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わたしの本棚

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わたしが読んできた本の感想をまとめています。週1〜2回の更新です📚本好きの方、小説をよく読まれる方、ぜひ覗いてみてください♪
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#わたしの本棚

読書|三毛猫ホームズのプリマドンナ

お久しぶりの赤川次郎作品です。中学生のころ、三毛猫シリーズは読み漁りました。それでもなお、読んだことのない作品はあるものですね。 ミステリーの短編集が3作収録されています。三毛猫シリーズは、重すぎず軽やかに読むことができる事件モノなので、子どもの頃からとっつきやすいイメージです。 久しぶりにページを捲ってみても、その印象は変わらず、主人公の片山刑事をはじめ、妹の溌剌とした晴美など、名前を見れば「あぁ〜そうだったそうだった」と思い出せるくらいには、記憶の奥底に物語が眠ってい

読書|ハーバードの人生を変える授業

ナマズ(=旦那)の積読を拝借。伝説の授業が本棚に眠っているなんて、もったいない。私がナマズの代わりに授業を受けてきました。 一人ひとりが幸せな日常生活送れるように、というポジティブ心理学に基づくレッスンが、52も詰まっています。大学で履修者が詰め寄った授業を本一冊でぺろっと読めてしまうなんて、すごいなあ。 ただ、知識をインプットした後、行動するかが要だと思うので、私がすぐに実践したものを紹介します。 ■感謝ノートを書く 日頃、寝る前に日記を書いているので、そこに感謝ノ

読書|時間最短化、成果最大化の法則

ナマズ(=旦那)が「ピッパピっパ」というようになりました。はて?何の影響からだろうと探ってみたところ、どうやら木下勝寿さんのアドバイスを実践しているようです。 ナマズしかり、仕事でもプライベートでも大変役に立ちそうな思考アルゴリズムが、本書にまとまっています。 こちらには、少ない時間で成果を大きくする法則が45つ紹介されていました。その中でも、私が意識したいと思った内容を取り上げたいと思います。 人によって、ヒットする章はそれぞれですので、少しでも気になった方は、実際に

読書|ある男

一昨年映画化されてから、ずっと気になっていた本作品。自分が愛してきた男性が、見ず知らずの他人だったと気づく状況が壮絶すぎる。果たして私の旦那は誰だったのか、その展開に興味津々でした。 話は逸れますが、私は映画館が苦手です。映画好きの方が映画のいいところとしてあげるポイントが、私にとって怖いポイントになるので、よっぽどのことがないと映画館に行きません。 「ある男」も、本当は映画館で見れたら…と思いましたが、無理してはならぬ!と本を読むことにしました。映画化の俳優さんは頭に入

読書|結婚させる家

舞台は、40代以上限定の結婚相談所。人生のパートナーが欲しいとやってくる人々と、カップリング率No. 1のカリスマ相談員の物語。 友人の結婚ラッシュが止まらない影響か、自然と「結婚」の本を手に取ってしまいました。 結婚相談所のお話なのに、タイトルに「家」がついているのはどうしてだろう?と読み進めましたが、どうやら、ある屋敷で交際検討中の男女がプレ夫婦生活を体験できるとのことです。 カリスマ相談員の恭子さんは、屋敷へくる人々にぐいぐい攻めます。相手の興味を引くために事実と

読書|池袋ウエストゲートパーク

私の知っている池袋じゃない。でも、もしかしたら私が知らないだけかもしれない。少年ギャング団に乱れる街。ヒリヒリとドキドキが止まりません。 頭の切れるナイスガイのマコトは、荒れ狂う池袋の街で颯爽と暮らしています。仲間が殺された時は復讐をし、ヤクザのお頭に人探しをお願いされたら奮闘し、街の秩序が乱れたら平和を実現させました。 残酷な仕打ちや性的な描写も激しく、夜寝ぼけた状態で読むにはだいぶ刺激的…。そのスリリングさがこの物語の美味しいところなのでしょう。 エピソードを重ねる

読書|神様の暇つぶし

優しい父が事故で亡くなった。心の隙間を埋めるようにふらっと現れたのは、かつて頭を撫でてくれた父よりも歳上の全さんだった。 恋は人を変えるのだろうか、恋で自分が変わったと思いたいのだろうか。 血色の悪い唇に、乾燥した肌。いつか土に還ってしまいそうな容姿なのに、全さんの眼差しや温度を忘れることができない。 大学生の藤子は、カメラマンの全さんに心と身体を奪われ、今もなお、全さんを身体の一部で飼っている。 私にも、過去の記憶が自分の中に居続けています。優しく撫でてくれたひいお

