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お客様に寄り添い、思い描く未来を共に形作るCustomer Successのすべて

こんにちは、BONXの井手口です。2021年10月にBONXにジョインし、Customer Success業務に携わることになり、9ヶ月ほどとなりました。これまでの自分の業務を整理すると同時に「Customer Successって結局何をする部署なんだ?」をまとめようと、この度noteを執筆しました。

今回の記事ですが前半部分はCustomer Successの概要や具体的な業務のフロー、後半部分は働く中で感じるやりがい、そして今後BONXで成し遂げたい今後のアクションや展望といった内容になっています。

Customer Success業務に少しでも興味がある方や、Customer Success業務のことをもっと深く知って普段の業務に活かしたい方などにぜひ読んでもらいたい内容になっています。

どうぞ最後までご覧ください。

お客様を成功に導くCustomer Successってどんなお仕事?

現在BONXでは、SaaSにおけるCustomer Satisfaction / Customer Success業務を「Team Growth Unit (通称:TGU)」という部門で担当しています。

BONXのTGUについて関して詳しく知りたい方は、BONX Team Growth Scientistの楢崎が執筆した以下の記事も併せてご覧ください。

またCustomer Satisfaction業務に関しては、BONXの藪が以下の記事で詳しく執筆していますので、気になる方はこちらもご確認ください。

さて当記事のテーマであるCustomer Successの概要に移ります。

Customer Successとはお客様を成功に導く職種です。お客様が新しいツールを導入する時には解決したい課題があります。その課題を解決し、目指すゴールまで導いていくことがCustomer Successの仕事です。

具体的にはツール導入後にお客様自身が利用出来るようになるまでフォローをしたり、より効果的にご利用いただくための提案がメインです。新しいツールを導入したらすぐに使えるわけではなく、利用方法が分からなければ使わないまま置いておかれてしまいます。それらを利用できるだけでなく、お客様はツールを導入したその先にある更なる活用価値を求めていることもあります。

お客様自身が自走出来るようにすること、そしてその後の活用方法を提案し、活用の幅を広げていくことがCustomer Successの重要な仕事です。

お客様と対話を重ね、意向を適切に汲み取ったヒアリングが重要

Customer Successのメイン業務は大きく分けて以下の2つです。

  1. お客様のMAUに沿った利用状況のヒアリング

  2. 新店舗や別の施設での導入提案

詳しく見ていきます。

1.お客様のMAUに沿った利用状況のヒアリング

BONXの利用状況をMAU(Monthly Active Userの略で、保有アカウントのうち1ヶ月でどの程度利用されているか)という形で見ることができます。MAUが高いお客様はBONXを使いこなせている可能性が高いので、現在どのように使用しているのか、普段の利用状況の詳細を確認します。具体的には「どのような部門で利用し、どのようにコミュニケーションを取っているのか」についてのヒアリングです。

具体的には、下記の流れでヒアリングを行っています。

①事前準備
まずはお客様との対話の事前準備を行います。事前準備を行う理由は、お客様と対話する上で基本情報となるご利用プランや人数などを把握していないと、お客様に不信感を持たれる可能性もありますし、ご利用状況の確認や提案ができないからです。
お客様の利用アカウント数、利用デバイスの種類、会話量データなどを事前に確認しておきます。また「実際にどの時間帯にどれぐらい、誰が会話をしているのか」という詳細な利用データも事前に確認しておきます。

②利用部門のヒアリング
会話量のデータを見ながら「どこでBONXを利用しているのか?」をお客様にヒアリングします。いわゆる利用部門の確認です。
具体的にホテル業であれば「BONXをフロントのみで利用しているのか、またはベルスタッフや厨房清掃スタッフも利用しているのか」などを確認しています。このようにしてその業種 / 業態におけるBONXの利用部門をお客様にヒアリングします。

③利用シーンまでイメージしたヒアリング
利用部門の確認が出来たら、その利用部門で実際に「どういう会話がされているのか、どのようにBONXを使っているのか」をヒアリングします。
例えばホテルのフロントとベルスタッフがBONXを使っているのであれば、入り口でベルスタッフから「お客様いらっしゃいました」とフロントの方に伝えているシーンを実際にイメージしてヒアリングを行います。このフェーズでは具体的な利用シーンが思い浮かべられるところまで細かくイメージすることが重要です。

④活用提案とディスカッション
仮にまだ利用できていない部門があれば、そこに対して利用提案をします。これは本格的な提案ではないので、お客様の反応を見るための単なるプレ提案です。
実際に行っている会話内容としては「他のホテルであれば清掃スタッフの方にもBONXを使っていただいており、フロントスタッフと清掃状況のやり取りをしています」のような利用シーンを提案するイメージです。
このように一度お客様にプレ提案を行い「実際にそういった使い方が出来そうか、他の部門での利用の方が良いか」についてディスカッションを行います。
ディスカッションの後、ニーズがありそうであれば次回本提案を行います。

