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元公邸料理人の二度目のロックダウン中のイスラエル

二度目のロックダウンも1週間が過ぎました。ロックダウン当初は2週間と言っていたのですが、始まったと同時に最低1ヶ月は。。みたいな話に。比較的まったりとしたロックダウンの始まりでしたが、感染者の多さから、イスラエル政府も厳しい対応を取らざるを得なくなったようです。

どこの国の、どの人も形は違えど、未知のウイルスの感染リスクを恐れ、訳がわからない恐怖があったと思います。感染者が短に出たりなど、リアルな話も多くありました。僕の周りにも数名、身内も含めて感染があったのですが、無事に完治し、今は普通に生活をしています。

個人的には、そもそも料理人ですので、サービス業やエンターテイメント業へのダメージはかなり深刻に考えています。私たちの事業もそう言った逆流の中で、活路を見出していくことを仕事としています。多くの有名なシェフがパンデミック後の飲食の変化を語っていましたし、私も深く注視していました。

ここイスラエルは一度目のロックダウン後、人が溢れるように外出し、外食を楽しんでいました。日本人の我々よりも、人との距離が近いイスラエル人にとっては、かなりのストレスだったと思います。私もそのうちの1人で、リオープンしたその日に、ビールを飲みに浜辺のバーへ。ただ人が多過ぎて、流石にびっくりしました。この元気の良さがイスラエル人の特徴だと思うのですが、今回は裏目に出てしまったような気がします。ご近所さんに仲の良いおばあちゃんがいるのですが、現在のこの状況に、会うたびに嘆いています。やはり年配の方々は多くの不安を抱えています。人々が外出し、はしゃいでいるのをよく思ってないようです。

僕たちが引越してきて、そろそろひと月が立ちます。おばあちゃんは最初からすごく親切で、たまにイスラエル人特有のパワフルさで他のご近所さんにゴミの出し方を注意したり、なかなか豪快な方なのですが、今回の二度目のロックダウンは感染というより、人の身勝手さに傷ついたようです。そんな話をしていても、犬の散歩中の人にいきなり、『フンの始末、ちゃんとしなさいよ!』と突っ込んでましたが笑。

個人的には、今回のパンデミックがすぐに終わると考えていないのですが、今度、どのように生活をしていくべきかをよく嫁はんとしています。持病を持った嫁はんは感染した場合、かなり危険な状態になる可能性が高く、私も行動を色々制限してきました。ただ料理を提供する人間としては、人との接触が避けれないのも事実で、今後の仕事、活動はなかなか困難な中で行なっていかなければなりません。これはサービス業以外の多くの方々の脳裏にあると思います。

僕たちは、あんまりマイナスに考えるのが嫌だったので、前向きに検討しました。『正しく恐れよう』というのが僕たちの答えで、人との距離を保つ、手洗いや消毒、外出時のマスク着用など、当たり前となった新しい習慣をきちんと守って、無駄な外出は避けよう程度です。買い物も朝イチに出かけて、必要なものをさっと買って帰るようにしています。でも人との接点がないのも寂しいし、仕事にならないので、そこそこ人に会ったり、遊んだりという感じです。

起業後、すぐの二度目のロックダウンで、様々なプレッシャーやリスクからくるストレスもありましたが、今日まであんまり休んでなかったのと、引越し後の新しい生活のスタンバイが山ほどあったので、そこに専念して、あとは遊ぼうぜって感じです。まだ遊べてませんが笑。

今回のロックダウンは当初と比べて、ステップアップしながら厳しくなりました。移動の制限も次第に厳しくなり、最初は近所の海で海水浴が許されたのですが、現在はそれすらもできなくなってしまいました。それを知らずに嫁はんとぷらっと海まで散歩。こんなに静かな夏の海は初めてというくらい人気がなく、静かな時間を過ごしました。従来からとても綺麗なのですが、今までよりも、とても綺麗な地中海の海でした。

今後のイスラエルでのフードビジネス戦略を、様々な料理人やフーディーズと探っているのですが、いつも食べ物の話になり、食いしん坊のイスラエル人は話が変わり、子供のように料理のことで盛り上がります。このイスラエル人の料理人の無邪気なところが、僕は大好きです。でも仕事の話は全く進みません笑。ロックダウン前に遊びにきていた料理人は、我が家の庭が気に入って、よくわかんないですけど、庭の葉っぱで料理し始めました。彼が帰った後に、あれ、何しにきたんやったっけ?となるくらい、料理の話をして帰って行きましたが、従来、料理が好きで、料理人になるわけですので、仕事という枠を超えて、料理が好きなのでしょう。そんな彼らが、このパンデミックの社会から何を得て、生み出すのかは非常に楽しみで、私も負けていられません。この国はやたらとチャレンジ精神が旺盛で、思いつきで突っ走る人も多く、時々振り回されるのですが、新しいフード業界が生まれると期待していますし、そこの先頭に僕も立っていかなきゃなと思っています。






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