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これからも大切にしたいiCAREのカスタマーサクセスで学んだこと #退職エントリ

退職エントリなるものを書く機会なんてそうそうあるものじゃないから、どうせなら書いてみようと思った退職日のりんたろうです。この度、3年10ヶ月お世話になりましたiCAREを退職します。

ベンチャー企業における3年10ヶ月は山あり谷あり、晴れの日も雨の日も、槍のような日もあったな、と振り返っています。

なんでiCAREに入社したんだっけ?

詳細は割愛しますが、キャリアとしては人材系の法人営業→就活イベント会社のメールマーケを経験してきました。特に就活イベント会社時代はベンチャー×人材業界という、ハードな世界に身を置いており、同僚の休職からの離職を多くみてきました。

そんな時に紹介されたのがiCAREです。「働くひとの健康を世界中に創る」という理念への共感で入社を決めました。また当時、カスタマーサクセスが向いているという自己認知の上で、未経験でもカスタマーサクセスとして受け入れてもらえたことも後押ししました。

iCAREに入って学べたこと

2019年から2023年までのiCAREのカスタマーサクセスは、様々なフェーズを一瞬で駆け抜けた期間でした。そのためカスタマーサクセスの仕事ってこれもあるよね、と想像されるものは大体経験してきたな、と思います。

ハイタッチによる専属担当での大企業向け導入支援、テックタッチ・ロータッチ施策のゼロイチ推進、契約者様向けサービスマニュアル・ホワイトペーパー作成、FAQサイトのリニューアル、ユーザー会の運営...etc。プラン改定の営業的なことから、マネジメント業務まで本当に幅が広かったな、と感じています。

この先の人生に必要な経験をさせていただき、ありがとうございました。

その中でもやってよかったこと、改善した方がよかったなと思うこと、これからもカスタマーサクセスを続ける上で必要なこと備忘録的にまとめたいなと思います。

・電話対応業務は一定発生する

テックタッチ施策を推進して行っても、電話応対ができる選択肢は残しておいた方が良いのかもと思うようになりました。

テックタッチ・ロータッチ施策の一環で電話対応を一切行わない時期がありました。電話でオフィスに連絡があっても、メールで電話ができない旨をお伝えし、要件をメールでください、という対応を行うといったものです。
電話という突然の業務がなくなることにより、計画・予定外の対応が発生せず、突発的な対応が減るというメリットを当時は期待していました。

もちろんある程度のメリットはあったのですが、電話でのお問い合わせがなくなることはありませんでした。
それには様々な理由が考えられますが、①緊急度の高いお問い合わせの時に即座の解決を求めること、②些細なこと(とお客様が考えること)はメールが手間なので、電話でサクッと解決を求めること、③ITツールに馴染みがないご担当者様は、メールで十分に伝え切ることができないことあたりに集約されるのかな、と感じました。

特に③のITツールに馴染みがないご担当者様とはメールのやりとりが不要に長期化し、お客様も自分達も疲弊する、という状態が発生してしまいました。
そのため、基本は電話での対応は行わず、メールでやりとりをしていたのですが、メールの内容から質問数が多い、内容が複雑なものは、WEB打ち合わせを提案して、1時間で解決をすることにしました。

しかしながらWEB打ち合わせでも、①緊急性が高い場合にはトラブルとなることもあり、電話対応業務は一定カスタマーサクセスにおいて発生するんだな、ということを学びました。

この辺りは電話を発生させない、シンプルでわかりやすいマニュアルやプロダクト作りにより、極限まで減らすこともできそうだなとは思っています。

・サポートコンテンツは充実させる

サクセスとサポートは違う、能動的と受動的支援の違いだ!...のように提言されるカスタマーサクセスですが、サポートはサクセスの1要素だなと感じました。

操作方法についての回答はサポート的な対応かと思いますが、その回答スピードが早いだけでも、いやそもそも回答を調べて解決できるだけでもお客様のサービスへのロイヤリティは向上することを感じました。

サポート体制が不十分だったころ、軽微なお問い合わせすら対応する時間が作れず、回答が翌日以降になることもありました。それは不要なお客様の不信を招き、今思えば解約理由はそれだったかも、と思うことに繋がっていたかもしれません。

あるタイミングからは回答は原則3時間以内、できない場合は、時間がかかる旨を一次回答というルールの元で回答行うようになっておりましたが、実験的に1時間以内で回答をした場合どんな反応があるのだろうと思い、一部のハイタッチ担当をしていた企業様には1時間以内の回答を行いました。
結果、そのお客様のメールの文章に「いつも迅速に回答をいただきありがとうございます!」といった好意的な文章が含まれるようになったこと、またトラブルが発生した時にもお客様の温度感が高まりすぎなかったこと、どちらも主観的結果ですが、メリットがあったように感じました。

もしかしたらサポートはサクセスをするための準備運動のようなものかもしれません。
お客様に安心してもらい、サービスへの印象をよく持ってもらうことへのメリットを感じた体験でした。
この1時間ルールは今後も対応できる幅を広げ、実践していけたらな、と思います。

