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【エッセイ】願わくは、我に七難八苦を与え給へ

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祖父危篤の報を聞いてから駆けつけ、葬儀に出るまでの数日間を綴った話です。苦難の時代を生きた祖父の生涯と、夏の空に思いを寄せて書きました。
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#空

【追想】亡き祖父に寄せて「願わくは、我に七難八苦を与え給へ」最終回

葬儀の日も相変わらずの猛暑で、慣れないスーツの下に滝のような汗を掻いていた。
小学生の頃の夏休みにはよく祖父の家に遊びに行ったものだったが、見慣れたその道中に葬儀場があった。子供の頃は縁もゆかりも無いと思っていた建物にお世話になるのだ。

親戚一同がほぼ同じ時間に集合し、落ち着いた様子で会話をしていた。その中には祖母もいた。小さい体でどこへでも歩いていた祖母も、今は叔父が押す車椅子に乗っていた。

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