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教師の名言・格言 その16    「逆上がりは協応動作」

No.022 「逆上がりは協応動作」

鉄棒の中で第一の山場といえるのが逆上がり。
できない子どもが多いのは事実。
自転車を乗るのと同じで、低学年の時にできれば上の学年になってもだいたいできるものである。
そう考えると低学年の鉄棒は重要である。
逆上がりでは、まず「逆さ感覚」を体験させることから始めなければならない。
逆さまの風景を子どもに見せよう。
簡単な方法として股のぞきがある。
両脚を広げ、両手で足首を持ち、屈んで後ろを見る。
通常と違った逆さの風景が見える。
この逆さの風景を知らないと、鉄棒の布団干しが怖くてできない子がいる。
4年生で、逆さ感覚がつかめず、怖くて布団干しもできなかった子どもが、「股のぞき」で逆さの風景を何度も見た後、怖いながらも布団干しができるようになった。
6年生を担任したときも、布団干しができなかったが、何度も何度もまた除きをさせ、逆さまの景色を見せた結果、布団干しができるようになった子どももいた。
しかし、逆上がりはというと「…」。
なかなか難しかった。
もう一歩というところだった。
さて、「協応動作」であるが、二つ以上の動作を同時に行うこと。
逆上がりでは、腕を引きつける動作と脚を上部へけり上げる動作が重要になる。
腕の動作と脚の動作の二つをコントロールする。
逆上がりができない子どもをよく見ると、鉄棒からお腹が離れていることが多い。
そのため、タオルなどの補助具を使い、鉄棒とお腹の間を広げないようにするとクルッと回れる。
脚を蹴り上げる感覚を十分につかんだのち、腕をひきつける動作を意識する。
脚の感覚を忘れてしまうこともあるが、何度か練習するうちに両方の感覚をつかみ、クルッと回れるようになる。
高学年になると体が重くなり、それに伴う腕力が不十分な子どもが多くなる。
そのような子どもは、逆上がりが難しい。
できないこともないが、難しい。
低学年の2倍、3倍の努力は必要になる。
しかし、できた時の喜びはひとしおである。
最近は、鉄棒(逆上がり)にかける時間もなかなか取れなくなった。
残念ながら、クラス全員達成ができていない。
ただ、一つでも次のステップ(布団干し)に移れるだけで次への布石としている。
保護者からも、布団干しもできなかったのが、6年生になってできるようになって嬉しいんですという言葉をいただいた。
それともう一つ嬉しいこととして、前転もできるようになった。
これも逆さ感覚がわかり、回転への恐怖心が薄れたことが要因と考えられる。
鉄棒はできなかったが、違う運動に生かせたのもよかったと思った。

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