「服装に無頓着である」という評価の出どころ【おしゃ呪解vol.3】
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「服装に無頓着である」という評価の出どころ【おしゃ呪解vol.3】

こんにちは。服装心理カウンセラー・スタイリストの久野梨沙です。
あなたに巻き付くファッションへの思い込み・・・「おしゃれの呪い」をばっさばさと解いていくこの企画、略して「おしゃ呪解」。
企画趣旨はこちら

この春夏は、ご夫婦同時にパーソナルスタイリングをさせていただく機会が例年以上に多くありました。

いやぁ、ご夫婦でのスタイリングは本当に面白いんですよ!
ご主人に「もっとワンピースとかスカートとか着たらいいのにってずっと思ってた」って突然言われて、奥さまが「そんなこと思ってたんだ!!!」って驚いたり、お互いのことをどう思っているかが服装の話を通じて色々と出てくるんです。
服装の選び方にも性格が出るんですが、上手く行っているご夫婦ほど性格が真逆だったりして、それを実感して頂くのもまた、面白いもの。

さて。
ご夫婦でご利用になるきっかけとしては、私のスタイリングを元々ご利用になっていた奥様から、ご主人をご紹介くださるっていうケースが多いのですが、そんな時の決まり文句があります。
それは、「うちの夫、服装に無頓着なので・・・」という言葉です。

無頓着とは。

むとんちゃく【無頓着】
( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
気にしないこと。物事にこだわらないこと。また、そのさま。むとんじゃく。 「何事にも-な性格」 「服装には-だ」 〔類義の語に「無関心」があるが、「無関心」はその物事には何の興味も示さない意を表す。それに対して「無頓着」は細かいことなど気にかけず、物事にこだわらない意を表す〕
[派生] -さ ( 名 )
─────大辞林より引用

「服装に無頓着である」=「服装を気にせず、こだわらないこと」ということですね。
実際に奥様方もその定義通りの意味で使っていると思います。

こんな風に「無頓着」だと評される男性の中に、

アメリカ生まれの某老舗カジュアルブランドの服ばかり着ている人

が結構います。
それも、そのブランドの服で揃えているというレベルではなく、「そのブランドの中の決まったシャツとパンツをずっと着ていて、洗い替えとして何枚も同じものを持っており、着古したらまったく同じ色・同じデザインの新品を買う」というレベルです。
誰に会うにもどこに行くにも、何年経っても、同じ格好。
これ、一人の男性の話じゃないですよ。こういう方がたくさんいます。うちのお客様の中だけでもね。

あと、こんなケースもありました。

ファッション研修を依頼されてある企業に伺ったときのこと。
その企業はカジュアルスタイルでの勤務がOKで、皆さん思い思いのカジュアルウェアで出勤しているのですが、その中で1人、会社側から「服装を何とかしてほしい」と思われている人がいました。
どんなスタイルだったかというと、

常に登山服

です。
「アウトドアブランドをストリートで着るMIXスタイル」ではなく、ガチの登山服です。
すべて本物の機能性を備えた登山服をオフィスで着ているので、いくらカジュアルスタイルOKとはいえ浮いて見えるし、お客様にも驚かれてしまうからやめて欲しい・・・・・・というのが企業側の願いでした。

こんな風に、服装に無頓着であると評される人ってつまり「常に同じような格好をしている人」なんですよね。
その中でも、生活シーンやTPOに合っていない服や流行のデザインではない服をずっと着続けているほど「無頓着」評価度合いが上がりがち。

でもね、こういう人たちの中には、実は「無頓着」とは真逆な場所にいる人が、結構な割合でいるんですよ。

うちでスタイリングをするときには必ず服装心理診断というものを受けてもらうのですが、そこからわかるのは、洋服選びに強く影響する5つの価値観のなかで、その人がどれを強く持っているか、です。

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この「無頓着」と言われがちな人の中で、服装心理診断を受けて規律性が高い値を示す人が結構いるんです。規律性の高さって「こだわりの強さ」ですよ。無頓着と真逆!!

