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読書|星の子

じわじわと、家族が崩れていく。でも、本人たちは形が歪になっていることに気がついていない。

なんだか、怪しいよね?
病気が治る”奇跡の水”って、怖くない?

そう頭に疑問符を浮かべながら、物語が進んでいきました。怪しさを拭えきれないまま、ちひろの両親は怪しい宗教にのめり込んでいきます。

発端は、ちひろの病気を治したかったから。愛する家族のためにあの手この手を尽くして、やっと辿り着いた先が”奇跡の水”でした。

この水で…、と奇跡を願っていたら、本当にちひろの病状は良くなります。果たして、水のおかげなのか、祈りのおかげなのか、偶然という奇跡のおかげなのか、分かりません。ただ、両親がその宗教を信じるのに、十分な出来事だったのでしょう。

信じるものがあると、人間は強くなります。「これさえやれば絶対に大丈夫」逆に「このタブーを犯さなければ大丈夫」など。

その信じるものが本物なのかどうか、気持ちが弱っている時にこそ判断がつかないかもしれません。

ちひろが大きくなるに従い、彼女への風当たりが強くなり家族の金銭状況も悪化します。でも、信じるものを追い求める家族は、揺るぎありませんでした。

私の心に、じわじわと恐怖心が広がっていっても、ちひろの家族は私とは違う方向を向き続けていました。





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