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「生活」

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日々を生きる・私を生きる「生活」からみえたものを、朴訥と丁寧に映しかえる、ある世界のある日の読み物、謹製の随想です。
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#エッセイ

「たましいたち」

本当はこのことについて書こうというつもりは無かったのだが、記憶が薄れてしまう前に書き残し…

risa kuroda
1か月前
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「おかしな話」

とある画材屋のオンライン登録情報が、漏洩したと連絡のメールが入った。 画材を定期的に必要…

risa kuroda
3か月前
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「みんなここにいるよ」

遠く北の空から、今年も白鳥がやってきた。 ネットニュースも新聞も知らないであろう鳥たちは…

risa kuroda
4か月前
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「先生」

髪をばっさり切った。 頬をすり抜けていく風は冴え、あっという間に冬の形相だが、しかし髪が…

risa kuroda
6か月前
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「美しい花」

大好きだったアナザースカイが再開してもうすぐ一年が経つ。あの時はどんな数字や偉い人の話よ…

risa kuroda
9か月前
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「忘れらない食卓」

田圃に水がはられ、蛙の声が夜辺に響き始める頃、今年のトマトが終わりを迎えようとしていた。…

risa kuroda
11か月前
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「ここにあるシアター」

思えば、桜が咲き始めるのと同じ頃、同じように、毎年必ず訪れていたのが高崎映画祭だということに、当たり前だが気がついた。 未曽有の出来事により足止めを食いながらも、直向きに丁寧に重ねていくこの祭りごとに映し出された誠実さが、ただ好きなのかもしれない。 だが、ただここにあることが、どれだけ偉大なことか。 映画祭に赴く頃はなんだかまだ少し肌寒く、春なのに、雨が降る。桜はいつも少し濡れているような気がする。 咲くことと散ることは当たり前であり、そして特別である。それを恐れずに残せ