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読書ノート

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#歴史

ベルクソン『二源泉』進歩?

ベルクソン『道徳と宗教の二源泉』、平山高次訳、岩波文庫、1977年。

p. 328-9

「これらの進歩は同じ方向のなかで生ずるのだろうか。それは進歩であることが是認された以上は、方向はもちろん同じだということになろう。その場合、進歩のそれぞれは、実際、一歩前進だと定義されるだろう。しかし、それはひとつの比喩でしかないだろう、そして、ひとつの方向が前もって実際に存在していて、ひとは単にそれに沿う

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【読書ノート】ドゥルーズ「ベルクソンにおける差異の概念」——ベルクソンとヘーゲル

ドゥルーズ「ベルクソンにおける差異の概念」(『ドゥルーズ・コレクション』、宇野邦一監修、河出書房、2015年。)

 ドゥルーズはこの論文において、ベルクソンとヘーゲルの対決を試みようとしているように思われる。

(ベルクソン自身は著作の中でヘーゲルについて直接言及することはあまりない。dialectique を言語による解決としてよく批判するが、ヘーゲルというよりプラトン、アリストテレス批判であ

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