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夏の終わり、子どもの終わり

夏休みの間、高2の次男坊が変わった。
精神的に一段階上がったなぁ、という感じ。

母としては、もう飯炊きくらいしか 本当にすることがなくなったと思う。

この夏の彼は誰が見てもわかるくらいに、自分を見つめていた。眠れない夜を過ごしてもいた。
思えばわたしの高2も暗黒時代であった。だから同じような時間を過ごしていることも手に取るようにわかった。

唸るような声が部屋から聞こえることも、恐怖の夢を見ただろうことも、不安が覆っている日もあって、でも親に頼ることではないと考えているから、わたしには何も言わない。

なるべく側にいたかったから、わたしはそうして過ごしてきた。

ある時、眠れない彼は リビングにやって来て、ゴロンとしているわたしの隣で同じようにゴロンとした。そして静かに目を閉じていた。

その顔を見て思い出したのよね。
膝枕が好きで、わたしが座ると嬉しそうな顔をして、鼻の下を伸ばして、頭を置いてきてた幼い頃の彼を。

今では彼の方が大きく、甘えてもこないが、人として誰かに寄りかかりたいときってある。
そう思って、彼の頭を撫で続けた。大きくなったなぁと思いながらも。

その後、大きな寝息を立て始め、深い眠りについたようだった。
起きてきた彼の顔は、焦燥感から安定の表情に変化していた。

あぁ、最後の甘えだったのね、、、と瞬時にわかった。
人はたったの一晩で変わることもある。

これからこの役割は、彼を愛しく思ってくれる女性に変わるだろう。その子に早く会いたいな。

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