三流カメラマン戦記 -営業編-
結局、予定していた2年間をスタジオで過ごし、退職をした。
特に何かを自分のものにしたとは言えないし、何もかもが中途半端な状態で終わったのが本当のところだった。
当時はとにかく、一刻も早くフリーランスカメラマンにならなければ、という強迫観念に駆られ、見えない何かが私の背中を押していた。
スタジオ在籍中に既に営業はしていたので順番が前後するが、カメラマンの営業の話をしたいと思う。
一般的にスタジオ時代にクライアントと関係を持ってフリーランスになるのが理想的なのだが、残念ながら私の場合、コネがなかったのでフリーランスカメラマンと名乗りながら一からクライアントを探さなければいけなかった。
営業先は、
・二輪誌
・四輪誌
・モータースポーツ誌
とにかく自分の好きなジャンルに絞り、後先考えずに飛び込んだ。
まず、大前提としてブック(作品)を用意することになる。
諸説あるが、写真の枚数は20〜40枚がベストだろう。
少なすぎるのも問題だが、多すぎると先方のチェックが大変になるのが理由だ。
現在ではデータとしてタブレットで持ち込むのもいいかもしれないが、個人的にプリントアウトした写真を用意したほうがいいのかなと思う。
根拠はないが…。
私の場合は、モータースポーツとスタジオ(物撮り)の2部構成にすることにした。
一般的に営業というのは、カメラマンに限った話ではないが先方に電話をかけてアポを取り、ブックを見て頂くという流れだ。
営業という言葉は個人的に悪いイメージしかないので、電話の時点で断られるのではないかと危惧していたのだが、9割方アポをとることができた。
これは私のトーク力がもたらした結果ではなく、とりあえず話くらい聞いてやるかという先方の配慮?心意気?がもたらしたものだと思っている。
忙しい中、時間を割いていただいて本当に感謝している。
営業をして驚いたことは、私は書店に置かれている雑誌はそれぞれの編集部が作っているのだと思っていたし、自動車の広告は自動車会社が作っているのだと思っていた。
そういう場合もあるが、すべてがそうではないことを知った。
制作会社という存在だ。
簡単に言うと、企業から依頼されて広告を製作する会社で企業とは直接的な関係はない場合が多い。
雑誌や広告のクレジットにもほぼ載らないので、まさに影のような存在だ。
つまり、企業が制作会社(悪く言えば下請け)に依頼して、制作会社がカメラマンに依頼するという流れである。
実際フリーランスカメラマンとして活動していると、制作会社との付き合いがかなりの割合を占めることになる。
中途半端になったが、疲れたのでここで切らせていただきます。
次回に続く
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