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#31 負けたことがあるという経験が、大きな財産になる - THE FIRST SLAMDUNK

昨晩2回目の映画SLAMDUNKを鑑賞してきました。
私は原作は読んでいないので、映画だけしかみていないのですが、公開してすぐにみに行ったあと、感動しすぎて、2ヶ月くらい経った昨日、また観てきました。

控えめに言って最高でした…
声優さんがみんなイケボでそれだけで私得なのですが、今回の映画のメインキャラである宮城リョータが私が現実で好きなバスケ選手とタイプがよく似ているということも私得でした。笑

この映画で良いなと思ったことはいくつかあるので、今回のnoteではそれをまとめていきたいと思います。

私がまず一番いい!と思ったのは、「音」です。

私はずっとバレーボールをやっていたので、四六時中体育館にいました。なので、体育館の中で響くボールバウンドの独特な音の響く感じや、シューズが床に擦れる音などが耳にすごく残っています。何より一番すげえ!って思ったのは、応援団の声と音の表現です。これがもうすごかった。本当に応援を聞いてるみたいだったし、他のキャラが応援席で喋っているシーンでも常に後ろで応援の声が響いている。この映画はそれがすごく忠実に再現されていました。めちゃくちゃリアリティがあったし、これは映画館でみた方が良いな…と本当に思いました。体育館で部活をしていた経験のある人は、よくわかると思います。

「音」に関しては、リアリティさだけでなく、使い方も非常に上手だなと感じました。バスケは特にリズムのスポーツだと思うんですが、音の緩急、強弱、テンポでその時に試合の状況をうまく表現できていたと思います。なんだか調子の悪い時は、ちょっと気持ちの悪い不協和音の多い曲調、緊迫している雰囲気の時は敢えてBGMは消してみたり。五感でまさにその空間に自分がいて、試合を見ているような、そんな気分になりました。たったの40分の試合を、2時間見ていても、全然飽きないし、むしろもっともっと見ていたい!と感じさせるのはこの「音」の使い方が上手いからなのだなあと思ってみていました。

声も良いし、音楽もいいし、効果音も、全部いい。この映画は「音」の映画だと思います。

もう一つ、試合中の人物の表情の描写がとても繊細だと思いました。
大体、アニメだと人物は常に「止まっていて」何か行動する時だけ動く、そんな感じだと思います。かつてのスポーツアニメも全てそうですよね。

でも、この映画は全てCGアニメーションです。三次元にいる人間がそうであるように、この映画の登場人物は「完全に止まる」という瞬間がありません。呼吸をしているだけで、横隔膜が動きますよね。その動きまで、丁寧に、リアルに描写されていました。

予告編が放送された当初は、このCG演出に賛否両論がありました。皆が大好きなスラムダンク、原作を知っている人たちから見たら、「CGアニメ…?大丈夫…?」っていう気持ちになったんだろうなと思います。笑

でも結果的に、今回の映画ではこのCGアニメーションが功を奏したと私は思います。山王戦は、登場人物一人一人の内面の変化を感じる場面が多く、それを表現しようとすると、通常のアニメーションでは表現しきれない、目の動き、呼吸の仕方、ユニフォームの動き、汗が飛ぶ瞬間、これら全てを表現することが必要な要素だったんだと思います。

こういった表現はスポーツアニメには向いているかな?あんまり外れないんじゃないかな?と思いました。むしろスポーツ独特の表現の幅が広がるような気がして、この映画を皮切りにこういうアニメーションを採用する制作会社は増えそうだなと思いました。

色々つらつらと書いてきましたが、うん、とにかくよかった。笑

メッセージ性としては、「挑戦するのは誰でも怖い」し、「それでもし、負けたとしても、それはいつか大きな財産になる」。この言葉が胸に響きました。

宮城リョータはいつも余裕をぶっこいている男なのですが、何か大一番の前、いつも吐きそうになっています。笑

「心臓バクバクだ」

神奈川で5本の指に入るか?くらいのPGである宮城がマッチアップするのは、山王の日本一PG。そりゃ心臓バクバクですよね。笑
実際に試合中も宮城は終始押されていたし、実力で勝っていたようには見えません。
でも、苦しい時こそ余裕に見せる、湘北の切込隊長、仲間を鼓舞し、周りを活かし、最後は兄の夢を叶え、超えていく姿に胸が熱くなりました。

そしてもう一つ印象的だったのは、湘北に1点差で敗北した、山王の沢北に監督がかけた言葉です。

沢北は試合後、ロッカールームまでの廊下で泣き崩れました。
そんな姿を見て監督は「乗り越えよう。負けたことがあるという経験がいつか大きな財産になる」と声をかけました。

勝ったことしかない人には、唯一分かりえないのは敗北の辛さです。負けたことのある人は強い。沢北が心から願っていた「自分に必要な経験」とはこの「敗北」だったのです。

アニメーションとしてみても、作品としてみても、どこを切り取っても面白いこの映画は全ての人に見てほしいと思うし、絶対に映画館で見てほしいなと思います!!

私も原作読んでみます。笑

では!


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