以上がお客様のMAUに沿った利用状況のヒアリングの概要です。

適切なヒアリングを行わないことで発生するトラブル

このようにお客様の利用状況や現在考えていることをヒアリングすることもCustomer Successの業務です。お客様の意向を確認しておかないと、ずれた提案を行うことになり、お客様のためになりません。

実際にお客様の意向を汲み取れていないまま提案を行ったせいで、それらが却下されてしまい提案内容自体を再度考え直したこともあります。こうなるとお客様にとっても私たちにとってもMake Smileではないので、お客様と対話を重ねながらより良い使い方、提案を考えるようにしています。

逆にしっかりとしたヒアリングが出来ていると、「わかってくれている」「理解しようとしてくれている」というお客様側の安心感にも繋がります。そうすると悩みや課題を教えてもらいやすくなり、「こういうことが出来たらより便利になる」というアイデアをもらえるほか、その後の提案もしやすくなります。このような理由からお客様の利用状況や考えていることをヒアリングすることが重要だと考えています。

2.新店舗や別の施設での導入提案

Customer Successの業務内容はMAUに沿ったヒアリングだけではありません。利用状況の確認後は、新店舗や他の施設でも同様にご利用いただけないか改めて提案をします。具体的には本社の方や情報システム部の方に提案を行い、BONXを推奨品として取り扱ってもらえないかどうかの提案です。既にご利用いただいている店舗のご利用データをお見せし、BONX導入前後での変化を見ていきます。コミュニケーションツールとしてのご案内とアナリティクス機能を用いて自律駆動するチームを目指すための提案を行います。

具体的には、下記の流れで提案を行っています。

①ヒアリング内容をもとにした提案
お客様からヒアリングした内容をもとに提案を行います。例えばホテル業で清掃スタッフも利用したいニーズがあった場合は清掃スタッフも利用する場合の利用イメージや金額をお伝えします。

②アナリティクスデータをお見せする
ヒアリング時にお見せしたデータよりも詳細なアナリティクスレポートをお見せして、チーム全体の会話量の変化や利用状況の変化をお伝えします。ただインカムとして利用していただくだけではなく、チームの生産性を高めたり売上アップに繋げていただけるよう提案をします。

③他店での利用打診
また、現在利用いただいている施設の他に新店舗や別の施設でもBONXを利用いただけないか提案を行います。BONXを利用して起こった変化をお伺いし、他の施設でも同様に利用出来ないか確認をします。

④情報システム部門への紹介打診、提案
利用が出来そうであれば本社の方や情報システム部門の方をご紹介いただき、BONXの紹介、現在のご利用状況をレポートしながら新店舗や他の施設での導入を進めていきます。

お客様が想像し得なかった使い方が新たな価値を生む

このように新しい体験を提案することもCustomer Successの役目です。お客様ですら想像していない使い方が新たな価値を生む可能性がそこに秘められています。

ある介護事業所ではBONXを利用する以前、離れたところにいる人に要件を伝えるためにフロアを歩き回ることが日常茶飯事でした。やはり要件があるたびにフロアを歩き回ること自体、精神的/肉体的な負担が大きいと課題を感じていたようです。しかしBONXを利用することで遠隔でもコミュニケーションが取れ、フロアを歩き回る時間や手間を削減できました。

しかしBONXの導入によって得られたのはそれだけではありませんでした。実際には導入により介護事業所で働くスタッフの方の移動時間が削減されたおかげで、スタッフの方がケアに充てられる時間が増え、入居者の方々の満足度向上にも繋がっています。このようにこれまでの当たり前から脱却した新しい体験を提案し、新たな価値を生むことも、Customer Successの業務の一部となっています。

社内/外でコミュニケーションのハブとなるCustomer Successで私が意識している大切な2つのこと

Be oneに沿ったお客様対応

私がお客様と接する時に意識していることは、私もお客様の会社の一員と思ってもらえるように接することです。これはBONXのValueの一つである”Be one”に沿って実践しています。
Customer Successの仕事はお客様を成功に導くこと。お客様と同じ舟に乗り、同じ方向を向いて一緒に走る一員だと思ってもらうことでプロジェクトがより前に進むのではないかと思っています。

そしてお客様の会社の一員と思ってもらうために行っているのは、お客様が困っていることを理解する姿勢を持つことです。具体的には「これを進めるにあたってハードルになりそうなことは何か、どの部分をBONXにサポートしてほしいか」を聞くようにしています。

Be Oneに沿ったお客様対応に関して、とある建設現場での事例を一つご紹介します。その建設現場では当時BONXを利用出来ていない状況が続いていたため、お客様へのヒアリングを行いました。すると工事が進んだことによって「ネットワークが弱くなってしまい、BONXを利用できなくなってしまった」とご相談をいただきました。お客様としてはBONXを活用して現場のあり方を変えていきたいと前向きに進めていただいていたので、現場に置けるWiFiiを提供している協力会社様をこちらからご紹介。まだ完全に改善したわけではないですが、前よりはBONXを使える状況になっています。それに加えてお客様には改めて現場の方々にBONXの操作方法や日々のご利用の意識づけを行っていただいています。

