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【漫画の感想】『仏師』『ユートピアズ』『高丘親王航海記』世界は夢幻なのだ
ここ何日間かで読んだ本たちのマンガ編
『仏師』
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木から仏を取り出す。それが仏師。漱石の夢十夜を読みたくなります。人の命が軽い戦国時代の始まりの頃?が舞台なのかな。為政者の都合で翻弄され命を奪われてしまう世の中。強姦によってできた子どもたちは皆また命を無かったことに。それがまた敵への復讐の形。どうしても殺せなかった母親。醜い(のか?)アザが顔にある男の子が仏師となっていく。ただ絵がわかりにくく、登場人物を理解しきれません。髪の色がシーンで変わるので誰?となってそこにイラつく。作者と私が共有できない言外の部分に隔たり。それが越えられないまま、ページが進む。
最後の短編が良かったです。子供という存在に何かを見出しているのかと感じました。
『ユートピアズ』
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先日読んだ同じうめざわしゅん氏の『えれほん』ほど強烈ではないですが、それぞれが独立してある世界、そしてそこが続いているんだなと感じさせる終わり方。つっこみたい部分ももちろんありますが、それは星新一さんのショートショートの世界から戻ってきた時に似て、封印しておこうという気持ちになります。
表紙の話、亀の話は、ちょっと弱いかな。ノリツッコミのコンビのは、私としてはきっとこのラストなんだろうなーでした。
『高丘親王航海記』近藤ようこ/澁澤龍彦
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澁澤龍彦氏の『高丘親王航海記』を、南伸坊氏が近藤ようこ氏に、漫画にしてくれと頼んで生まれた本らしい。
原作を読んでいないのだけれど、どこから夢なのか、または思い出しているのか、または今の現実なのか、行きつ戻りつ境界線が曖昧で、それがまた不思議で良い。私は本や漫画から漂う温度を感じるのがとても好きなのだけど、この本、暑いところにいてもひんやりとして、それでいて冷たすぎない風が吹いているよう。
この3巻は、師匠で故人になった空海に出会い、秋丸にそっくりな鳥人に出会います。秋丸に似ているからと、親王は春丸という名をつけ2人が会うことを楽しみにするけれど、秋丸は実はその頃から姿が見えなくなっています。名前をつけなければもしかしたら会えたかも…。
また、姿が映らなければ1年以内に命を落とすと言われている鏡湖、ここに映らない親王。
4巻がラスト。澁澤龍彦の本は読んでいないので、4巻を読むのが楽しみです。
ちょっと文章も長くなりましたので、今回はここまで。
なかなか渋いラインナップとなりました。
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