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2015年9月21日 20:12
それは丁度、太陽が天頂から傾き始める頃だった。家路まで殺風景に延びるコンクリート上で、よく熟れたみかん色のリュックサックは、恰も私の視界への飛び込みを切望しているかのように非常に映えて見えた。それを網膜で捉えた瞬間体は硬直し、早鐘が激しく鳴り響いた。思わず、息を飲んだ。それがあまりにもあの人の所持しているものと類似していたからだ。もしかしたらあの人かもしれない。期待を胸に、思わず駆け出した。
machi
2015年9月14日 12:33
赤髪の女が駅の改札前で誰かを待っている。僕はぼんやりと彼女の足元に目をやる。黒い編み上げのバレーシューズに白いソックス。奇抜な風貌に似合わない、少し怯えたような目元。この街のヒステリックな喧騒の中に身を置くと、僕はいつも自分の中にある空洞に気が付いてしまう。身体が透明になっていくような気がするのだ。感覚器だけを残して、まるで夕暮れの中に自分が消えていくようだと思う。僕はただこの街の気配を感じてい