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もしも前任者がいなくても引き継ぎを乗り越える3つのステップ

Twitterで話題のSaasで働く千尋さんをご存知でしょうか。
あるある!と共感してしまうセリフをジブリの画像と共に投稿し、タイムラインにほっこりを届けてくれる素敵なアカウントです。

先日のツイートでこれまでにない共感をしたツイートがこちら。

引き継ぎする側のタイミングや丁寧さで、このツイートみたいなことが発生するかどうか変わってくるよな、と思ったんです。

例えば、ハイタッチのカスタマーサクセスであるお客様を専属で長く担当していた方が辞められる時に、前任者も忘れていたようなお客様とのルールや約束が次々発覚して後任の方が大変…なんてことはありませんでしたか?
自分は心当たりしかありません。
後任としてご挨拶したら、「今月中に依頼してる〇〇が完了とお聞きしてますが、どうですか?」と。
そんなこと聞いてないし…とも言えず、「確認しますね〜」と、その場をやり過ごして、裏で間に合わせたことも何度あったことだろうか。

この半年間、たまたま社内の体制変更も重なり、別の方がハイタッチで専属的に支援しているお客様を引き継ぐことが多かったので、体当たりで見つけた「前任者の引き継ぎが仮に不十分でも、なんとかするご挨拶お打ち合わせの型」をここに残したいと思います。
突然の体制変更や前任者の退職で大変なカスタマーサクセスの誰かの力になれたら幸いです。

お打ち合わせは「過去・現在・未来」で構築する

お客様と打ち合わせすることが前提にはなりますが、お打ち合わせの際に意識した話の構成は「過去・現在・未来」です。

過去
ご契約時から今日まで発生したことをざっくり時系列でまとめる

現在
利用中の機能や契約内容を一覧化する

未来
今後の展望を確認する

この3ステップで確認することで、把握してない情報の収集と今後の目標(サクセス状態)を確認することができました。

過去の整理

過去の整理

前任者との記録が残っていない場合でも、メールのやり取りやサービス利用ログからある程度、目につくアクションは拾えると思います。
拾ったアクションを時系列に並べ、ここまでの経緯で把握してないことがないか確認をします。

自分はこの確認により、導入当初に前任者がお客様から改善要望としていただいていたお話が社内で共有されていないことを把握でき、対応を進めることができました。
このように、お客様は覚えているけれど、当社側が覚えてないことを引き継ぎというタイミングで明らかにすることで、お客様が表に出さない不満 = 解約リスクを発見することができます。

また、お客様と同じ目線で会話することができるようになるため、お客様理解の促進にも繋がりました。

現在の整理

現在の整理

サービスの利用状況を確認すれば、どんな使い方をしているか、ある程度判断することができます。
もし、仮に利用していない機能があったり、利用が減った機能があったりすれば、それは解約リスクかもしれません。
なぜ利用できていないのかを改めて確認させてくださいのスタンスで聞くことで、お客様は教えてくれました。

実は他社サービスへのリプレイスを検討しているという解約リスクの発見につながるだけではなく、導入当時はできなかったが、アップデートによりできるようになった機能があれば、活用促進、アップセル・クロスセルにつながるケースもありました。
また実はお客様が抱えていた使いづらさを把握・改善することで、サービス品質の向上にもつながる可能性もあります。

未来の整理

未来の整理

今後サービスをどのような使い方をしていきたいのかのヒアリングの機会です。
他部署に展開をしていきたいという利用範囲の拡大かもしれないですし、使っていない機能の利用促進かもしれません。または業務オペレーション上の相談から、オペレーション改善の希望かもしれません。

お客様によりけりだと思いますが、お客様のサクセスは何か?を改めて確認できる貴重な場とできればよいかな、と思っています。
自分はここで山田ひさのりさんのライトサクセス、ディープサクセスの考え方で、現場担当者にとってのサクセスと、決裁者にとってのサクセスに分けて把握をするように心がけています。

現場担当者の方がどんなに満足していても、決裁者の方が満足していなければ、何かをきっかけに解約を申し出られることもあるかもしれません。

逆に決裁者の方が満足していても、現場担当者が満足していなければ、サービスを使ってくれず、何かをきっかけに使わないサービスなので解約を、と申し出られるかもしれません。

カスタマーサクセスは現場業務の効率化やサービスの使い方支援といった、目の前のお客様と付き合うことに目が行きがちですが、その奥にある組織が見えてくるとより深いお客様に寄り添った支援ができると考えています。

少し話がそれてしまいましたが、「前任者からの引き継ぎが不十分というピンチは、チャンスに変えることができた」という体験をフレームワークとしてまとめられたので、前任者の引き継ぎ不足で嘆いてるカスタマーサクセスの誰かの参考になったらいいなと思います。

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