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#12 家賃を滞納される

家に入居者が付きホッとしていたのも束の間、3ヶ月ほど経ってフォーシーズ(家賃保証会社)から連絡があった。

「賃借人の方が家賃を滞納されています。現在は遅れながらも払って頂けている状況です。」と報告があった。

私は集金代行サービスを使っていたので、フォーシーズが入金してくれていたため滞納に気付かなかった。

フォーシーズのオーナー用のサイトから、毎月引き落としできているかマルバツで分かる様になっているので、確認せねばならなかった。

家賃の滞納は3ヶ月以上滞ると裁判になるが、3ヶ月以上滞らなければそのままだ。

私は毎月オーナー用のサイトからマルかバツかを観測することになった。

最初はバツでも、月の中間ぐらいにはマルになるので、遅れながらも払っているようだ。

この「ほとんどの入居者様が正常化へ!」に期待していたのだが、半年ほどした所で1ヶ月分は常に滞納している状態になった。

一年経つとフォーシーズの年間委託料がかかる。

滞納が3回以上あると1ヶ月分かかってしまう。

初月から12ヶ月連続で滞納なので勿論1ヶ月分だ。

そして家賃は年間保証委託料に充当され、滞納が2ヶ月分になった。

そんな折に入居者(フィリピン人女性)から電話があった。

私は自主管理なので入居者から直接電話がかかってくる事になっているが、入居以来初めての電話だ。

流石に家賃の支払いが厳しくて出ていくか、もう少し待ってほしいと情に訴えてくるか、おそるおそる電話に出ると、

「コンニチハ!トイレにウォッシュレットを付けてもイイデスカ?」と言う。

ナッ、ナニーーーッ!!家賃は払えないのに、ウォッシュレットを付ける余裕はあるだとーーー!!? と、心の中で叫びつつ

「ウ、ウォッシュレットですか!?別にいいですけど、お家賃遅れてるので払って下さいね!3ヶ月分滞納すると裁判になっちゃいますよ!」と伝えると、

「ワカリマシター!」と明るく電話を切られる。

外国籍だから日本人とは感覚が違うのか?家賃よりもウォッシュレット便座の方が優先度が高いとは。大家である私の家にも付いていないのに…。

そしてワカリマシター!と言う言葉とは裏腹に、ついに家賃が3ヶ月分滞り、フォーシーズの担当者が私の家にやって来た。

20代のスーツ姿の女性と、防弾チョッキを着た男の人だ。防弾チョッキを着た男の人は主に現場対応(入居者宅訪問)担当だ。

私の家に来る前に物件に突撃したようだが、留守だったそうだ。


女性が「オーナー様、明け渡し裁判のご経験はありますか?」と聞いてくるので、

「全くありません。これが最初の物件でして。」と、一棟目で初月から滞納が始まり裁判をするというハードモードな運営状況を露呈する。

女性は明け渡し裁判の流れと必要書類を丁寧に説明してくれた。

裁判にかかる間の家賃、裁判費用、原状回復費用など全てフォーシーズが負担してくれる。

そして裁判に必要な書類を用意する必要がある。

これをなるべく早く用意してフォーシーズに渡す必要がある。

私は早速市役所に行って評価証明と印鑑証明を取り、法務局に行って登記簿謄本を取った。

1週間後にまた担当者が家にやって来た。今回は防弾チョッキの男の人1人だ。

用意した書類を差し出すと、

「オーナー様、この賃貸借契約書はコピーのようですが、原本はどちらにありますか?」と聞かれる。

「仲介してくれた不動産屋さんにこれを渡されました。」と、ありのままを伝えた。

「コピーでは裁判出来るかどうか分かりませんが、一度これで提出してみます。」と言い、書類一式を持って帰っていった。

1週間ほどして防弾チョッキから電話があり、「やはり、コピーの賃貸借契約書ではダメでした。原本を手に入れて下さい。」と言われた。

仲介した不動産屋に原本があるのではないかと電話で問い合わせる。

「うちではコピーを預かっているだけです。原本は入居者さんが持っています。」と言う。


おいおいおいおい、ふざけんなよ〜!?フツー入居者に原本渡してオーナーにコピー渡す不動産業者がいるかァ〜!?(ここに居た)と、はらわたが煮えくり返りそうな思いをしつつ、

「実は滞納になって明け渡し裁判することになりまして。原本が必要なんですよ。次からはオーナーに原本渡した方がいいと思いますよ♡」と伝えて電話を切った。


ここの不動産屋は一年目の所でまだ未熟だった。私も一年目の大家で未熟だった為、最悪の相乗効果を発揮してしまった。


だが何があろうと投資は自己責任だ。私はそれを身を持って痛感する事となった。実際に胃がキリキリして来た。

鉄のハートを持つ女、メルカリ大家イリームの胃をキリキリさせるとは相手にとって不足なしである。

次回、賃貸借契約書を取り戻せ!の巻


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