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1冊の本を読む選択で、人生が狂わされた

私の人生は、小学4年生の時に出会った1冊の本で狂わされた。

それも、私の生き方趣味趣向進路選択座右の銘にまで影響を及ぼすような、狂わされ方だった。

私は1冊の数学の本によって、数学大好き狂人と化したのだ!!!!!

きっかけは、1冊の小説

私は父の転職に伴い、小学4年生の時に中国地方へ引っ越しをしました。

引っ越し先の家は本屋の近くで、母が時々いろんなジャンルの本を買ってきては「これ面白そうじゃなーい?」と買ってきてくれていました。

そんな本の中に、「浜村渚の計算ノート」はありました。
いつもの調子でどんな小説だろうな~と思いながら読み始めると、圧巻の連続。
面白い。面白い!
出てくる数学を理解するのは難しいけれど、理解しなくとも読み進められるし、
何といっても、理解できなくとも数学の面白さや楽しさだけはひしひしと伝わってくるのだ!

なんだこれは…!!
面白すぎる!!!

本当に小学4年生の私は衝撃を受けました。
早く次の巻が出ないかなぁと足しげく本屋に通う日々。
もちろん、続編を少しでも早く手に入れるべく、今も本屋に通っています。

さらなる出会い、『フェルマーの最終定理』

浜村渚の計算ノート。通称 ”はまなぎ” のとりこになった小学4年生の私は、数学に興味を持ち始め、数学の本を本屋で探し始めます。

そこで当時の私が目を付けたのは、
サイモン・シン著 『フェルマーの最終定理』  でした。

なんでそんな難しいものにいきなり手が出せたのだろう!?
と今となっては思いますが…

(ちなみに最近大学の生協ショップに「新潮文庫の100冊!」のような帯がつけられた名だたる本の中にこの「フェルマーの最終定理」があるのを見つけ、嬉しさのあまり叫びそうになりました。)

さて、小学生の私にはもちろん難しい内容です。

しかし、この本はとても語り口が秀逸で、数式をほとんど載せずに、
哲学・数学の始まりから歴代の数学者の血と汗と涙とロマンの人生が、
余すところなく書かれているのです。

超大作の映画を見ているようで、この満足感と高揚感が癖になり、
高校を卒業するまでに10回以上読みました。

中3の夏、「青春を勉強に捧げたい!!!!!」➡理数科進学を決意

時は中3の夏、当時中学生の私は吹奏楽部に所属しており、朝も放課後も長期休みも吹奏楽に明け暮れていました。
音楽と吹奏楽が大好きでたまらなくて、「吹奏楽に青春を懸けられてなんて幸せだ」と思っていました。

ですが中3の夏ともなれば、受験を意識する時期です。
私は考えました。

中学は部活に青春を捧げてきたけど、一生のうち1回くらい、好きな勉強に捧げてみたくない???

そこで、元々とりあえずで志望していた地元高校の普通科ではなく、そこにある理数科を目指すことにしました。

まさにこの高校の進路を決めるときが、数学に人生に影響を及ぼされた大きな瞬間の始まりでした。

人生を理系にささげると決める

高校で理数科に入ったはいいものの、難しい。難しい。ついていけない。

課題の多さと勉強の難しさに圧倒され、人生で初めて勉強の挫折というものを味わいました。
その挫折も、ほぼ3年間丸々ずぅっとでした。

数学が大好きでなかったら、間違いなく心折れていました。

しかし、高校に入って数学以外の理系の学問の面白さに目覚めました。特に数学と関わりの強い物理を好きになりました。

もっと専門的に学んで、物理の面白さを知りたい!!!

世の中の物理学者だけが物理から見える世界を知ってるなんて、ずる!
私に教えろ!!

絶対大学で物理を専門的に学んでやる!!

という思いを強く持ち、
この人生、たとえ学生じゃなくなっても一生理系の学問と生きたい!
と思うようになりました。


高校3年生の受験期はメンタルも体も文字通りボロボロでしたが、

『数学が、物理が、理系の学問が、好きなんだ…!』
という思いだけで、大学入試を後期まで走り抜けました。

大学の物理楽しすぎて、毎日鼻血出そう
難しくて、鼻血出そう

晴れて念願の物理学生になれた春、さっそく物理学科の洗礼を受けます。

物理というか、数学やん!
いや、数学も好きだからいいけど、頑張るけど、難しい!!

というこの上ない嬉しくもあり苦しくもある悲鳴を、今もあげ続けながら、物理学生生活を噛みしめています。

将来の夢は、私のような科学狂人を増やすこと!

私は中学生のころから、なんとなく教員という仕事に興味を持っていました。
大学生になって学問を深く学んでいる今、教員という仕事をあらためて目指しています。

私は高校の教員になって、高校生に学問の面白さを伝える懸け橋になりたいです!!


最後に…中学時代に決めた、今も大切に育て続けている
座右の銘

私は中学時代、理数科に進学するべく、受験勉強や面接の対策を兼ねて中学校の図書館でいろいろな理系の本を探して読んでいました。

その中で、記憶はあいまいなのですが ”不都合な真実” という題名の本を手に取りました。

そしてこの本の中の言葉は
私の学問への飽くなき探求心と、底知れない学問の面白さを閉じ込めた、
私にとっての大事な座右の銘となっています。

私の座右の銘は

無知の知

です。

1冊の本と出会って、知らない数学の世界を知ったおかげで、
私の人生は全く別のものになりました。

自分が何を知っていて、何を知らないのか
どんな知らない世界があるのかを ”知る” 素晴らしさを、数学は教えてくれました。

これからもどんなライフステージに立っても、数学と物理と、科学と、学問ともに、人生を歩んでいきたいです。

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