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空腹の百年間

「オォ!ソナタハ、ワレノトモダチダ!」
「・・・・どうしてこうなった。」
ここまでの形跡を話そう。


ギルドに戻ってきたら、アイテムを全部、金にした。そして、もう一つ依頼をされた。百年間眠っていたドラゴンと戦って欲しい、と。そのドラゴンは、ダンジョンではなく、空に封印されていたらしい。そのドラゴンと戦うため、デュランダルをもっていった。          

百年前。魔竜ネドラ=アガエは、ヒマでヒマで仕方がなかった。彼の元に来る者は、Sランク冒険者達。なのに、誰も勝ったことがない。それは彼のチート能力にあった。時空間操作。時を操り、空間を支配する。そして、彼はその能力のことを深く理解していた。どんなチート能力の持ち主であれど、使い方を理解していなければ、全くもって使えない。例えば「氷結」は本来、全てを凍らせる能力だ。もちろん、時も空間も。なのに、人類は「氷結」のことを、地面を凍らせるだけの能力だと思い込んでいる。本当に、馬鹿馬鹿しかった。だから、ネドラは、人類に宣告をした。
「我の元に来る者は、竜を瞬殺ーーー1撃で殺れる者だけだ。もしこの誓いを破ったときはーーー全力で殺しにいく。」
「竜」を瞬殺できるものなど、いなかった。だが、「封印師」がいた。「封印師」は、「封印」を得意とする。「封印師」は、数人がかりでネドラを封印した。ネドラの辛い過去を知らずに。



「飛行、飛行。多重強化。」
「飛行」で、空に飛んだ。ドロップ品狙いで行こう。弾丸のような速さで飛び、ドラゴンのところへ、向かう。なので、十分ほどで着いた。相手がドラゴンだからだろうか。何も使わず、空を飛んでいる。翼も使わず、滑空しているように見えた。コイツは、強い。下手したら、アンライよりも強いかもしれない。ビナガさんに聞いたことでは、コイツは「時空間操作」という能力を持っているらしい。時間と空間を操作するらしい。それに対抗するため、俺も「時間操作」と「空間操作」を獲得し、強制融合して「時空間操作」にして、今度は、任意融合した。「銀河剣士」と融合させたのだ。結果は「銀河刻」というものになった。簡単に言えば、銀河剣士と、時空間操作の合体したようなスキルだった。これで優位に戦えると思う。最初から、本気だそう。不滅太陽。虹色の炎が、あいつの体に、巻きつく。が、あいつが時間を操作して、「1分前の自分」を呼び出した。「1分前の自分」にとって「1分後の自分」は燃え尽きたが、「1分前の自分」は燃えなかった。ややこしすぎだろ。時間操作が、こんなにすごかったとは。俺もやってみようと思ったが、できなかった。
「ソノトオリ!コレハワザヲキワメタモノシカタドリツケヌオウギ!」
じゃあコイツ、技を極めてるのか。この奥義、厨二心をくすぐっていい技なのに。
「銀河刻:天ノ河」
「ム!キイタコトノナイワザダナ!ウケトメテヤロウ!」
馬鹿だな。これは「捕らえる」専門の魔法なんだ。まともに受けたら、2度と出られなくなるぞ。
「グゥ?!ナンダコレハ!」
案の定、網に引っかかって、出られなくなったらしい。飛んで火に入る夏の虫、とはまさにこのことこだな。
「グ!ジカンケイカ!タイショウ:コノアミ!」
だが、2度と出られなくなるはずのものを、劣化させて無理矢理出るドラゴン。バケモノかよ。なら、これを使うしかないな。
「召喚:魔王」
魔王が、俺の影から出てきた。槍を持った状態で。そして、槍でドラゴンの眼を貫いた。                                           はずだった。なのに、再生されている。これには、さすがの魔王も驚いたようで、「え?」と言った表情で、固まっていた。
「ヌハハ!コレハジカンソウサノオウギ、ジカンサイセイダ!」
まったく。なんだよ、チートじゃん。一撃で殺るしかないな。                                                                                                                                                                  
「炎球、水球。」                  
手のひらにふたつの魔法を生み出し、合成させる。合成させた瞬間、発射した。今のは新たに開発した魔法「水蒸気爆発」だ。炎と水をものすごい速度で合わせることにより、水蒸気が爆発する。前世では、とても危険とされていた。その爆発が、ドラゴンに向かって発射される。ドラゴンに、水蒸気爆発が命中した。                                                                                                      

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