当のご本人に話を聞いてみるとよくわかります。

アメリカ生まれの某カジュアルブランドの服を着る人たちは、なぜそれを選び続けるのか聞くと、皆さん「丈夫で着心地がよいから」と答えます。
それに加えて「いつも同じ服があるから、買い替えにいっても困らない」と答える方も多い。
多くのブランドは、毎シーズン販売するアイテムのデザインはもちろん、カラーリングまでトレンドに合わせてガラッと変わってしまいます。
でも、彼らが選ぶようなブランドって定番商品の割合が非常に高いんです。いつ行っても変わらずに同じ形のベージュのチノパンや同じような色のチェックのボタンダウンシャツがある。気に入った物はずっと着たい。だからそれがなくならないブランドを選ぶ。シンプル!

そして、常に登山服の男性も、その服を選んでいる一番の理由は機能性でした。
通気性が良いから意外と暑いオフィス内でも快適だし、ぱっと洗えてすぐ乾く。ずっとデスクワークでも肩が凝らないし、それにかっこいいと僕は思っているんです、と語る。


で、その言葉を聞いて驚くのは妻あるいは企業側ですよ。

何のこだわりもないからそれを選んでいるんだと思っていた。
一度着て何となくよかったし他に探すのも面倒だからずっと同じ服を着ているんだと思っていた。
当の本人は明確な意志を持って多くの服の中からそれを選び続けているにもかかわらず、頭から「選ぶのを放棄しているんだ」と思い込んでしまっていたから、その驚きたるや!


こういうことを幾度となく経験してきて私が痛感するのが、

・TPOに合った服を着ている
・毎日適度に違った格好をしている
・そのときの流行を意識した服装をしている

といったこれらの条件を満たしていないと、この社会では「服装に無頓着」と見られてしまいやすいんだなぁということ。
もちろん本当に服装に興味が無く、常に一番近くて安いショップで買ってますっていう人もいます。けれど、上記の条件を満たしてはいないが実は服装に強烈なこだわりがあるって人も多い。
しかしそのこだわりの結果が、すごいアバンギャルドなデザインの服とか特定の有名メゾンな服でなければ、即「服装に無頓着」扱いされてしまう。


こういうタイプの人と話をする度に、私はといえば、いつも自分がぐらぐらするのを感じます。

この人たちのように、私は自分のファッションに信念を持てているだろうか?
これなら10年ずっと着られるという服を見つけて、それを当初の思いを裏切らずきっちり10年着続けるこの人たちほど、私は自分の服に愛情を持っているんだろうか?

おしゃれって、何。


もしおしゃれが、「自分のスタイルを見つける」ということなら、彼らも私も等しくおしゃれです。

でも、規律性が高い性格とはいえ、自分のこだわりのある服を、TPOや周りの言うことを気にせず貫ける強い意志を、全員が持っているわけじゃない。「一般性」も同時に高くて、周りに合わせたい気持ちとじぶんのこだわりを貫きたい気持ちとに板挟みになって苦しんでいる人もいる。
だから周りに合わせなきゃと頑張っている人も多いと思うんだけど、でもそれは無理してやらなければいけないほどのことではないんだよ。それも一つのおしゃれの形なんだよ、と、私は言いたい。


なんだ、結局は前回の記事と同じ結論になってしまいましたが(笑)、

自分の外見に似合う服だけでなく、自分の性格にあうおしゃれの形を見つけて欲しい。
そしてそれが他の人と同じである必要はない。

日々、そんな風に思っているのです。

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久野梨沙|服装心理学・スタイリスト

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自己肯定感を高めるファッションとの付き合い方やキャラ立ちコーデのコツ、子育てと経営の両立などについて綴ります。(社)日本服装心理学協会代表。スタイリスト養成スクールFPSS代表。夫と2016年生まれの息子の三人家族。https://www.forstyle.biz