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【ショートエッセイ】命懸けのチャレンジャー

チャレンジという言葉があるが、その定義をどう理解すればいいか難しい。
チャレンジャーとは、新しいこと、過去に誰も成し遂げていないことに挑戦する人に送られる言葉だ。

例えば日本のプロ野球選手がメジャーリーグへ移籍するとか、企業家が全く新しい事業を起こすとか、アメリカのNASAが初めてスペースシャトルを打ち上げた時もそうだ。
確かそのうちの一機の名前がチャレンジャーだった。
どれもこれもとてつもないエネルギーが必要だ。

これらは、大きな、大きなチャレンジだ。
でも身近には小さなチャレンジが溢れている。
転職して経験したことのない仕事に就く、スポーツや趣味を始めてみる、ペットを飼ってみる、運転免許を取得する、数えればきりがない。

毎日の同じことの繰り返しから脱却しようとした段階で、その人はチャレンジャーに変貌する。
それには勇気と忍耐と綿密な計画が必要だ。
これだって相当なエネルギーを消費する。
歴としたチャレンジだ。

大きなチャレンジは多くの人に賞賛される。
小さいチャレンジは誰の目にも止まらない。
どちらもチャレンジには変わらない。

いや、違う、言いたいことはそうじゃない。
小さいチャレンジの積み重ねが大きなチャレンジを生むんだ。

メジャーリーグで最初に活躍した選手として、野茂英雄氏が知られている。
しかしそれまでにプロ選手の投手たちは、海外で通用するピッチングを血の滲む思いで磨いた。
しかもアメリカに渡ったのは、野茂氏が最初ではない。

ユニクロやソフトバンクにしても、降って湧いたように出来た訳はない。
いくつもの失敗の繰り返しの上に成り立っているはずだ。

スペースシャトルの打ち上げには、何十年もの実験と研究とトライがあったに違いない。

だれかが人生を捧げる覚悟で、命を賭ける覚悟で始めた小さなチャレンジが、多くの賛同者を呼ぶ。
失敗しても、出口が見えないような困難があっても、チャレンジを繰り返す。
それがやがて大きなチャレンジへとつながっていく。

ぼくたちの何かの小さなチャレンジだって、数年後にはどうなっているかわからない。
だから人は挑戦することをやめない。



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