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20年間の子育てで役立った5冊の本たち

パンデミック中にあらゆるバトンが回ってきました。
その中の一つのブックチャレンジ。
本は大好きですが、引越のたびに処分して、本当に手元に置きたいものだけを購入、そうでないものはKindleで読む・・という風にしているので、ひと頃より手元にある本が少なくなりました。

うちの娘は赤ちゃんの時からページをめくって遊び、文字が読めない頃から絵本を眺めるのが好きでした。色も文字も本から学びました。気がついたら、どこ行きたいと聞くと「本屋」と答える子に成長しました。本からたくさんのことを学び、経験したと思います。なので、成長過程ごとにおすすめしたい絵本は山ほどあるのですが、それはまた別の機会に。

ちなみに、世の中には子育て本が溢れていますが、子育てにマニュアルなどないので参考になりません。なので、ここでは子育てマニュアル本はありません。特に立派な母親にはなれませんでしたが、私にとって「自分の頭で考えることができること」「1人でもきちんと生活ができるようにすること」が子育てのゴール、目標でした。そして、おかげさまで昨年、就職し、家を出て独立したので、子育ては卒業となりました。

さて今回は、20年間の子育てをふりかえって、その節目、節目で子供に伝えたいことがあって、私自身が助けてもらった本をご紹介したいと思います。


 「ダギーへの手紙」 E.キュープラ・ロス


死をテーマにした学問「死生学」の第一人者、終末医療、ホスピスマインドに基づく考えを広めることに貢献した精神科医キュープラ・ロスに9歳の小児がんに冒され、余命宣告された少年ダギー君から届いた手紙。「いのちって何?死って何?どうして小さな子供たちが死ななければならないの?」その手紙への返信がこの絵本です。

キュープラ・ロスといえば「死ぬ瞬間」の方が圧倒的に有名ですが、あえて絵本を。
大切な人を亡くした時、私自身もこの絵本の言葉に救われました。また娘が小さい頃「死んだらどうなるの?」「どうして死ぬの?」という質問にとうてい答えられず、この本に助けてもらいました。
優しい言葉で心に落ちる答えがあります。


「生まれてくるってどんなこと?」 川松泰美

「生まれてくるってどんなこと?ーあなたと考えたい生と性のこと」は、娘の担任だった川松先生の伝説の「命の授業」を書籍化したものです。性教育って、私たちの世代はちゃんと受けていないので、それを子供に伝えるってなかなか難しいことです。日本だとつい、いやらしい話みたいに捉えがち。でも、性教育の根本って「命」がどういうものなのか、「人を愛する」ってどういうことなのか、を知ることだと思うのです。私はこの授業を聞いて心から感動したのを今でも覚えています。また、この授業を受けた時の子供の反応もすごく面白かった(ここでは書けないけど笑)。
小学生高学年、中学生くらいのお子さんのいらっしゃる方におすすめです。


「セイリの味方スーパームーン」 高橋由為子

「セイリの味方スーパームーン」は、性教育同様、子供に生理とはどういうものなのか、女性の心と身体がどう変化していくのか教えようと思ったものの、ちゃんと言葉で説明できるほど自分がわかっていなかったので、まず自分が勉強しようと買った本だったんですが、届いたら、私が読むより先に娘があっという間に読んでしまって、結局、私は何も教えることはなかった笑、というこの1冊があれば説明がいらない優秀な本です。
初潮を迎えるお嬢さんをお持ちの方にぜひ。


「井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法」 

憲法のこころ/平和憲法の精神を表している「前文」と「第九条」を、井上ひさしが子どもにも読める言葉に「翻訳」した本です。

娘が小学6年生の時に日本国憲法の9条を元にした上演された演劇で使った本です。憲法の元になっている考え方、9条の意味がいわさきちひろの絵とともに優しい言葉で書かれています。
あらためて憲法を読む機会を持てたのは親子にとって良い機会になったと思います。大人も小学高学年から子供も読めると思います。ぜひ。


「あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと
ー ひとり暮らしの智恵と技術」 辰巳渚

断捨離と言えば、今ではこんまりさんですが、私たち世代は「捨てる技術」の辰巳渚さんではないでしょうか。

この本は、うちの娘が日本に帰国して就職すると決めて、初めて親も誰も近くにいない土地で(子供の頃しか日本を知らないし)、ひとり暮らしを始める時に贈った本です。帰国する飛行機の中で読んだそうです。きっと、何をどうしたらいいのか、不安なひとり暮らしの指針となってくれたと思います。

辰巳渚さんは52歳で不慮の事故で亡くなられました。この本が遺作となり、ひとり暮らしを始める息子さんのために書いたそうです。掃除、洗濯、料理・・母が息子に優しく説くように、読んでいても愛が溢れています。あとがきの息子さんの文章も泣けます。

自立するということ、誰も褒めてくれない家事をして生活すること。ひとり暮らしをする人だけでなく、私たちが日頃やっている家事がどういう意味を持つのか、テーブルを拭く、ゴミをゴミの日に出す・・やらなくても誰にも迷惑かけない、ちょっとめんどくさい!って思ってしまう当たり前のことを当たり前にこなすことの意味、どう大切なのか、私たち大人もハッとさせられると思います。


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