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ユダヤ人と宗教

イスラエル=ユダヤ人=ユダヤ教という感じですが、現在の宗教観ってどんなって感じなのでしょう。イスラエルにはユダヤ教といっても様々な宗教観を持っているように思います。

超が付くくらい簡単に、専門家に怒られるんじゃないかなというくらい説明しますと、正統派と呼べれている黒ずくめの人、キーパと呼ばれる、頭部に丸い小さな帽子をつけた人、何もない人と大きく分類します。正統派と呼ばれる方は、ユダヤ教を勉強するため、伝承していくことに人生を捧げています。イスラエル政府も彼らを保護しています。キーパをつけている人はユダヤ教を信仰しています。それ以外の方は一般的にそこまで宗教を意識していない、もしくは軽ーく意識しています。

正統派といっても、様々な人がいます。またキーパの種類によっても違いがあります。何もつけていない方でも、宗教観の強い方も勿論います。うちの嫁はんの家は家族で様々です。例えば、お義父さんはキーパをつけていません。でも儀式的なことをする際などはキーパをつけます。義理の兄はキーパを着けており、信仰が深いです。嫁はんは宗教完全に無視。でもやっぱりユダヤ人なので、様々な場面で、宗教から影響を受けている考え方があります。で旦那の僕は外人w。イスラエルでは、そんな家族が結構多くいると思います。それが服装や外見によって、ある程度その人の宗教、民族への意識がわかります。女性の場合、正統派の方の奥さんは、髪の毛を婚姻の際に剃る必要があり、カツラ、ターバンのような布で頭部を多い、肘、膝を隠せる服装で行動します。女性も男性と同様に、服装の感じで、その人の宗教意識が伺え、正統派とは真逆で、ミニスカートを履いてイケイケの格好の方は宗教観が薄いということになります。またそういう服装をしていても、根っこにユダヤ教というのがあるので、休日の過ごし方や、食生活などにやはりユダヤ教の考え方があったりします。

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ちなみに僕は無宗教です。でも日本に住んでいた際は、神社に初詣に行きますし、墓参りに行ったり、知らず知らずのうちに神道や仏教に触れており、それが当たり前の生活や考え方にあります。親族にはクリスチャンもいますが、ほぼ誰も気にしていません。なので嫁はんと僕は宗教観のレベルは同じくらいか、僕の方が少し宗教観が強いかなというところです。親子でも、宗教観や民族に対しての意識の違いがあるように、ユダヤ人の宗教観は違います。

イスラエルは、正確にいうとユダヤ人のための国家です。ですので、政治や法律にもユダヤ教の考えが影響しています。例えば、外国人の僕とイスラエル人の嫁はんはイスラエル国内で結婚ができません。ですので日本国内で婚姻届けを受理してもらい、その後イスラエルで夫婦ですという証明書を提出という、とても不思議なことをしなければなりませんでした。イスラエル人同士でも、宗教的に結婚をしたくないということで、国外で結婚をするという例が結構あります。少し違いますが、日本で結婚する際に、ウェディングドレス着るか、白い着物着るかの違いといえばわかりやすいかもしれませんが、国外で結婚を済ませなければいけないというのは、とても変な話ですが、かと行って結婚できないわけでもないというのも面白いところです。

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この現代の考え方と古代から続くユダヤ教の教えのなかに、大きな違いが生まれてきていると思います。僕の住んでいる地区は宗教観が特に薄いので、比較的に宗教を感じることはありませんが、エルサレムに行けば、宗教色満点であったり、地域によって、人によって意見が分かれます。良い部分でいえば、結構自分の考えで宗教や民族についての価値観を持っていて問題ないという点でしょうか。

もちろんユダヤ教の教えに背いている方が許せない人もいれば、宗教家を毛嫌いしている方もいます。例を挙げると、ゲイパレードで、宗教観の強い方が、同性愛者のパレードに猛反対したり、事件になったりすることもあります。ちなみにテルアビブ市は同性愛者を受け入れており、ここに住んでいれば、あまり気になりません。人だけでなく、地域によって、宗教への依存が違います。

僕は外国人丸出しなので、正統派の方は短にはいません。決して彼らが悪い人であったりという訳ではないのですが、彼らの輪に入るのはかなり難しく思います。5年近く住んでいて、数回話したことがある程度です。彼らは別の世界で生きている感じがし、個人的に彼らのイメージは強烈です。夏でも黒いスーツで行動している分、体臭がきつく感じたり、金くれwといきなりよってきたりと、我々が持っている、例えばお坊さんや牧師とは全く違います。どちらかというと日本では、お坊さんや牧師さんは良い方が多いというか、そうでなければダメな感じですが、イスラエルは全く関係ないようです。一度だけ日本について興味を持った正統派の夫婦に話しかけられて、うちに遊びに来いと言われたことがあるのですが、用事があり行けませんでした。今思えば、その際に行っておけば、未知の世界がもっと見れたのにと悔やんでいます。

ユダヤ教徒にはシナゴーグという、いわゆるユダヤ教を勉強したり、お祈りをする場所があり、ここイスラエルには、あちこちにあります。日本でいうと神社のような役割があると思います。今ではあまり聞きませんが、祖父の話を聞いていると、みんなが昔は神社で遊んだり、地域の集まりがあったりなどしていたそうです。私の受け止めているシナゴーグは宗教色の強い場所ですが、コミニティーの中心的な役割が今でも残っている気がします。このシナゴーグでの集会が今回のパンデミックでの問題点になっており、密な環境の例になっています。

そこでは人との距離が近い中、お経をあげるような感じでお祈りをするので、正統派の多い地域でコロナ感染が多く発生しました。また保健省の大臣も正統派なので、集会はだめ!と言っておきながら、シナゴーグにこっそり行って、感染しちゃったという話が最近ありましたが、法律よりもユダヤ教の教えの方が大事であったり、最優先されることがあります。そういうことがあるので、宗教色の薄い方々は正統派に対して反感を持っている方が少なくありません。また逆に宗教の教えを無視して生きる方に対して、正統派の方々は同じ民族として快く思っていなかったりもします。

どう行った点で対立が起きているかを挙げると、正統派の人たちが国から保護を受けて生活をしており、仕事をする必要がなかったり、また徴兵制の国なのに、彼らにその義務がなかったりします。この正統派が受ける保護が母子家庭の受けれる保護よりも多かったり、今回のパンデミックの中での補償を受けれない方がいる中で、何もしていないのになんで金もたっとんねん!というような怒りが多くありました。この正統派や宗教の立ち位置が、問題が前回の数回行われた選挙の注目された一つのイスラエルの変化が求められた問題だったと思います。建国がそれまで国を持てなかったユダヤ人の念願と、このイスラエルの土地に戻るという目的から、当時はやはりユダヤ人という民族とユダヤ教というつながりを持った人たちがここに戻ってきて作った国なだけに、法律の中や宗教への依存が強くあったのではと思います。70年という歳月が流れ、現代的ではない問題が”宗教”と”国”という問題に繋がってきたのだと受け止めています。

この正統派の方々の中でも、色々あり、なかなか離脱と簡単にはいかないそうですが、宗教をやめる方も中にはいたりします。正統派の方の家族は厳格ですので、宗教色が嫁はんの家のようではないようで、そういう方は完全に一族から追い出され、家族や子供にも会わせてもらえないほど、変人扱いを受けるそうです。なので、宗教をやめる前からこっそり教えに反したことをしてみたり、そういう集まりに参加したりと、秘密の集まりがあるそうです。また宗教とは無縁のような環境で育っていても、宗教に目覚める方も多くいます。




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