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「チームで作る。」チームラボが"〇〇集団"と呼ばれる所以。取締役、堺さんのお話から人々の協働について考える。

21.05.2021
武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコース必修である「クリエイティブリーダーシップ特論」では、毎回クリエイティブ×ビジネスを活用し実際に活躍をされているゲスト講師を囲みながら議論を行います。この記事では、講義内容と私自身の気づき、今後の可能性についてまとめています。

2021年度「クリエイティブリーダーシップ特論第6回」となる今回はチームラボ取締役である堺 大輔さんから「チームラボが大切にする思想や組織文化」についてお話を伺いました。

堺 大輔
東京大学工学部機械情報工学科卒業、東京大学大学院学際情報学府修了。大学時代の研究テーマは、ヒューマノイドロボットのウェアラブル遠隔操作システム。大学院在学中にチームラボ創業に携わり、現在は取締役。社内では「カタリスト」として、プロジェクトに「化学反応」を起こす役割を担っている。
(参考:https://www.allow-web.com/flab-net/2016/teamLab.html)

言わずもがなですが....
チームラボのアートワークをざっと。

チームラボプラネッツや、チームラボボーダレスなどデジタルアートの没入型ミュージアムとして横に出るものはないと言っても過言ではない様々なアート作品。

2015年のミラノ万博(2015年ミラノ国際博覧会)で手がけた日本館の空間演出作品「HARMONY」や「DIVERSITY」を代表するように、台湾、韓国、シンガポール、米国、ロンドンでは常設展を行っています。世界からの注目もあつい日本を代表する組織です。

2018年6月に開館した東京・お台場のチームラボボーダレスは、開館から1年で、世界160以上の国と地域から約230万人が来館し、単独のアーティストの美術館としては、オランダ・アムステルダムのゴッホ美術館(216万1160人)を上回る、世界最大規模の年間来館者数だという。
(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000649.000007339.html)

そんなデジタルアートとして広く知られるチームラボ。
実は他にもDigital Solutionという事業も手掛け、B to Bを中心に多大な成功を収めています。

今回はDigital Solutionの取り組みにフォーカスを当て、私が得た大きな気づき「チームで作る。」ということについてまとめてみます。

Digital Solution WORK1:りそなグループアプリ開発

ユーザーが「知りたい情報」だけを通知することに徹底的にこだわったというこちらの案件。企画・デザイン、UI/UX設計、開発、また、プロモーション戦略の立案、プロモーションサイトとプロモーションムービーの制作などを担当。

短期間で画面を完成させリリースする、その後改善を繰り返すというアジャイル的なスピード感をファイナンス系のサービスで実践している。という点にチームラボの腕利き感じる驚異ポイントだなと思います。

Digital Solution WORK2:acure pass

これまでにない“自販機での新しい価値体験を提案し続ける“をコンセプトとした最新型自販機。「イノベーション自販機」のプロダクトデザインのプロデュース、自販機サイネージアプリケーション企画・開発・デザイン、及び、「イノベーション自販機」連動スマートフォンアプリ「acure pass(アキュアパス)」の企画・デザイン・開発、プロモーション用動画及びWebサイト、オペレーターの業務フロー改善、ビジネスプランニングなどを担当。

プロジェクトの根幹である「イノベーション自販機」とは何か?という定義決めからどっぷりと入り込み、ブランディングやプランニング、プロモーション、デザインなど上流〜下流までを網羅し実際の運用開始まで完遂する。

それだけではなく、自販機をインフラとしてサブスクリプション型の新しい購入体験を生み出すなど既存事業に留まらない事業の拡大を可能にする点で、彼らがテーマとする「実験と革新」の有言実行力が窺えます。

(ここでは省略しますが、講義ではエンジニアやデザイナーがなぜここまで深く入り込み新しい提案が出来るのか?という組織体制についても話が広がりました。)


新しいものを「チームで作る。」


今回の堺さんのお話の中で印象的だったのは、チームラボでは一人一人がアーティストなのではなく、あくまでもチームで一つの作品を作り上げることが大切であり、チームで活動に意義を感じる人がチームラボを創っている。という思想。

「なるほど、だから「デジタルアート集団」「ウルトラテクノロジスト集団」と呼ばれているのか!」と彼らを表す呼称の所以に深く納得です。

そんなチームラボの「チームで作る。」を可能にする文化もとても興味深く。

誰もがメモを書けるように、とホワイトボードの代わりにオフィスの机の上には複数の紙が広がっていたり、チームラボならではプロジェクトの触媒役である"カタリスト"というポジションがあったり。

一つ一つの制度や仕掛けが協働を可能にしている状況はもちろん、チームラボでご活躍される方々の「チームで成し遂げる。」マインドがchonri的には大好物でした。

余談ですが...
シリコンバレーで実感した人々の協働を促す空間


私が初めてイノベーションという言葉を耳にしたのはおそらく大学一年生の夏。当時はスタートアップやシリコンバレーなど全く興味も由縁もありませんでしたが、「なんか楽しそう!大学生時間ある!!最高!」(本当そんな気持ちだけだったな。)でスタンフォード大学のサマースクールに参加し1ヶ月をパロアルトで過ごしました。

今考えると本当に幸いですが、Googleやmozillaといった世界最先端のIT企業の現地オフィスやスタンフォード大学のd.schoolを訪問する機会にも恵まれ、これをきっかけにそれまで持っていた「働くこと」への概念が大きく変わりました

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↑Googleカラーの自転車

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↑Googleオフィス内の滑り台

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↑mozillaのカウンター下にあったフリーフード

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↑mozillaの屋上からの景色。社員さんはルーフトップパーティーしてた。

この空間はなんだ!何このおもちゃみたいな工具!なんて創造的でみんな楽しそうなんだ!なんでお菓子やドリンクフリーやねん!食堂もサラダから順に並べてるとかもう素敵!」と新しい価値観の芽生えとでもいうんですかね。とにかく当時の衝撃は一生もんです。

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ちなみに、スタンフォードd.schoolの空間デザインについて書かれた本「MAKE SPACE メイク・スペース スタンフォード大学dスクールが実践する創造性を最大化する「場」のつくり方 」はお気に入りの一冊です。


話は逸れましたが、世界最先端と言われる米国スタートアップ企業で大切にされてたのも、いかに人々がストレスなく協働し価値創造していけるのかという視点。これは今回話を伺った堺さんやチームラボとも共通するなと。

世界に活躍の場を広げ、幅広い人々から評価を受ける組織の大きな特徴なんだろうな〜と思います。まさに“If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.”ですね。


最後に...私の近況に照らし合わせて


最近本業にて
「マネージャーは他に重要なミッションや案件を抱えてそうだから...初めてのことばかりだけど自分が出来なさすぎるのをオープンに曝け出しすぎてて落胆させるのも嫌やし...とりあえずやれるとこまで一人で頑張るかー!!」

と、一人勝手に気負ってしまっていたchonriですが...
今回の講義を受けて

「いや、ちゃうな。いかに人を巻き込んで価値最大化出来るかだな。そのための仲介人、チームラボでいうところのカタリストになれるかだな。」と受容性らしく、しっかり影響受けマインドチェンジです。

なかなかに課題もハード、仕事もバタバタな日々ですが大学院での学びと仕事の相乗効果が期待できるのは社会人大学院生のいいところっすね。

そんなところで今回はおしまい。
散文にも関わらず最後まで読んでくださりありがとうございました。

21.05.2021

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