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児童虐待防止法の改正と母親の負担、不安

   児童虐待のニュースが報道されない日はないくらいですが、それでも報道されるのは、氷山の一角だと言われています。

 平成29年度の児童相談所への相談件数は13万を超えています。なぜこんなに急増したのでしょうか。児童虐待に人々の関心が高まっていることや、周りに助けてくれる人がいなくて母親の子育ての負担感が大きくなっているのも要因だと思います。

 お母さん方がよく言われるのは、「子どもが大きな声で泣くと、虐待だと通報されないか心配」という言葉です。子どもは、言葉で気持ちや欲求を伝えられないと、泣いて訴えるしかありません。泣き出すと止まらなくなる子もいます。泣くのは大事なコミュニケーション手段ですが、聞く人によっては虐待と思ってしまうこともあるかもしれません。そうなると、お母さんたちはとにかく泣かせないようにするしかありません。これが子育ての負担感を増大させれば、悪循環です。

 今般、児童虐待防止法の改正案が衆議院で議論されています。改正の大きな点は、養育者の体罰の禁止です。体罰の内容については、今後規定されるそうですが、家庭での体罰を見抜くことはできるのでしょうか。

 体罰だけでなく、言葉の暴力で子どもの心を傷つける虐待は、今回対象にはなっていません。心を傷つける行為も、子どもの人生を破壊することにつながりかねません。親は自分の子どもを愛おしい、かけがえのない存在だと思っているという大前提は様々な事件で覆されました。法律で子どもを守ることはできないかもしれませんが、大人の意識を変えていくには必要なのかもしれません。

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