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自分の価値を自分で決める

 後輩夫婦が退職祝いの食事会を開いてくれた。その夫婦は6年くらい前から自分たちで開業をしていて、そういう意味では“起業の先輩”になる。

 その後輩から別れ際に言われたこと。

 自分の価値を低く見積もらないこと

 これは私のことをよく知っている彼だからこそのアドバイスかもしれない。私は少々自分を安売りする傾向があるから。

 これは私の自己肯定感が低いとか、そういうことに由来するものではない。これまでは勤め人として安定した収入があったので、勉強会とか講演会とかをできるだけ“おつとめ価格”で引き受けてきた。

 参加してくれる若い後輩たちに参加費の負担が大きくならないように。費用による心理的ハードルが高くならないように。そう思ってのことだ。

 でも、どうだろう。一方では、いまや自分が“オワコン”だという思いもあるかもしれないな。退職したからオワコンというのではなく、オワコンだからこそ退職を決めた部分もある。これは自分の能力の問題でなく、今の医療体制の中で自分が本当にしたいケアが難しくなっているという意味でのオワコンなのだけれど。

 ともあれ「フリーランスになった今、自分の価値を低く見積もるな」と起業家として先輩の彼は何度も私に言ってくれた。私には抜け落ちがちな視点だから、と。

 ありがたい。そういうことを言ってくれる存在がいることが。

 その日の昼間に夫が古い友人と会ってきて、私あての仕事の話(単発)をひとつ持ってきてくれた。その話はまた別の機会に書くとして、前を向き始めた私は過去のことと一区切りをつけるつもりでいるので、その仕事を引き受けるかどうか、迷っている。

 自分がしたいこと、自分にできること、自分にしかできないこと

 そういうことをぜんぶ含めて、これからは自分で決めていかないといけないんだな。あらためてそう思った、という話。

(つづく)

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