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本屋大賞ノミネートの本を読んでみた【うち4冊】

本屋大賞、ご存じですか?
本屋さん達が選ぶ、今1番売りたい本を決めるものだそうです。

この賞は「全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本」をキャッチコピーとして掲げており、主催する本屋大賞実行委員会は書店員こそが(商品と顧客という形で)本と読者を「最もよく知る立場」にあると位置づけ[1]、投票資格者を書店員主体にしていることの新しさを強調する[1]。書評や賞の選考委員などの仕事も多い翻訳家の大森望も、従来のように編集者が介することのないこの賞の可能性を指摘し[3]、一次投票の結果が最終投票に向けた対象のノミネート作品と直結しており、実行委員会等によるいわゆる「根回し」や「すりあわせ」がない点を特徴の一つに挙げている。一方で突出した、異彩を放つような作品が受賞しておらず、ラインナップも含め平均化されているという声もある。

Wikipedia 本屋大賞より

今年の本屋大賞のノミネートは、以下の10点です。

さて、この10点のうち読めるだけ読んでみようと小さなチャレンジをしました。
現時点で、4冊読んだのでレポートします。

小川哲『君が手にするはずだった黄金について』
小川哲さんが実名で登場、どこまでが現実でどこからがフィクションなのか、不思議な感覚に陥ります。お金という存在が、時に軽く、重く人を取り巻く様子に少し、苦しくなります。しばらく時間をおいて読み返したくなる本でした。

ところでamazonのページ見たら、ものすごい価格と、ポイント。なんですかこれ。
本屋大賞の該当本全てそうなの?

青山美智子『リカバリー・カバヒコ』
ハートウォーミングな世界を描く青山さんの筆がイキイキとしているこの作品。公園にある古びたアニマルライドのかば、悪いところと同じところを撫でると治るという都市伝説。カバヒコによって癒される人たちの話。でもカバヒコに話に来る人たちは、自分を見つめた事で解決の糸口を発見して自力で方向を見つけているんですね。カバヒコの伝説の始まり?についても最後の短編に書いてあって、不器用だけど家族への愛情が伝わるのが温かい。

塩田武士『存在のすべてを』
塩田さんの本は、リアリティがすごいのです。
同時に起きた2つの誘拐事件。1人は帰ってきたけれど、1人は帰ってこない。ネグレクト、芸術家の派閥争い、無念を抱えたまま亡くなった刑事のノート、刑事に託された記者による足による取材によって薄紙が剥がれるように明らかになる事実。家族、擬似家族の愛、これらが全て重層的に積み重なって1つの結末に向かいます。気づくと流れている涙。塩田さんの筆力に圧倒されながら、一気に読んでしまいました。

宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』
とにかく人気のこの本。なぜ人気なの?って読むとわかります。これは読書の快感を思い切り得られる本なのです。
主人公の成瀬は、なぜか武士言葉なのだけど、筋が通っていて、行動の爽やかさと一貫性にとても好感を持ちます。読者の心にある、どこか自分の持つ自信のなさや、行動への迷い、これら全てを成瀬が吹き飛ばしてくれるのです。そして書かれているのが、全て成瀬の周りの人目線。成瀬の心の中は、実はわからないのです。書いてないから。これらを読みながら、成瀬の周りをぐるぐるしているうちに、カタルシスを得られる、浄化作用すらある本なのです。

さてここまで、本屋大賞ノミネートのうち4冊について書いてみましたが、残りまだ6冊もあります。

また、読みましたらレポートいたします。

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