営業からの受注理由で嬉しかったことの中に、マニュアルがサイト内に充実しており、比較検討の際に、他社よりも詳しくあったので、安心できる点で選びました、と評価いただいたこともあり、サポートを充実させることが受注理由になる、という貴重な経験も思わずできました。
逆に多すぎで何を見たらわからなかった、という声もいただいたことがあったので、量のバランスは重要だなと思いました。 

・ハイタッチ支援はあくまでカスタマーサクセスの要素の1つ

カスタマーサクセスとして働く上で、お客様から感謝をされ、やりがいを感じる要素としてハイタッチでの支援があると思います。ハイタッチでの支援は頑張りがダイレクトに評価され、報われるような感覚で、カスタマーサクセスをやるならハイタッチがいい、だなんて言い切る人に出会ったこともあります。自分も一時期ハイタッチ支援が最上、と思っていた時期もあります。

しかしながら、今時点は最上とは思っていません。もしかしたらまた考えが移り変わるかもしれませんが、ハイタッチの支援はあくまでカスタマーサクセスの1要素であり、最短でサクセスをするための一つの手法、と考えるようになりました。

ハイタッチのメリットは数多いと思います。ロイヤリティと活用状況を急速に推進することができる、お客様視点で担当者がいることへの安心感、もしかしたらハイタッチ支援を行うサービスが多いことから、SaaSは導入したら担当がついてもらえるんだ、という期待に応えること...一方で担当者毎の経験値の違いによる対応品質のバラつきや、増え続けるお客様に対して、一人当たりの対応工数の増加などといった問題も数多いと思います。
(ハイタッチで均一な対応品質をキープできている会社の教育体制は素晴らしいものなんだろうなと感じました。)

この辺りのことから、ハイタッチ支援はあくまでお客様が自走するための一手段であり、お客様体験の中のどこで利用したら効果的か?という、お客様へのメリット、カスタマーサクセスの設計の視点が、ハイタッチ支援を行う上で忘れてはいけないなと感じることが増えました。 

・何でもかんでもお客様のためにと思って代わりにやってはいけない

初期設定を行う上で、データの取り込みが発生するシーンもいくつかありました。初期のこの1回だけだしな、という気持ちで受け入れてきたこともありましたが、そういった代行することは極力なしにした方が良いと学びました。
頼りにしてもらうことは嬉しいのですが、何でもかんでもやってもらおうというマインドになってしまっては、いつまでも自走しませんでした。

きっと子育てに近いんだろうなと思っています。箸を使えるようになることとか、自転車に乗れるようになることとか。食べさせてあげることはできる。自転車を補助してあげることはできる。それでも、自分でできるようにいつかはしなければいけない。でないと困るのはお客様自身だ、というこということを忘れずにいたいと思います。

成長ベンチャーで働くことで学べたこと

社員数が40名くらいの時に入社したiCAREも150名ほどの組織になりました。さらに提供サービス内容が変わることも経験しました。組織が急拡大するスピードの中で次々起きる提案・トラブルで意思決定力が身についたと感じています。

一緒に働いている人の影響が大きくて、相手の意見を聞く時には、自分の意見を持つこと、プランA通りに進むことは滅多になくて、プランB以上を常に用意すること、トラブルの時には即座の対応が必要なこと、ありとあらゆる場面で意思決定力が鍛えられたと思います。

メンバーとしてではなく、マネージャーとして、厳しい判断をしなければいけない時の責任の重さも振り返れば良い刺激でした。当時の部長にはマネージャーにしていただいたことに、感謝しかありません。人を育てること、組織を作ることの難しさが一番難しかったかもしれません。

これらは人によってはキツイ環境かもしれませんが、自分は経験できてよかったなと思います。

で、なんでそんな学びが多いiCAREを辞めるの?

iCAREは本当に学びになる場所でした。カスタマーサクセス未経験者がこんなにカスタマーサクセスについての意見を述べられるくらいに学びある環境です。
急拡大する組織のスピードの中では多分他の会社では数年かかることも数ヶ月で経験したような気がします。ただ、そのあまりにも早すぎるスピード感が少し自分に合わないかも...と疑問に思ってしまったことは事実です。
仕事以外にも時間を使いたくなってしまったワガママかもしれません。

そして自分が挑戦してみたいカスタマーサクセスの形がiCAREではないかもしれない…と思ってしまいました。自分は人の感情の動きを想像し、体験設計をしていくことが好きだということ。そのために何か1つ強みは持ちつつも、一芸特化ではなく、複数のことを組み合わせた仕組みを考える方があっているということを認知し、iCAREでその実現可能性を考えた結果です。

そんなわけで、音楽性の違いで解散したバンドのような、お互いの幸せのために別れましょうみたいな退職で、iCAREが大っ嫌いになったわけではないです。(喧嘩もしてないですよ)人が健康で働くことというものへの課題を解決する社会的な意義や、中で働く人の良さはこれまで勤めてきた会社の中ではダントツです。

自分はSaaS界隈にはいつつも、iCAREを離れるわけですが、iCAREでCSポジションで募集が開始されておりますので、iCAREに興味あるよ!って方はぜひエントリーください!
詳しくCSの話を聞きたい〜って方はiCAREのCSについても話できます!


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