読書|声の在りか

声にならない声が存在する。自分の気持ちはどこに置けばいいのだろう?今日もまた、言いたいことをグッと我慢してしまった。 パートタイム勤務で小学四年生の息子を育てる希和は、自分の気持ちを伝えるのが少し不器用です。家のことは専ら希和が頑張っていますが、その頑張りを旦那は気づいていません。 そんな旦那は今日もまた、動画を見ながら夜ご飯を食べています。私が一生懸命作ったご飯を、動画の片手間に消費されいる姿に耐えかねて声をかけても、その言葉は旦那には届きませんでした。 私も気持ち熟

読書|なれのはて

最後のページを読み切った後、ふぅ…と漏れ出る吐息。読了後の充実感と壮大なストーリーが終わってしまった寂しさが、胸に広がりました。 「加藤シゲアキの第2章としてのスタート」のキャッチコピー。これまでの彼の作品を遥かに超えていった一冊は、読んで悔いなし、出会えてよかったと思える物語でした。 本書では、扱うテーマが多岐に渡ります。戦争・報道・著作権・家族・石油…。それぞれのテーマを貫くのが、無名の画家の絵でした。 報道の第一線で活躍していた守谷京斗は、ある事件をきっかけに、イ

読書|わたしが少女型ロボットだったころ

ある日、ふと気づいてしまったらしい。自分が人間ではなくロボットであることを。 今まではなんの抵抗もなく食べれていたご飯も、自分にとって栄養は不要だと知った途端に喉を通らなくなった。母親には心配され、怒られ、突き放され、でも今まで通りには戻れない。だって、私はロボットだから。 見た目があまりにも人間そっくりなので「ロボット」であることを信じてもらえない多鶴ちゃん。食事をしないとみるみる痩せてしまうところまで人間そっくりです。 頭がおかしくなっちゃった?単なる摂食障害?と思

読書|月曜日の抹茶カフェ

月曜日が定休日のマーブル・カフェ。「木曜日にはココアを」の続編として登場した本書のはじまりも、あの素敵なカフェからでした。 前作が色彩がテーマだったのに対し、本作は和風名月で物語が流れていきます。抹茶や京都がキーワードなため、1月2月…ではなく睦月如月…と続いていく日本の暦が、青山さんの紡ぐ世界観にピッタリでした。 心に残る言葉がいくつもあり、その度に付箋を貼っているのですが、今回はその中の3つを紹介したいと思います。 自分にとっての転機の言葉やあの人との大切の瞬間など

読書|気まぐれ指数

ショートショートの第一人者である、星新一さん。今回は、1000を越える作品を世に放った方の長編コメディーを楽しませていただきました。 犯罪評論家が、犯罪経験をするためだけに仏像窃盗を試みます。主要キャラクターの「気まぐれ」から、ことは泥棒や嘘、駆け引き…とどんどんあらぬ方向へと動いていきました。 犯罪評論家ぎ捕まってしまうハラハラ感は意外にもなく、仏像の行方が気になって仕方がありません。コミカルな展開だからこそ味わえる読書時間というものです。 他にも、誰のものかはっきり

読書|きみの存在を意識する

自分にとっての当たり前は、誰かにとっての当たり前じゃない。ひとりの人間が感じられる世界は、限られています。 中学2年生の5人が語りの短編連作集。筆者の想いは、最後の一文に込められていました。 主人公の5人はそれぞれの特性を持っています。字を読むのにものすごく時間がかかる子や、筆記は苦手だけどタイピングは得意な子、匂いに敏感で教室に入れない子など。 ”教室”という子どもにとっては大きな世界の中で、自分が他の人の感覚と少し違うと気づいた時「大袈裟だ」「努力次第でなんとかなる

読書|夏物語

命とは、家族とは、子どもが産まれてくるとは。壮大な問いとぶち当たりながら、それでも生きていく。 季節は夏、夏目夏子さんが主人公の"夏"物語です。夏のゲシュタルト崩壊が起きそうですね。 取り扱うトピックはシリアスで、パートナーがいない夏子が自分の子どもに会いたい夢を叶えるために、見ず知らずの男性から精子提供を検討します。 情報を集めていくうちに、精子提供によって産まれた子どもの体験記へと辿り着き、さらには当事者と親交を深めていくーーという流れです。 シリアスで気持ちが沈