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満州を舞台にした絵本・マンガ

若い頃、トランジットで大連に行ったことがあります。
北京に行く飛行機。
今なら直行便がガンガン飛んでいるのでしょうけれど、その頃は週に何便か、トランジットあり。

大連経由北京行きでした。
空から見る大連の街は、コンクリートの建物が綺麗に並び、広い道路によって綺麗に区画されていました。

これが満州国だったところか...
と、不思議な気持ちになりながら眺めたのを覚えています。

あの街並みを思い出したのはこの絵本を読んだから。

『おとうとのねじまきパン ずっとむかし、満州という国であったこと』

歴史の教科書に少しだけ載っている「満州」
夢の国として喧伝され、そこに夢を見て移住する人たち。
もともと住んで居た人たちを追い出し、そして建国された傀儡政権。
というのは、この絵本には資料として少し出てきますが。
どうしてもあらすじのほうに、出来事のほうに目がむいてしまうかな?と思う面もあります。

主人公和子さんは、お父さんの仕事の関係で一家そろって移住します。
そして楽しく、最初は楽しく暮らし始めるのですが。
戦争の足音は、すぐそこにせまり、小学校では竹やり訓練などが行われ、ちょっと批判的なことを言おうものなら「非国民」としてしょっぴかれます。
疑問を持ちながらも、大きな渦に抗うことはせずにいる子どもたち。
ソ連の侵攻と、終戦。満州に住んでいた日本人たちは、逃げ出そうとします。
しかし…

引き揚げのことに関しては、少しだけ学んだ記憶。
それから、子どものころ毎年のようにテレビを見ていた「中国残留孤児」の方々による肉親を捜し、そして再会できた方の涙。
小説『大地の子』を原作としたドラマ。
思い返すと、このようになんとなく知ってる、という大人の私。
しかし、この絵本をきちんと子どもたちに読んであげたいとも思います。

蛮行はなぜ起きたのか。この絵本のタイトルの元になった出来事には胸がしめつけられます。

満州を舞台としたマンガを以前読んだことも思い出しました。

それからこちら『フイチン再見!』が良いと教えていただいたので、いずれ読みたいと思っています。

満州のことは、被害者なのか加害者なのか、どちらにしても愚かな侵略があったということを知っておくために、このような絵本を読み聞かせていきたいと思います。


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