「テニスの王子様」を分析する(127):不一致が示すもの

忍足によって発声された「セリフ」はないものの、
跡部の言葉と、忍足本人の内言により心情が描かれる。

許斐剛『テニスの王子様 15巻』集英社、2002年、P.75。

うっすらと笑みを浮かべるかのような跡部の表情と、目元の奥行が強調される忍足の表情は対照的だ。

そして「!?」や「!!」という差し迫った状況を感じさせる記号とは対照的に、「ヤロウ」「やれるモン」といったカタカナ表記は軽やかにも見える。

ちぐはぐにも思えるような、緊迫感とゆるさの落差が、忍足の追い詰められた状況をより強く感じさせているのかもしれない。


散文と批評『5.17.32.93.203.204』に、テニプリ論考を寄稿しました。
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