「テニスの王子様」を分析する(126):意識を向けさせる

「スッ」という効果音を手掛かりに、読者は
桃城が上げた腕の先に目を遣る。

許斐剛『テニスの王子様 15巻』集英社、2002年、P.63。

次のコマと、さらにその次のコマでは
同じ構図の絵が続き、
「サラ…」という音から、髪が風で流れるわずかに上向きの風の流れを感じることができる。

この3コマにおいて、菊丸の瞳の動きが
もっとも目を引くが、それ以外の動き(桃城の腕が向かう先、風の吹き方)もすべて同じ方向に向かっていることが分かる。

次に起こる出来事への補助線が、何重にも引かれているようだ。


散文と批評『5.17.32.93.203.204』に、テニプリ論考を寄稿しました。
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