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「テニスの王子様」を分析する

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Genius1(第1話)からGenius379(最終話)まで、1話ずつ取り上げ「テニスの王子様」のマンガとしてのおもしろさについて考えます。毎日更新予定。
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記事一覧

「テニスの王子様」を分析する(133):再び見るフキダシ

文章に傍点があるとき、読者はゆっくりと文字を読む。 「お、前、達、が、組、む、時、」とい…

ringo_no_sin
1日前
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「テニスの王子様」を分析する(132):同時進行する物語

「実写的」な背景とともに描かれる跡部のフキダシは、目の前の試合についての言葉だ。 一方で…

ringo_no_sin
1か月前

「テニスの王子様」を分析する(131):ざわめきと静けさ

対照的なコマが、連続して並べられる。 見た目、あるいはデザイン上の違いとして、 黒色が主…

ringo_no_sin
2か月前
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「テニスの王子様」を分析する(130):文字を追うスピード

忍足と向日が、青学の試合を見ながら言葉を発する。 関西弁で話す忍足のフキダシは、ひらがな…

ringo_no_sin
3か月前
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「テニスの王子様」を分析する(129):驚きの表現

跡部が、驚きの表情で試合を見る。 跡部の表情は大きく描かれ、 その大きさを強調するかのよ…

ringo_no_sin
3か月前

「テニスの王子様」を分析する(128):異なるふたり

顔(表情)に陰影が書き込まれず、あっさりとした線で描写される乾。 その乾と会話をしている…

ringo_no_sin
4か月前
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「テニスの王子様」を分析する(127):不一致が示すもの

忍足によって発声された「セリフ」はないものの、 跡部の言葉と、忍足本人の内言により心情が描かれる。 うっすらと笑みを浮かべるかのような跡部の表情と、目元の奥行が強調される忍足の表情は対照的だ。 そして「!?」や「!!」という差し迫った状況を感じさせる記号とは対照的に、「ヤロウ」「やれるモン」といったカタカナ表記は軽やかにも見える。 ちぐはぐにも思えるような、緊迫感とゆるさの落差が、忍足の追い詰められた状況をより強く感じさせているのかもしれない。 散文と批評『5.17.

「テニスの王子様」を分析する(126):意識を向けさせる

「スッ」という効果音を手掛かりに、読者は 桃城が上げた腕の先に目を遣る。 次のコマと、さ…

ringo_no_sin
4か月前
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「テニスの王子様」を分析する(125):目と目を合わせる

菊丸と桃城が、目を合わせる。 そしてフキダシではない方法で、ことばを掛け合う。 清潔さ(…

ringo_no_sin
5か月前
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「テニスの王子様」を分析する(124):ボールが辿りつく先

向日が返した球が、菊丸の手と足の間を通り抜けていく。 ともにアクロバティックなプレーを得…

ringo_no_sin
5か月前
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「テニスの王子様」を分析する(123):言葉と顔

「こっちの奴」という言葉とともに、目の前で本人に向かって指をさす。 向日は、意図的に挑発…

ringo_no_sin
6か月前

「テニスの王子様」を分析する(122):大きく描かれる

ハチマキを巻いた桃城が、大きな学校旗を振る。 その姿は後ろからも、前からも描かれている。…

ringo_no_sin
6か月前
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「テニスの王子様」を分析する(121):視覚的な間(ま)

手塚のフキダシの「不二は」という言葉のあとに、空白が続いている。 コマの左端にはチャイム…

ringo_no_sin
7か月前

「テニスの王子様」を分析する(120):気になる存在

コマの外から、リョーマの言葉がせり出してくる。 読者にとってはまだ馴染みが薄いであろう「跡部」が、どの登場人物を指すのかを端的に説明するという「機能性」があるセリフだ。 しかし、それと同時に。 桃城のフキダシより大きく、文字も多く、装飾的な小さな文字までも伴って話すリョーマが、跡部を大きく意識しているようにも読み取れる。 散文と批評『5.17.32.93.203.204』に、テニプリ論考を寄稿しました。 📚WEBショップにてお買い求めいただけます📚