音声サービスを様々な観点から比較してみた。 - stand.fm/REC/Voicy/Radiotalk/Spoon
最近、音声サービスを利用してラジオ配信をしている人が急激に増えている印象を受けます。また、音声サービスも次々と出てきて音声コンテンツ市場が盛り上がっています。
そこで、4月から音声サービスに携わる身として、簡単に様々な観点から比較してみました。(ボリューミーなので興味ある部分だけご覧ください!)
⚠️ 注釈
※ 間違えている部分があればご指摘お願いいたしますm(_ _)m
※ 数回収録したのみで、継続的に配信はできていないため、配信し続ける上でのモチベーションコントロールのような文脈は抜けております🙇♂️
※ Spoonは系統が異なるため、考察を省いている部分があります。
音声コンテンツ市場について
ポッドキャストとはそもそも何かということに言及していたりと、このnoteがとっても分かりやすくて面白かったので、是非読んでみてください〜
音声サービスのポジショニング比較
stand.fm、REC、Voicy、Radiotalk、Spoonの5つの音声サービスを比較していきたいと思います。
各アプリを複数の軸から比較し、GoogleSlideで作成した表です。ちょっと見にくいと思うので、下記URLからもご覧ください〜
まず、5つのサービスを配信コンテンツと配信者という切り口からマッピングしてみました。
(一人で作ったマッピングを、広野萌さんと中川亮さんのFBを元に改善したマッピングになります🥺)
▼以下、広野さんからいただいた意見を抜粋
"「ストック型 / ライブ型」の観点が現代の音声メディアを語る上で重要なポイントだと思っている。
「旧メディアをネット化した体験」と「スマホ最適なメディア体験」は全く違うものであるというのが僕の持論で、たとえば テレビ(ライブ)→ TVer / Paravi(ストック)の「旧メディアをネット化した体験」は、YouTube(ストック)→YouTube Live(ライブ)の「スマホ最適なメディア体験」に敗北してユーザーを取られてる。
つまり、ストックとライブの関係が逆転している。
スマホでいつでもコンテンツが楽しめる時代にライブ中心のメディアは脇役になっちゃうんだよね。
メインのインスタ/ストーリーズ投稿(ストック)があって次にインスタライブ(ライブ)があるように、ストックが中心であるべき。
音声はどうかというと、旧メディアのラジオ(ライブ)→ radikoタイムシフト視聴(ストック)の「旧メディアをネット化した体験」を、きっと動画と同じように(ストック)→(ライブ)の「スマホ最適なメディア体験」が打ち負かして、ユーザー層をひっとるんだと思う。
そうなってくると、音声メディアにおけるストックとライブのバランスというのはその観点で非常に精緻にサービス設計しなければいけなくて、たとえばSpoonはライブ中心だし、Voicyはライブ機能がないけど、stand.fmはどちらの機能もあるしどちらかというとストック型の方に軸を置いている。
僕はそれがいま流行っている要因のひとつであるとも思う(実際タイミング的にもライブ機能だしてからかなり流行りだしたし)ので、その切り口から音声アプリを語るのはこれからの勝敗を決する要因に十分なりうるということでアリだと思う。"
つまり、ストック型(ラジオ収録)を軸にしつつも、フロー型(LIVE配信)も備わっている、かつバランスを考慮したサービス設計が重要とのことです・・・!(ということで、そのような切り口でマッピングを作りました)
音声サービスの大まかな特徴比較 ①stand.fm
簡単な操作で誰でも配信できる音声プラットフォームアプリ
◼︎キーワード
『簡単』『誰でも配信可能』
◼︎ 簡単な特徴
・起業家、スタートアップ界隈、インフルエンサーなども配信している
・LIVE配信、ラジオ収録どちらも可能
・実名登録が多い
・登録なしで簡単に利用できる
・操作が直感的でUIも分かりやすい
・アナリティクス機能(アカウント主のみが閲覧可能)
◼︎グロース施策例
Twitterを活用した施策が目立つ(SNSでの拡散が上手)
①サービス名『stand.fm』がWEBサイトへのURLに
twitterでサービス名を呟くと、それがWEBサイトへのURLになっており、アプリダウンロードへの導線になっている。
②レター機能
視聴者から質問やお便りを募集できて、それに音声で答えることができる。
そして、質問箱のようにtwitterのタイムラインで流すことができる。
ecboのkenさんが「今始めるべき理由」や「ここ最近の急激な広がりについて」話しているので視聴してみてください〜!
