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詩【湖に溶ける】

森林の深い緑に囲まれた水面は
タンザナイトのような青
太陽を浴びて反射する光は
ベニトアイトのメタリックな光沢
流動する鉱物のように
煌めきがくっきりと
輪郭を持って輝く湖

私の中の青い色が満タンになって
爪から滲み出てきたみたい

タンザナイト色のマニキュアをした
彼女が言う

自分の中に青色だけ溜まって
そのせいで他の色は
全部外に追い出されて
何もかも青色に侵食されるの

そう言う彼女が
この青い湖に沈んだら
それはきっと身震いするほど
美しいだろう
艶やかな黒髪は水面に漂い
絹のように滑らか
黒いワンピースは揺蕩い
その色は月明りも
星も出ていない
漆黒の夜空
解放的な闇

肌は青白く
冷たく水を含んで柔らかい
表情はない
真顔で虚空を見つめる
瞳は黒瑪瑙

彼女の中の青と湖の青が
混ざり合って
ゆらゆらと
溶け合っていく

静かに湖に溶ける
彼女の青は掬えない





kesun4さんの月曜日に詩を紹介してくださる企画に応募したくて、ここのところ慣れない詩を書いています。なんだかうまく書けなくて、結局自分の過去の小説から引用するような形で、詩のようにしてみました。だから、結局散文です笑。やはり詩歌の世界は難しい。
今企画を読み直したら、過去の作品が埋もれないように再掲しよう、という趣旨の企画でしたね笑。趣旨からズレてしまった笑。でも、詩に挑戦させてくれるきっかけをくださったkesun4さんに感謝です( *ˊᵕˋ)

kesun4さんの企画こちら↓↓↓


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