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土萠めざめ
2015年8月1日 11:54
窓を開けるとこぼれ落ちる夏の破片を詩集にはさみあの人の鞄に忍ばせた聴こえてくるのは幻か記憶のなかに取り残された白い音楽は鳴り止まない波間に浮かんでは揺れる冷たい光に手を伸ばし砂に埋もれた夢の残滓を秘密の小瓶に詰め込んで生ぬるい夜に絡め捕られ身動きがとれないまま蛍はもう死んだのかレモネードの底に沈む私の夏は消えた
2015年6月14日 18:50
気まぐれな雨に濡れたブランコに腰かけてスカートの襞を濡らす彼女の知る孤独覚えたての煙草と不似合いな前髪の拒んだ愛情が潜んだこの街で赤い鉄棒青い滑り台すべては他人事痩せた手の中につよがり隠して涙をこらえても迎えはまだ来ない
2015年6月3日 23:56
少女は馬車に乗って夜の虹を探している目蓋を持ち上げればそれは消えてしまう誰もいない冬僻地に降る雨が微睡みながら彼女を夢見ている廃屋の暗がりには蜘蛛の巣がめぐり湿った木の葉を時が腐らせる雨はかなしい遠い日に恋した少女はもういないのだから掃き溜めに迷い込んだ行く宛てのない仔猫がそっと雨を舐める