音声サービスの大まかな特徴比較 ②REC
ながら時間を、楽しい時間に。みんなのラジオアプリ
◼︎ キーワード
『ながら配信』『ながら時間』『みんなの』『ソーシャル』
◼︎ 簡単な特徴
・UUUM所属クリエイター、アーティスト、youtuberも配信している
・#質問返し #歌ってみた や雑談などエンタメ寄りの配信コンテンツ
・効果音が豊富で、youtuberの動画ような効果音を付けられる
・予約投稿やMP3のアップロードが可能
・質問を募集でき、届いた質問を見ながら収録できる
・アップロードまでに時間がかかる
音声サービスの大まかな特徴比較 ③Radiotalk
1タップで簡単!誰でもできる音声配信アプリ
◼︎ キーワード
『誰でも』『今すぐ』『簡単』『匿名性』
◼︎ 簡単な特徴
・世界観が統一されていてワクワクさや親しみやすさを演出している
- 公式キャラクター「Radiotalkの子ども」
- いいね機能として「ネギ」などを投げることもできる
- 独自のワード「トーカー(配信者)」や「さしいれ(投げ銭)」など
- 特徴的なロード画面
・機能や見えるオブジェクトが絞られている
- フォロワー数、フォロワー、コメント欄、コメント数、再生回数、ランキングなどを表示しない
・ユーザー同士、運営-ユーザー間の密なコミュニケーションを大事にしている(熱狂コミュニティ)
- twitter運用に力を入れている
- トークバーというユーザーとのオフラインイベントなどの実施
・収録した音声から12秒のテロップ動画を作れる
音声サービスの大まかな特徴比較 ④Voicy
声にのせて人と思いを届けるボイスメディア
◼︎ キーワード
『ボイスメディア』『ながら時間』『声』
◼︎ 簡単な特徴
・その道のプロなど厳選されたパーソナリティしか配信できない
・横スワイプ型、タブなしという、他の音声サービスの中では型破りなUI
・唯一、再生総時間を公開している
・音声の詳細設定ができる
- 出力方法の設定
- 声、BGM、操作音など単体で音量調整可能
・音声コンテンツよりも、配信者ファーストなUI
- 各ラジオにはサムネイルがない
- 配信者のサムネイルが全画面表示されている
わりえもんさんが携わっていたロゴ刷新の裏側の記事が素敵なのです〜!
音声サービスの大まかな特徴比較 ⑤Spoon
声で楽しむ新感覚ラジオアプリ
◼︎キーワード
『声だけ』『新世代』『新感覚』
◼︎簡単な特徴
・韓国発ソーシャルラジオ
・匿名配信者が多い(アニメアイコンが多い)
・寝落ちタイマー機能
・ランキング表示が豊富
・3種類の遊び方がある
- 生配信の「LIVE」
- 収録された音声が聞ける「CAST」
- 聞きたいセリフをリクエストできる「 TALK」
・声にフォーカスを当てたサービス
- DJ(配信者)の声質で検索できる
- ボイスプロフィールの登録
- 聴きたいセリフをいろんな配信者の声で聴ける(演技をしている?)
・初めて使うユーザーに優しくない
- オンボーディングが少ない
- アプリ特有のワードが多く理解できない
- DJ(配信者)、スプナー(視聴者)、TALK/CAST
◼︎ AppStoreの評価が悪い理由(抜粋)
治安悪め、内輪ネタ、出会い系、マナーが悪い、監視体制が緩いなど
音声サービスの基本情報比較 -ステートメント / リリース日 / UXライティング / 配信者の層 / 配信コンテンツ
① ステートメント
ステートメントを一部抜粋するとこんな感じです。
音声サービスの中でも『ラジオ』なのか、『メディア』なのか、『プラットフォーム』なのか、表現が異なっていて面白いです。
② 公式リリース日
いつ公式アプリをリリースしたかという年表です。stand.fmは正式なリリース日が不明でした。違うところがあれば教えてください・・・!
