『人の温かさを感じた日でした』自転車旅本州・北海道編vol.9
自転車旅9日目。
6時前、雨の音の起こされた。
前日雨予報であったため、一様木の下にテントを張ったのだが、ぱらぱらと雨の音がする。
初めての雨の中のテント。雨漏りをしないか不安になりながらもうひと眠りした。
7時半を過ぎたことまた目覚めた。どうやら雨は止んだらしい。トイレに行き、顔を洗ってテントに戻ると近くにしたおばさんに話しかけられた。
「日本一周してるの。すごいねえ。もしよかったら一緒に朝ごはん食べない?」
ブラックサンダーしか持ってなかった僕は
「何も持ってないですけどいいですか。」
っと言いながら申し訳なさそうに行った。
おばさんの名前はゆーこさん。一人でキャンプに来たらしい。しかも大阪からスーパーカブでだ。なかなか気合が入っているゆーこさん。朝ごはんにワッフルを作ってくれた。
温かいものを食べれる。それだけでうれしかった。するとゆーこさんが昨日同じキャンプ場で知り合った、ちゃこさんを呼んできて3人で朝ご飯を食べた。しかもなんとちゃこさんはメロンを食べさせてくれた。
さらにまだ食べれるかと聞かれ、もちろんと答えると、「これ、昨日島根の道の駅で買った姫豚のレバー。」っと言って絶品レバーもごちそうしてくれた。
朝からこんな豪華なものを食べられるなんて、こんないい一日のスタートはない。気づけば11時に迫ろうとしていた。
名残惜しいがそろそろ出発することにした。
今日はこれから、兵庫県に入る。
お世話になった二人にお別れを言い、またの再会を約束して出発した。
キャンプ場でこんな出会いがあったのは初めてだった。どこにいても優しく、暖かい人はいるんだなと思った。いつか自分も恩返しをしようと毎回思う。
鳥取のキャンプ場を出発した。日本海を横目に兵庫県へと入る。
兵庫と言えば神戸や姫路のイメージで日本海側は全くの未知だったのでどんな景色が待っているか楽しみだ。
兵庫に入るころには坂が激しくなっていた。鬼のアップダウンだ。七坂八峠という絶望感ある道を通り抜け香美町に入った。
香美町も抜けるとまた山に入った。
前に自転車がいる。しかもよく見てみると日本一周の看板と掲げているではないか。この旅始まって、いやそれ以前も含めて初めて会った同志、これは話しかけるしかないと思い挨拶をした。
健太というらしい。僕の2個上で仕事を辞めて日本一周自転車旅を始めたらしい。なかなかにいかれてやがる。そう思いながら行く方向が一緒だったので一緒に漕ぐことにした。やはり誰かと話しながら一緒に漕ぐのは楽しい。苦しさが分散されるのだ。
そして短い間だったが、一緒に走った仲間に旅の安全を願って写真を撮りお別れをした。
その後は竹野まで走りキャンプ場に泊まる予定だ。
日没前、竹野に着いた。
しかしよく調べるとキャンプ場が2年前から有料になったらしい。なのでキャンプ場は諦め別の場所で寝ることにした。
しかし、今までキャンプ場でしか寝たことない僕はどんな場所で寝たらいいのかわからない。とりあえず寝れそうな場所を探していると大きな橋の下が目に入った。
「よし、今日はここで寝よう。」
怖いがもう体もつかれていたので、橋の下で寝ることにした。しっかり日本一周の看板をアピールして眠りについた。
つづく
5月12日
自転車旅9日目
『鳥取市』→『豊岡市』
距離→70㎞
総距離→615㎞
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