雨男

「こんなにも雨を愛おしく感じる日が来るなんて、思ってもみなかった。」

これはここ最近君といて驚いたこと。

私は晴れ女なんだけど、ちょうど帰る時にだけ雨が止んでる事なんてしゅっちゅうだった、ただの偶然が重なったラッキーガールかもしれないのだけれど、大事なのは気持ちだから、そんなのどうだっていいよね♬

いつも君と会う時の天気で、どっちが勝ちかみたいな戯れ合いをしていて、雨にすっかり君という印象が追加されてしまったの 雨が降ったり止んだり、たまにめっちゃ晴れたり、そんな毎日。

今日ね、私ね、すごく嫌な事があったの。

自分が信じていた物がどうやら間違っていたみたいだから、何だか悔しくて、すごく悲しくて、とてつもなく君に会いたくなった。

今すぐここを離れてしまいたくて、しかたなかった。
どうせ、どこかに移動したとてそこが ここ であることに変わりないのに。

そしたらね?そしたらさ、空がとんでもなくお腹をしたような音が聞こえてきたの。
ゴロゴロゴロ〜って。

その後すぐに大粒の雨がポツポツと降り始めて、一気に地面を殴るような雨が視界を埋めたの。

次第に横殴りの雨が降り続いて、駅から直結で行ける百円均一に駆け込んだ。傘を買おうと思ってさ。
マスクがあって良かった、口元がユルユルなのを誰かに見られるところだったよ。

君がさ、私に大丈夫だよって言ってるみたいだったの。まるでそんな風にザブザブと排水溝に私の悲しい気持ちと一緒に流れていくの。

ついでにと思って一緒に画材を小一時間悩んで、外に出たらすっかり晴れだったの。
傘、買わなくて良かったね。
私の情緒不安定さ まで見抜かれている気がして少し、恥ずかしくなった。

でもより一層、君に会いたくなった そんな毎日。

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雨の日をたのしく

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