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リアルパラレルストーリー

気づくと今日もまた追われている

追われる者たち 追う者たち

また何かから逃げている  

街中を飛び越え トンネルを抜ける

追手たちを撒き

銃で撃ってくる子どもたちも通り越し

無心でただ逃げ続ける

途中力尽きた者たちが脱落していた

奴隷のように 生気のない奴らに見えた

辿り着いた場所は サーキット場?

レーシングカーに乗って 何かを競うようだ

地面には地雷が埋まってる

踏んでしまえば ジ・エンド

そうだ ここは

繰り返される デスゲーム

終わらない悪夢

だけど死ぬわけじゃないらしい

死の概念はここにはない

恐怖を味わうだけだ 死ぬわけじゃない

そう言い聞かせた

だけど もうこんな世界嫌だ

ふとそう思った

抜け出せたら 終わりにできたら

でも無理だよな

だってリアルだ

ここが現実じゃないなんて ありえない

ずっとここにいた

この世界が夢であるはずない

でも もう痛みと恐怖を味わうのは嫌だ

怖い

意識を薄められたら 

この世界を夢のように薄められたら

自分の両手を眺めた

そしていつもみたいに 

自分と世界の境界を曖昧にしてみた

体から魂を分離させるみたいに

そしたら薄まった 目の前がぼやけて

夢の世界みたいになった

やった これで痛みと恐怖を感じなくて済む

でもさっきからなにか違和感が…

何か思い出せないでいる

あれ、自分は何者だったか

どうしてここにいるんだった

そうだ 夢なら飛べるはず

上を見た 

そしたら天井に覆われていた 部屋の中だ

あれ、さっきまで外に居なかったか

空を塞がれた

何をすれば回避できる?

そうだ、もう一人に気づかせなければ

わたしたちを管理している側の誰か一人

誰だ ここの中にいるはずだ

見つけた わたしはやつに気づかせなければ

そしたらこの現実を終わりにできる

恐怖の世界を終わりにできる

こいつ? こんなやつ?

なにやらブツブツ言っている 

この際誰でもいいか 早く思い出してくれ

でもこいつはぜんぜん気付いてない

もうなんでもいい

なにか奇跡が起きて 

稲妻のような衝撃を 生み出せたなら

抜けられるんだろ 

なんでこんなこと知ってるか分からないけど

わたしの中の何かが わたしに思い出させる

情報がリンクする

見たことがあるような紅茶の粉の入った袋

家で使っていたものだ

同じものが二つ

ひとつはもう空っぽだ

二つを重ねて 入れ替えればいいのか

紅茶の粉が 魔法の粉みたいに舞った

何かのサイン シグナルだ

やつを目覚めさせるための方法を思い出した

その仕組みを理解している

それをすればいいんだと納得した

——— そしてわたしは夢から醒め 

自分のベッドの上にいた

その方法とは…?

…思い出せない

さっき自分で説明してたじゃないか

たった一分前だろ

肝心なとこが思い出せない

思い出せなくて歯痒い

けど

わたしは知っている

その答えは既に

わたしの中にあるってこと

それをすればきっと

この世界から抜け出せる

投げ銭大歓迎! 喜びは巡り巡って、あなたに何倍にもなって返ってくることでしょう。