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Dia:Beaconで目覚めたコンテンポラリーアートへの好奇心。

前回の講義では、NYにあるパーソンズ大学を卒業された岩渕さんからビジョンデザインについてお話を伺いました。”NY在住”そんな響きが何ともカッコよく笑(単純ですが。)「そういえば、自分の意志で旅程に美術館取り入れたのはNYが初めてかも。」と振り返りモードに。

今回はそんなNY繋がり、「Dia:Beacon」というコンテンポラリーアートミュージアムの訪問記になります。(※訪問したのは2017年。)

ハドソン渓谷沿いの美しい街ビーコン

NYから列車で約2時間、ブリティッシュスタイルの美しい建物を様する小さな街ビーコン。どこか懐かしさ感じる暖かい雰囲気のカフェやアートショップが立ち並びます。街の中心地からは徒歩約20分、Beacon stationからはハドソン川沿いに歩くこと約10分でDia:Beaconが見えてきます。

2003年、自然と共生する形で元ナビスコの工場跡地に開設されたコンテンポラリーアートミュージアム。郊外美術館らしく、広大な敷地に自然の光が差し込み、全体的にゆったりとした空間と時間の流れを感じます。

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コンテンポラリーアートを代表する作家たち


「郊外ならでは、スケールの大きい作品を自然光を利用した室内で展示し、贅沢な空間の中で作家の芸術的特徴が際立つ」そんな(風に解釈した)情報だけを頼りに、「私ここ絶対好きだ。」と直感的に決めたNYからの日帰りショートトリップ。

コンテンポラリー・アートを代表する作家たちの巨大な作品が贅沢な空間に展示されています。

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自然光がダイナミックな佇まいをより一層ひき立てるリチャード・セラの彫刻。

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コンセプチュアル・アートの分野で有名なソル・ルウィットが鉛筆で描くドローウィングシリーズ。

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アースワーク」「ランド・アート」の作家として名を高めるマイケル・ハイザーの「North,East,South,West」という作品。

当時はアースワークやランド・アートという言葉を持ち合わせていなかった私、それでも自然と一体化した様相に時間を忘れてじーっと見つめていたのを覚えてます。今となってはコンテンポラリーアートの中でも特に深く知りたい作品群ばかり。

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「色の達人」とも呼ばれるドイツ作家ブリンキー・パレルモ。



(※2021年、パレルモをテーマにした展示を日本で観るにはちょうど良いタイミング!)
Toyota Municipal Museum of Art 
豊田市美術館


ボイス+パレルモ
会期:2021年4月3日〜6月20日
会場:豊田市美術館
住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1
電話番号:0565-34-6610
開館時間:10:00〜17:30 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし5月3日は開館)
料金:一般 1200円 / 高校・大学生 700円 / 中学生以下無料
巡回
埼玉県立近代美術館:2021年7月10日〜9月5日
国立国際美術館:2021年10月12日〜2022年1月16日

(引用:美術手帖

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ミニマル・アート、メディア・アートを語る上では欠かせないダン・フレヴィンの巨大な地下アート。

理解できないからこそ価値ある時間


正直、当時の私は今よりもさらに芸術に関する知識は無く、出てきた感想は「芸術てたまに笑ってまうほど意味分からん。」それだけ笑

ソル・ルウィット、マイケル・ハイザー、ブリンキー・パレルモ、ダン・フレヴィン、リチャード・セラ、ルイーズ・ブルジョワ。コンテンポラリーアートの共通言語とも言える数多くの作家たちの作品を直近に感じ、彼らの表現に没頭する。

そんな貴重な時間を通じて、理解できないながらも「何を伝えたいの?なぜこの作品を作ったの?形にしながら何を考えてたの?」一生懸命作品と対話し考え理解しようとした。その経験に大きな価値があったと思っています。

今となってもあの時感じた他の時間軸に存在している様な不思議な感覚と、芸術と社会と自分、そして自然との繋がりへの思考の広がりは強く印象に残り、その後の自分の芸術への興味にも大きな影響を与えています。

きっと、この5年間を通じて微かに増えたアートへの理解と、生み出すことによって人々や社会へ強いメッセージを届ける作家たちへの敬いを胸に今訪れることが出来たら、圧倒的に違う世界が広がるんだろうな〜と。

必ずもう一度自分の目で見て体験したい。

ビーコンで芽生えたアートへの好奇心

約半日を美術館で過ごし、疲れた私はカフェで休憩。
街中にもリトルアートは溢れていて、小さなお店もとても可愛かった。
テラスで食べたベーグルも、歩きながら飲んだElla's Bellasのコーヒーも鮮明に覚えてる。

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映画を見終わった後のあのなんとも言えない現実に戻った感覚の中、アートの世界への好奇心の兆しを示すかの様に帰りの列車の中から見た太陽が綺麗すぎたのもまた良い思い出。

思ったより長くなってしまいましたが、
今までで好きだった美術館は?と聞かれたら、
必ず答えの一つになるDia:Beacon。

NYに行く機会があったら、ぜひ。

24.4.2021


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