忘れるぐらい夢中にしてくれて
コーヒーにまつわる物語bySTORY CAFE
ワレモコウのモ子は若者に大人気のフルーツぴゅーれらんどへ行くため、家事を前倒しにして、準備万端にするのに忙しい
一緒に暮らしている、ブラックベリーの黒子とラズベリーのきい子はまだ子どもだから、家事全般はモ子の役目で、正直支度は大変だけど、
二人がぴゅーれらんどを楽しむ姿を見るのはモ子にとっての楽しみでもあるのだ
前夜に洗濯を完了させ、いつもよりだいぶ早起きし、バタつきながらも、無事、開園前に到着できた
ぴゅーれらんどで過ごす1日はとても忙しい
お目当てのキャラクターと写真を撮るため、何度も行列に並び、ショーがはじまる一時間前には場所取りをし、空き時間があれば、お土産屋さんを物色する
毎日、自宅のキッチンでゆっくりコーヒーを飲むことが、モ子にとっての至福なのだが、
この日ばかりは、ぴゅーれらんどに心掴まれてしまっている
なにより、ここでは大好きなキャラクター(黒子やきい子に言わせたら、「推し」と呼ぶそうだ)がモ子の心を癒してくれる
園内を一日中歩き回るものだから、夕方には足は重りがついたみたいになる
それでも、モ子の心はホクホクだ
今日やりたかったことは全部達成できて、好きなキャラクターは予想をはるかに超えた最高のポーズをしてくれた
これから半年は、どんなことがあっても頑張れる
大袈裟なんかじゃない
例えば、コーヒーはモ子にとって毎日摂りたいサプリメントだとしたら、
ぴゅーれらんどは高級な栄養ドリンクだ
高級な栄養ドリンクは毎日飲んだらどうにかなってしまう
家路についたモ子は二人の世話をしつつ、幸せだった思いに浸る
キッチンに立ったとき、ふと今日は一度もコーヒーを飲んでないことを思い出す
「そうだ、コーヒー飲もう」
推しからもらった半年分のエネルギーが体にみなぎっているのを感じながら、ルンルン気分でやかんに火をかける
おしまい
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好きなものについて語ります
この物語はピューロランドへのオマージュです。
ピューロランドはこの数年、ターゲットをファミリー層から大人の女性に変え、私はまんまとその戦略にはまってしまいました。
ピューロランドが赤字からV字回復した作戦について、ご興味ある方はこの書籍をご覧下さい
大好きな会社の理念
サンリオの理念は「みんななかよく」
だそうです。
みんななかよく、なんて綺麗ごとに聞こえるかもしれませんが、サンリオはそれを成し遂げてしまっています。
ひとりがすきなひとも、みんなとワイワイするのがすきなひとも、闇がすきなひとも、明るいひとも、みんな個性があっていい。
そんなメッセージをショーやパレードを通して伝えているように思えます。
ピューロランドではおじ様やお兄さんが一人で来園し、キャラクターと触れ合っている光景に出会います。
それを見たときに、キュンっとする私がいます。
キティちゃんはピューロランドの中で、言葉を発します。動きます。声優は林原めぐみさんです!(魔神英雄伝ワタルのヒミコのイメージが強い。世代がバレますね。)
※2023年キティちゃんの誕生日に声優さんが交代となりました。
そのキティちゃんのなんと良い女っぷり。
キティちゃんは色っぽくて、優しくて、酸いも甘いも知っていて、抜けているところもあり完璧じゃないのにそれこそが完璧で、本当に魅力的な女の子なのです。公式YouTubeでキティちゃんがMrs. GREEN APPLEの「ダンスホール」を歌っています。とてつもなく上手いです。お時間ある方はぜひ聴いてみてください!
私は尊敬の念を抱き、彼女のことを「キティちゃん」ではなく「キティさん」とよんでいます。
熱く語ってしまいました。
皆さんにとっての栄養ドリンク「推し」はいらっしゃいますか?
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
次回は
一週間お休みして、再来週の金曜日更新予定です。
タイトルは「ホタルを見たかった」
山紫陽花の紅子という女性がでてきます
STORY CAFEの物語をマガジンにまとめました。
コーヒーにまつわる物語をご用意してお待ちしております。よかったら、ほっとしにいらして下さい。
それでは、よい週末をおすごしください!
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