このようにBe oneに沿ってお客様と向き合うことを非常に重要視しています。どうしてもお客様とベンダーという立場だとただモノを供給するだけの希薄な関係になりがちです。しかし困っていることを理解してお客様と役割分担をして進めていくことで、お客様と同じ方向を向いて一緒に走ることが出来るのではないかと思います。

Talk Easyに沿ったコミュニケーション

社内で意識していることは「分からないことを放置せず、すぐに聞くこと」です。これはBONXのValueの”Talk Easy”に沿っています。お客様の要望によっては新たな開発が必要なこともあり、時には開発サイドのエンジニアの力を借りることもあります。

開発についてはエンジニアの方がもちろん知識量や経験も多く、頼ってしまうことが多いので具体的には

  • お客様の要望をしっかりとエンジニアに伝えること

  • 情報共有はすぐに行うこと

の2点を心がけています。

Talk Easyに沿ったコミュニケーションの重要性について、本社が海外にある企業様でBONXをグローバルに利用したいとご要望をいただいた時の実例をご紹介します。当時BONXをグローバルで利用するためにはいくつかのセキュリティ強化が必要でした。第三者がログイン出来ないように、その企業様の要件に基づいてセキュリティ強化を行う必要がありました。

これらを踏まえてお客様からいただいた要望に即し、こうしたセキュリティ面での開発が可能かどうかエンジニアと確認しました。具体的には「要望を踏まえてBONXの現状や開発の必要性は明らかなのか」や「開発が必要であればいつまでに出来そうか」「先方の想定スケジュールと照らし合わせた時に現実的なスケジュールなのか」などを通じてお客様からいただいた要望が実現可能か精査していきました。

この時に「お客様の要望をしっかりと伝えること」「情報共有はすぐに行うこと」が重要だと感じました。前者は今後の開発ロードマップに必要な要素であると同時に、お客様の要望が本当に必要なものかどうか判断するためです。

また後者はお客様の社内でも日々検討が進んでおり、タイムリーに情報共有を行い足並みを揃えるために重要だと感じています。こうした経験を踏まえてTalk Easyに沿って社内では「分からないことを放置せず、すぐに聞くこと」を意識してCustomer Successの業務に臨んでいます。

お客様に寄り添い一緒に未来を作っていく過程でCustomer Successならではのやりがいを感じる

お客様に寄り添いながら一緒に未来を作っていく過程にやりがいを感じます。初期は1店舗だけの導入だったものが2店舗、3店舗と導入が進んでいき、次第に店舗間でのやり取りが可能になっていく。そしてこれまで出来なかったことがどんどん実現していく様子を目の前で見て非常にやりがいを感じています。

初めはホテルの1部門でのみご利用されていたところから、最終的に全部門への導入が進んだ例があります。これまでは全員がコミュニケーションツールを持っていたわけではなかったので、伝言ゲームのように人伝てに情報を伝えていました。そのためお客様をお待たせしてしまうこともあったようで、サービスの質の低下にも繋がっていました。

こうした背景からBONXを全部門でご利用いただくことになりました。全部門での導入後は、宿泊されるお客様情報や食べ物のアレルギーの情報などがリアルタイムで共有されることで、お客様への提供価値が高まったという声をいただいています。

事実、全部門でBONXをご利用いただくことで接客サービスの質も上げることができたのではないかと私は感じています。何よりお客様が目指すサービス提供の一部にBONXが使われていること自体、とても嬉しいですね。

時にはお客様から追加の機能要望をいただいたり、システムへの音声入力など既存システムとの連携をご要望いただくこともあります。開発サイドにもその要望を伝え、一緒に開発を進めていくこともしばしばです。私たちCustomer Successがそういった場面でお客様と開発サイドの掛け橋になっていると感じますし、プロダクトを良くするための活動にもなっていると感じます。そしてBONX自体がより良くなっていけば、BONXをご利用いただくこうしたお客様の体験もより良くなっていくと感じています。

このような活動を通してお客様の抱える課題を解決し、デスクレスワーカーの方々がより前向きに働けるようにサポートしていきたいです。成功事例は他のお客様にもお伝えしBONX活用の輪が広がっていくといいなと思っています。

これまでのコミュニケーションのあり方を刷新する音声DXの導入を進めたい

今後は音声DXの提案も進めていきたいと思っています。音声DXを活用すればただ離れたところにいる方とコミュニケーションが取れるだけではなく、BONXのアナリティクス機能を利用したり他サービスを連携させることで業務効率の向上ならびに売上アップに繋げたりと、出来ることがどんどん広がっていきます。お客様や社内のメンバーと一緒に、今無いものを作っていくことにとてもワクワクしています!

BONXはTeam Growth Platformとしてチームの成長を加速させることを目指しています。
BONXを利用するお客様のチームが今より良くなるのはもちろん、その先にいるお客様のお客様にも良い影響を与えられると良いなと思っています。


現在BONXでは今後の事業拡大を見据え、採用活動を行っております。
TGUに関する詳しい募集要項はこちらからどうぞ。


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