(三上くん情報によると、stand.fmはリリース日が2年以上前とのことですが真相はいかに・・・!)
③ UXライティング
音声コンテンツ、配信者や視聴者などのワードを、各アプリがどのような言葉で表現しているのかを比較したものです。
RadiotalkとSpoonは独自のワーディングによって、一貫したアプリの世界観を表現しているなぁと感じます。ユーザーとしても、こういう呼称があると、サービスに対する親しみが湧きやすいですよね。
また、Spoonは#スプナーというハッシュタグでtwitterに投稿しているユーザーが多く、内輪の盛り上がりを創出しています。
④配信者の層、配信コンテンツ
配信者の層と著名な配信者例、配信コンテンツを比較した表です。
著名な配信者例として抜粋した方々は私の独断なのでご了承ください・・・
※ 配信コンテンツは配信者によって異なるため一概には言えないので、大まかに、配信しているジャンルが多い順に並べました。
ウォークスルー / アカウント登録の比較
①ウォークスルーの時点で、アカウント登録が必須かどうか
② ウォークスルーで、チャンネルのフォローなどのアクションを促しているかどうか
③アカウント登録しない状態で何ができるか
この3点が離脱率や継続してアプリを使ってもらえるかどうかに影響しそうだなぁと感じました。
stand.fm、Radiotalk、Voicyは、アカウント登録せずに利用でき、またウォークスルーで②のアクションを促している点で、似ている部分がありました。
ただ、stand.fmとRadiotalkはアカウント登録せずに様々な機能が利用できるのに対して、Voicyはアカウント登録しない状態では視聴しかできず、フォローなどのアクションができないという違いがあります。
また、Voicyはウォークスルー全体がモーダルになっていていつでも離脱できるのが良いですね〜!
また、ウォークスルーの時点でアカウント登録が必須ではないstand.fm、REC、Radiotalkが、いつ、どのような情報の入力を促しているのかを比較すると、
stand.fm
収録後などにチャンネル名設定への導線ダイアログ表示
REC
配信やいいね、コメント時にアカウント登録促される
Radiotalk
収録前に番組名設定への導線ダイアログ表示
Voicy
フォロー時に促される
そして、その際に表示される画面が以下になります。
音声サービスのタブ / 再生中のUI比較
◼︎タブで異なる点
① Voicyのみタブがない
② 『みつける(検索)』と『お知らせ』の情報が、1つのタブとして存在するのか、どこかのタブの中に一つ下の階層として存在するのか
◼︎再生中のUIで異なる点
・背景色
・サムネイルがあるか
・再生中のコンテンツエリアを削除できるかどうか(一時停止ではなく)
・スキップボタンがあるかどうか
(個人的にはRECが好きです!)
見えているオブジェクトと機能の比較
いいね機能、コメント機能、再生数、総再生時間、フォロー機能、お気に入り/ブックマーク機能、フォロワー数の閲覧などを比較してみました。
フォロー機能:配信者(チャンネル全体)のフォロー
お気に入り/クリップ:番組単位で登録
私のとてつもなく個人的な所感を述べると、
REC
機能を盛り込んだ感
(フォロー機能と、お気に入り/ブックマーク機能がどちらもある唯一のアプリ)
Radiotalk
競争を促したり、他のユーザーと比較して落胆してしまうような機能は省いたりと、一人一人が自分のペースで伸び伸びと配信できるような場を提供している?(逆に、配信者側はモチベーション維持が大変そう)
Voicy
いいね機能がない代わりに、再生数や総再生時間、ランキングなどを表示することで、数字や他のユーザーを意識して配信してもらうことを意図している?
(厳選された著名なパーソナリティしか配信できない、かつ比較的配信に対して意欲的なユーザーなので、改善を繰り返して、ガツガツと配信してほしい?)
stand.fm
再生数やフォロワー数の閲覧は、アナリティクスとしてアカウント主しか見えないことから、立ち位置的にはRadiotalkとVoicyの中間なのでしょうか?自分のペースで配信してほしいものの、ある程度数値感は意識して改善できたり、モチーベーションに繋がるような仕組みになっている?
