タイムは伸びていて、まだ成長できる自信がありました。選手を辞める決断は、すぐにはできなかったです。監督には「選手として続けさせてください」と伝えました。

そして、7月の絆記録会で、選手としてアピールする最後のチャンスをいただきました。しかし、残念ながら結果を出すことができず、3年生の8月からマネージャーへ転向しました。

ーどちらかというと、ネガティブな動機だったのですね。当初原監督からお話があった際、率直にどのような気持ちだったのでしょうか?

周りと比べて成績が良くないのは自覚していたものの、メンタル的にこたえましたね。もし選手を辞める話があったとしても、「まだできるので」と返答しようとずっと決めていました。

ーそれでも、支える側に回る決意をされました。どういった思いがあったのでしょうか?

最後の絆記録会の準備期間中も、自分が思う走りができていませんでした。このままズルズル続けるくらいなら、どんな形であれ上級生としてチームに貢献できる選択がしたいと思いました。

ーマネージャーになって、ギャップはありましたか?

特になかったです。もともと目立つのが得意ではないので、むしろ裏方のほうが向いているなと。ただ「走るのが好き」という気持ちに変わりはなかったので、周りの選手が走っているのを見ると、複雑な気持ちになりました。

選手を勝たせるサポートを


ー練習でのマネージャーの役割について教えてください。

基本的に練習は、朝とメイン(昼)の2回です。朝練習では体操や軽めのランニングを行なうので、選手が正しく身体を動かしているか、痛めているところがないかを確認します。メイン練習ではタイム計測を担当しています。

ー試合ではどういった動きをされているのですか?

アップに必要な備品の準備と、タイム計測が主な仕事です。

あとは試合前のアップで、選手の状態をチェックするようにしています。緊張やコンディションによって、いつもと違う身体の使い方をしてしまう選手がいるので、気にかけるようにしています。

ー日々の練習で見ているからこそ、試合の日のちょっとした変化に気づけるのですね。

そうですね。完璧に把握しているわけではありませんが、「この選手はアップをサクッと済ませてしまう」などの傾向も頭に入っているので、選手一人ひとりの性格に合わせて確認するようにしています。

ー緊張している選手にはどのように声をかけるのでしょうか?

青学で試合に選ばれている選手は、怪我やコンディション不良などで離脱することなく練習を積んできた選手ばかりです。「あれだけ積み上げてきたうえで臨んでいるのだから、大丈夫」と自信がつくような声かけを意識しています。

ー練習外での役割もあるのでしょうか?

練習以外の業務では、マネージャーが複数の担当に分かれています。レースへのエントリー担当、SNS担当、データ整理担当など。下級生のうちに一通り経験して、上級生になるとひとつの担当に専任する形です。

レース終わりこそ、プラスの変化を伝える


ーマネージャーをしていて、最もやりがいを感じる瞬間はありますか?

選手がレースで結果を出した時です。微力かもしれませんが、練習でのサポートが活きていると感じます。

ー選手だったからこそできるサポートもあるのではないかと。

選手の気持ちがわかるからこそ、簡単な言葉で片付けたくありません。個人的には、「言葉をかける」より「寄り添う」意識で選手と接するようにしています。

同期は賑やかな方なので、レース前もピリッとした雰囲気にはならないんです。基本的にワイワイやって、集中するときにしっかり集中していますね。

ー選手とのコミュニケーションで、難しいと感じることはありますか?

レース後の声のかけ方です。結果が出た選手には話しかけやすいですが、思うような結果でなかった選手への接し方が難しいなと。僕自身、嬉しい経験よりも悔しい経験の方が多かったので、落ち込む気持ちは十分わかりますし......。どうすればポジティブな気持ちになれるかを考えて話しています。

直近の関東インカレで予選敗退してしまった選手が印象的でした。直前まで調子が上がらなくて、悔しい気持ちを重ねてきた中での敗退。それでも自己ベストを更新していたんです。「練習でのどん底から、本番で自己ベストを更新できたのは、お前の強さだよ」と伝えました。レースとそれまでの練習過程を比較して、「どれだけ成長できているのか」という視点で話すようにしています。

22時門限、22時15分消灯がルール


ー睡眠に関して、部として意識していることはあるのでしょうか?

町田寮では、22:00門限、22:15消灯がルールです。22:00には部屋以外の共用スペースは全て消灯しています。ストレッチスペースなどでガヤガヤしていたら、「時間考えて」と声をかけるようにしています。

ー今はライズTOKYOがサポートさせていただいています。マットレスや枕、コンディショニングパッドの提供に加えて、定期的に睡眠セミナーを開催しています。部員の睡眠への意識はどのように感じられていますか?

上級生になればなるほど、睡眠の重要性を理解していると感じます。特に1年生のうちは、授業も忙しくて寝る時間が遅くなることも多々......。できる範囲で一人ひとりが考えて、自分で調節できていると思います。

青学大駅伝部町田寮での睡眠セミナーの様子はこちら

ー睡眠以外で、コンディションを整える上で意識していることはあるのでしょうか?

食事には気をつけるようにしていますね。外部のトレーナーの方に、「どういった栄養素をとるべきなのか」「リカバリーにはどういった食材がいいのか」などアスリートの食事について講習会を実施していただいています。選手一人ひとりが自ら考え、効果的な食事を意識するようになってきたかなと。

朝夜は大学側から食事を送っていただいているのですが、どうしても不足してしまう栄養素があります。寮長とトレーナーの方で連携して、改善しているところです。最大のパフォーマンスを発揮するためにできることを考えながら、これからもチームをサポートしていきたいと思っています。

<続>

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