ホーム画面 / 配信画面 / プロフィール画面の比較
◼︎ ホーム画面、コンテンツ一覧画面
stand.fm
画面上部に配信の手順や機能の説明カードが複数あ理、ファーストビューの大部分を占めている
Voicy
他のサービスとは型破りなUI
横にスワイプする形で音声コンテンツを閲覧する
Radiotalk/REC
大まかなレイアウトは似ている
Spoon
生配信の「LIVE」
収録された音声が聞ける「CAST」
聞きたりセリフをリクエストできる「 TALK」
でタブバーが分かれている
◼︎配信画面比較
- 配信画面がモーダル(他のコンテンツへの行き来が容易)
REC、Radiotalk
- 配信画面がモーダレス(一つのコンテンツをじっくり視聴できる)
Voicy、Spoon
- 配信画面がモーダルとモーダレスの組み合わせ
stand.fm
配信画面全体はモーダレスで、サムネイルが背景として表示され、その他の要素はモーダルで表示される
音声の編集機能の比較
※ Voicyは厳選されたパーソナリティしか配信できず、収録ができないので、stand.fm、REC、Radiotalkの3つで比較。
stand.fm
・エンタメよりも、ビジネス寄りのコンテンツが多いので効果音は必要なさそう?
・収録中はどのアイコンも押せないので、収録画面を開いたまま届いたレターを見て質問などに応えることができない
(RECとRadiotalkは、収録中に収録画面内にあるアイコンをタップすると、容易に届いた質問を見ながら収録ができる)
REC
・効果音が豊富で、youtuberの動画のような効果音を沢山付けれる
・カット機能に難あり
Radiotalk
・収録した音声の編集機能が一番充実している
(エフェクト、音量調整、スピード調整など)
・BGMはあった方が良いのではないか?(ユーザーは別でBGMを用意している印象)
・上書きや挿入はできない
収録する際に何を話そうか迷ってしまう配信者にとっては、このように『テーマ』や『お題』が与えられるのは話しやすくなりそうです。
また、届いた質問を見ながらそれに答える形で収録できるのも、質問箱の音声版って感じでいいですね〜!
音声のカット機能に関しては、stand.fmが操作に迷うことなくスムーズにできましたが、Radiotalkはカットのフローが長い&途中で操作に迷ってしまいました。
投げ銭機能 / LIVE配信機能の比較
◼︎LIVE配信のある音声サービス
stand.fm、Spoon
◼︎投げ銭機能
- LIVE配信に対して投げ銭
stand.fm
- 収録済みのラジオに対しての投げ銭
Radiotalk
- LIVE配信、 収録済みのラジオ双方への投げ銭
Spoon
SpoonのLIVE配信に、本名で登録したアカウントで軽い気持ちで覗いてみると、
「東莉緒さん〜こんばんわ〜」
とイケボボイス口調で急に言われてびっくりしました(笑)
まとめ
音声サービスのユーザーの声を見てみると、「次に再生されるラジオがランダムに選ばれるのが嫌だ」などが挙がっていました。
確かに音声サービスって、私の場合だったら、化粧しながらバックグラウンド再生でスマホを放置して再生するのですが、"自分の求めている内容の音声コンテンツが自然に次々と再生される仕組み"が今後大事になってくるのかなと思いました。
実際に、Radiotalkは次回に再生されるのが同じ配信者の新しい音声コンテンツであるのに対して、他の音声サービスは今再生中のラジオの配信者から他の配信者へとまたいで割とランダムに再生されてしまいます。
例えば、stand.fmはフォロー機能があり、フォローしている配信者の音声コンテンツ一覧を視聴しようとすると、一度視聴した音声が再度流れてしまったりと、自分で選択しないと良い具合に視聴できません。
上記のURLに、掲載していた表のまとめがあるのでそこから全体像をご覧ください〜!(違くない?ってところはコメントなども受け付けております)
音声サービスに精通している方がもしこのnoteを読んでくださっていたら、突っ込みたくなる部分や、そこ違くない?みたいな箇所が沢山あると思うので、twitterのDMまでぜひご意見お願いします・・・🙇♂️
指摘したいただいた内容を元に、随時アップデートしていければと思います。
長々とご覧いただきありがとうございました。
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